カナダで取り戻した山下美夢有のストロングスタイル「最近はスイング、スイングになっていた」
◇米国女子◇CPKC女子オープン 2日目(21日)◇ロイヤルメイフェアGC(カナダ)◇6452yd(パー70)
4つ伸ばして迎えた前半9番のピンチで見せたプレーに、山下美夢有は少しだけ胸を張る。ティショットが転がった左ラフの芝が“ねちっこく”、飛ばすのが難しい状況。「絶対刻もう」と潔くレイアップし、残り68ydからの3打目を3mほどにつけてナイスパーを拾った。
「3打目はあまり寄らなかったですけど…」と言いながら、正しい状況判断を迅速に下せたことを評価する。「ここ最近は、とりあえず『スイング、スイング…』みたいな感じになっていた。自分のプレースタイルができていないと思った」。コーチである父・勝臣さんと磨き上げてきたスイングへの自信は揺るぎない。だからこそ、曲がってしまったひとつのショットに対して試合中に考え込み、プレーにフォーカスしきれていなかったと自分を戒める。「練習場で考えるのは別にいいんです。(試合で)曲がるのはしょうがないし、そこからどうすればバーディにつながるのか、パーにできるのかっていうところが大事」
一切の妥協なく、自らのゴルフを追究するがゆえに起こっていた試合中の意識の“ズレ”。それに気付き、正すきっかけをくれたのが、このロイヤルメイフェアGCだった。「フェアウェイもタイトで、結構ドッグレッグもあって…」。コースを下調べし、フェアウェイキープ最優先のマネジメントを考え抜く過程で、自分自身の原点ともいえるスタイルに立ち返ることができたという。
後半11番、そのスタイルを象徴するようなプレーを見せた。308ydと短いパー4で、フェアウェイウッドのティショットを左ラフに入れるミス。それでも気落ちする様子はなく、ラフから48度のウェッジショットはキャリーとランの計算まで完ぺきだった。2mのフックラインを惜しくも右に外したが、「今週は100yd以内のショットがちゃんと寄ってくれている。リズムよく回れていると思いますし、いい集中力でラウンドできている」と手応えを深めた。
初日に米女子ツアー自己ベスト「62」で飛び出し、「64」で加速をつけて通算14アンダー。リードを5打に広げた。36ホール終了時点でのトータル「126」ストロークは、2014年「フボンLPGA台湾選手権」での朴仁妃(韓国)がマークして以来の記録でもあった(ツアーレコードは124)。メジャー初制覇を遂げた昨年「AIG女子オープン(全英女子)」に続く首位ターン。本来の姿を取り戻した25歳なら、このまま突っ走ってもおかしくない。(カナダ・アルバータ州エドモントン/亀山泰宏)