高額なグリーンフィも納得? ゴルファーが夢見る砂漠の“オアシス”
米国女子ツアー「アラムコ選手権」の舞台となったネバダ州ラスベガス郊外のシャドークリークGCは、全米屈指の高級コースとして有名だ。見事に整備されたコースコンディションや設計の素晴らしさなど理由は数あれど、グリーンフィが高額なことで名高い。実際の料金はさておき、その理由を探ってみた。
開場は1989年。筆者が初めてラスベガスを訪れたのは、開場から約10年後の1998年だった。シャドークリークの近くを通ったこともあったが、ラスベガスの中心地と、現在コースが位置する間には建物がなく、コースの近くには空軍の飛行場しかなかったのが印象的だった。つまり、何もない砂漠の真ん中に緑豊かなコースを造成したのだ。
シャドークリークは、ラスベガスらしからぬ深い緑の芝と多くの木々、そして豊かな水があふれるコースだ。しかしよく考えてみると、その水はどこから湧いてきているのだろうか? コースの近くには大きな河川はなく、ラスベガスの周辺にある山々からも離れた位置にあるため、山から川が流れているわけでもない。18ホールのうち、8ホールは水がらみで大きな池もある。クリークの清流は豊富で、17番ホールの滝は印象的。改めて、この水はどこから持ってきているのだ?
答えは15番ホールを縦断するように流れるクリークの上流にあった。グリーン右のクリークを遡っていくと源流を発見。岩の影から湧き出ていた水は、白いパイプから噴き出していたものだった。
ラスベガス市で利用される水は、市の東にあるフーバーダムによって蓄えられたミード湖の水だ。しかし、この水道水をクリークの水にしているとすれば、あまりにも水資源の無駄遣いなのでは? ということで、ゼネラルマネジャーのモンティー・モンゴメリー氏に話を聞いた。
「当コースで使用する水は、以前は約4割が井戸から汲み上げたものを使用していましたが、現在は7割近くにまでなっています。井戸水は循環させて利用しており、残りの3割は市の水道水を使用。造成する際、まず地下に水がある場所を見つけ、そこに市の許可を得て井戸を掘ることから始まっています。ちなみに、コースを流れる水は1番グリーン横、9番グリーン奥、15番グリーン奥の3カ所からポンプで汲み上げた水を流しています」
コースには適度なアップダウンがあり、ホールは多くの木でセパレートされている。コース内にいると、もともとそのような自然があったかのように錯覚させられるが、現在生えている約2万5000本の木々は全て植林されたもの。丘や池も全てが一から人工的に作られたコースなのである。ネバダの強烈な日差しを遮ってくれる木陰を多く擁し、水辺や滝などが清涼感を演出する。砂漠の真ん中に現れたまさにオアシスのようなコースがシャドークリークなのだ。グリーンフィが高額になるのも納得できる。
ラスベガスを訪れた際には一度ぜひプレーを! となかなか他人に勧めにくい値段なのだが、取材していてもコースのデザイン性や戦略性の高さが伝わってくる。そこでプレーする選手は、やはりうらやましい限りだ。(JJ田辺カメラマン)