「思い出が走馬灯のように…」岩井千怜が桑木志帆の全英制覇で泣いたワケ
◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 初日(13日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇6541yd(パー72)
2週前の「AIG女子オープン(全英女子)」で桑木志帆が日本女子7人目のメジャー制覇を遂げた時、笑顔のチャンピオンよりも先に涙を流していたのが、18番グリーンへ祝福に駆けつけた岩井千怜だった。もらい泣きではない、とめどなく感情があふれた理由は自身の日本ツアー初優勝だった2022年「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」までさかのぼる。
「私が日本ツアーで初優勝した時に、志帆がお祝いに来てくれたんです。(全英女子で)ハグする直前に、それが最初に頭に浮かんできて…」。さらにはオフにタイで一緒に合宿を張ったことなど、双子姉妹と桑木の3人で過ごした記憶が「走馬灯のように一気に」頭を駆け巡ったという。「自分でも泣くとは思っていなかったんですけど…」と苦笑しつつ、新たに紡いだ思い出は間違いなく刺激にもなった。
その全英女子を終えてから最初の試合で首位と2打差の5アンダー9位発進。「久しぶりに上位争いができそうなゴルフをしているなって思えました」とはっきり手応えがにじむ。バロメーターのひとつになっているのが、ショットで気持ちよく振り切れているかということ。フィニッシュまでピタッと決まることで、ショット以外のプレーのリズムも良くなる好循環が生まれる。まさにそんなラウンドを体現できた。
2つ伸ばして折り返した後半に加速した。グリーン左のラフからのアプローチがわずかに緩んだ1番でピンチを迎えながら、微妙な距離のパーパットをねじ込み、続く2番(パー3)でバーディ。左奥ピンまでの168ydは、飛距離160yd想定の6Iで攻めていくには絶好のロケーションでもあった。イメージ通りのドローボールで2mのチャンスを演出してスコアを伸ばすと、3番も2打目をピンに絡めて2連続とした。
「クラブのチョイスミス」と悔しがった7番(パー5)で唯一のボギーを喫しても、8番(パー3)でバウンスバックを決める「67」。前年は姉・岩井明愛が初優勝を遂げ、自らも3位に入った、岩井家にとって相性のいいトーナメント。姉妹による大会連覇となれば、ツアー史上初の双子優勝に続く新たな金字塔だ。(オレゴン州ポートランド/亀山泰宏)