「逃げたくない。必死に生きてる」渋野日向子は米国で仕切り直し
◇米国女子◇FM選手権 事前(27日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6598yd(パー72)
開幕前日、プロアマ戦のリストに渋野日向子の名前はなかった。欠場プロが出た場合の補欠選手(オルタネート)として、コースで待機時間に指定されたのは午前6時55分から2時間。休憩を挟みつつ、練習場でのショット、パットの調整を終えたとき、時計の針は午後1時半を回っていた。
カナダのナショナルオープンだった前週の「CPKC女子オープン」は2日目に「76」をたたき、今季9回目の予選落ちを喫した。米国に帰ってきた後もドライビングレンジではクラブと身体の動き、ボールが飛ぶ様を注視する時間が続く。納得いかない球筋にいら立ちを募らせ、ため息をつく場面もあった。
週ごとに動く年間ポイントレース(レース・トゥ・CMEグローブ)は96位。来季の出場権となる80位、100位のボーダーラインが気になるポジションで推移する。昨年スタートした本大会には今年初出場。かつてPGAツアーのプレーオフシリーズをホストしたTPCボストンは距離もさることながら「ショットもグリーンも難しそう」と戦略性の高さを感じてやまない。
故アーノルド・パーマー設計の18ホールは、グリーンに多くの面を持つ。難度を上げるのは粘り気のあるケンタッキーブルーグラスのラフ。「やっぱりティショットでなるべくフェアウェイをキープしたいし、グリーンもピンと同じ段にのせられるように頑張りたい。でも場所よってはすごく狭いところもあったりする。ショートサイドに外すとめちゃくちゃ難しいところもある」。あらゆる場面で、打つべきスポットへの集中力も問われそうだ。
25日(月)の夜には畑岡奈紗の呼びかけに協力し、夕食会に13人の日本人選手を集めた。「去年からみんなで集まりたいねと言ってくれていて。日本で同級生で集まることはあっても、同じアメリカツアーで戦っている日本人(メンバー)全員が集まってワイワイするのはなかなか。ライバル同士ではあるんですけど、良かったと思う」と心を和ませた。
ゴルフ場での試行錯誤は「すごく難しいな…」と苦労ばかり。それでも「逃げたくない。逃げたくなる気持ちもありますけど、悔いの残らないように、一日一日やりたい。日々、必死に生きてるから」と思う。「やっぱり予選をしっかり通って4日間戦いたい」。気持ちを強く持って今週もティオフする。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)