今季2試合しか予選を通っていない小楠梨紗が2アンダー9位タイ発進

国内女子ツアー「サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント」の初日、昨年プロテストに合格した小楠梨紗が2アンダーをマークして9位タイの好スタートを切った。昨年末のクオリファイで20位に入り、今季のレギュラーツアー出場資格を掴んだ小楠だが、開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」と「スタジオアリス女子オープン」の2試合に予選通過を果たしただけで、残る6試合は予選落ちとなっている。

「今日はボギーでスタートしたので、またダメかなという思いが浮かんだのですが、途中でひらめいたものがありまして。そうしたらバーディが出るようになったんです」。10番のスタートホールでボギーをたたいた後は、13番、17番パー5、18番、さらに3番でもバーディを奪い、8番でボギーをたたくも首位と2打差の2アンダー9位タイ。

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今季3戦目の「Tポイントレディス」からショットの調子を崩してしまった小楠は、翌週の「アクサレディス」時には気管支炎になり、プレーこそ続けられたが体調不良が続いてしまった。

「毎週試合なので、生活のリズムとかも変わってしまいました。夜は21時には寝て、朝は4時か5時には起きていますね」。連戦の疲れもあり、本来のスイングが出来ず苦しむ小楠に、もう一つリズムを崩す要因があった。それは練習場で聞く他の選手のインパクト音だと言う。「私はゆったり振るタイプなのですが、周りの方々がビシっていい音で打ち込むのを聞くと、ついつい肩に力が入って、切り返しで力んでしまうんです」。

話し方もおっとりした選手だが「普段の行動ものんびり屋さんですね、食べるのも早くないし、行動もゆったりした印象がありますよ」という周囲の声も聞く。地元は静岡県の浜松で、ツアーで連戦が続いているために地元のコーチに見てもらえる時間もないと話す。現在は小楠をゴルフの道へと導いた母親が、スイングのチェックを行っている。「プロではないですが、私の子供のころからのスイングを見ているので、癖とかがすぐにわかるんですよね。だから、今は母親がコーチです」。

「ショットが不安定だった先週までは、パーオンできるのが1日に6回とかしかなかったんです。それが、今日は3回しかグリーンを外していませんので、凄く嬉しいんです」。この日のひらめきがホンモノならば、一気に開花し優勝争いに加わるかもしれない。（千葉県市原市／本橋英治）