「人生とんとん拍子で来たタイプなので…」吉田優利が止めた連続予選落ちと守った1打の価値
◇米国女子◇CPKC女子オープン 2日目(21日)◇ロイヤルメイフェアGC(カナダ)◇6452yd(パー70)
通算9アンダーで首位に並んで迎えた最終9番は、吉田優利にとって大会の分岐点になりかねないホールだった。ドローヒッターには攻めづらい右奥ピンを狙った2打目はわずか1、2yd差で右に飛んだ分ガードバンカーにつかまった。ライがあごに近い、左足上がりだったことを生かし、傾斜を越えたフラットなエリアに柔らかい球を落とす妙技。それでも2.5m残ったスライスラインを決めきって耐えた。
ショットとパットがかみ合って4バーディを先行し、途中2連続ボギーがあっても後半に2バーディを奪い返した「66」の締めくくり方がうれしい。「すごくいいパーで終われた。あれが入るか入らないかで、あしたの回り方が全然変わってきたと思う」。通算9アンダーのフィニッシュにうなずいたのは、週末の戦いを見据えてのことだ。
「たぶん、8と9で全然違うと思うんですよ」。単純計算で4アンダーを2日間並べた8アンダーと、どちらか1日で5アンダーをマークした9アンダー。途中経過におけるわずか1ストローク差が、伸ばし合いで上位争いに食らいつけるか、中位グループに吸収されていくかを分ける境界線だと見ている。「(自分の中で)何個かそういう数字があるんですけど、その中のひとつだった。ホント、ホントにいいパットだったと思います」
とはいえ、最近は72ホールトータルでゴルフを考える余裕がなかった。6月「全米女子オープン」を最後に、ダブルス戦を含めて6試合連続で予選落ちを喫していた。高いレベルで安定感を誇った日本ツアー時代はもちろん、苦戦を強いられた米ツアー1年目の2024年もここまで立て続けに決勝進出を逃したことはなかった。
「人生トントン拍子で来たようなタイプなので。これでやっとトントンか、もっと予選落ちしてトントンかなと思うくらい。でも、ここで折れたらはい上がってこられないと思ったので」と言ったが、ネガティブになる瞬間がなかったはずもない。
「72ホールで考えたいゴルフを(ずっと)36、36で考えるのは、なかなかプロっぽくないというか…。予選を通るためにゴルフをしているわけじゃないですけど、そこがひとつ最初の目標みたいになると、(とりあえず)36、36って感じで考えてしまう」。自分が当たり前のように繰り返してきた戦い方、思考回路を再確認できた意味でも会心の2日間だった。
毎週のように試合に出る中で結果を出しながら、自分の力を上げていくことが求められるのがプロゴルファーというのが吉田の持論。アマチュア時代のように大舞台だけを見据えて調整すればいいわけではなく、72ホールを戦って初めて評価され、それだけ実戦の中で技術を磨く機会も得られるからだ。プロとしての“基準”を取り戻した先には、しびれる上位争いが待っている。(カナダ・アルバータ州エドモントン/亀山泰宏)