首位タイ勝みなみが目指す天才少女コーの再現
国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディスオープン」の初日、怒濤の5連続バーディを含む6バーディを奪った15歳のアマチュア勝みなみが、O.サタヤ(タイ)と並び首位タイに立った。
スタートの10番で2メートルのパーパットを沈めると「今日はパットの調子がいい」と自分自身に言い聞かせたという勝。13番パー3ではティショットを木の後ろに打ち込みピンチに陥ったが、前方にわずか幅10センチ程度の隙間を見つけると「狙っちゃう!?」とキャディの後押しもあって、2打目をピンそば30センチに寄せてまんまと窮地を切り抜けるなど、パーセーブが光る立ち上がりだった。
すると14番で4メートルのバーディパットが沈め、快進撃の幕開け。15番はグリーンに左カラーから6メートルと立て続けにパッティングが決まり、16番(パー3)はティショットを1.5メートル、17番も第2打を1メートルとショットでもチャンスメーク。18番パー5では3打目をピン3メートルにつけて、これをしっかりと沈め、アマチュアでは2008年に金田久美子以来の5連続バーディを達成した。
「5連続バーディはこれで2回目です。小学校6年生のときに地元の島津GC(鹿児島県)で、そのときは67ストロークでした」と淡々と話す。まだ15歳ながら、今季第2戦で森田遙(17歳)、第4戦では柏原明日架(18歳)が、それぞれアマチュアで優勝争いを繰り広げたことに刺激を受けている。
「森田さんからは最終日の最終組でどれだけ緊張したかなど話を聞いて、私もアマチュアのうちに1度は経験したいと思いました」。アマチュアとしてプロの試合で予選通過は数多く経験してきたが、首位に立つのはこれが初めて。2日目も好位置をキープし、念願を叶えることはできるか。
実は、今大会にはある種の自信を持って挑んでいる。3月20日からニュージーランドのへスティングスGC(パー74)で開催された「ニュージーランドアマチュアゴルフ選手権」に出場し、4日間通算19アンダーで優勝を果たした。2011年に当時13歳だったリディア・コー(ニュージーランド)がマークした17アンダーを塗り替える大記録だった。
「嬉しくて、すぐに両親に電話をしました。あの試合はショットがほとんどピンに絡む感じで。コーさんとは年齢が1つしか変わらないのですが、憧れというか遠い存在だったので、すごく自信になりました」。世界が注目する天才少女コーを基準に、さらなる成長を図る勝は、日本ツアーでアマチュアとして4人目の優勝を狙っている。(熊本県菊陽町/本橋英治)