アジアシリーズ開幕展望 佐藤信人×山中博史の目
佐藤信人がゴルフネットワークで初解説!アジアシリーズの見所を語る
2013年の日本ツアーは4月の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」に先駆け、ワンアジアツアーとの共同主管によるジャパンゴルフツアーアジアシリーズがスタートする。
3月14日(木)から17日(日)にタイのタナシティゴルフアンドスポーツクラブで行われる「タイランドオープン」、そして同28日(木)~31日(日)にエメラルダゴルフクラブで開催の「インドネシアPGAチャンピオンシップ」の2試合。出場156選手のうち、日本ツアーから60名が参戦する両トーナメントはいずれも賞金総額100万ドル(日本円換算額は8707万円)となっており、獲得額は今シーズンの賞金ランキングに加算される。
ゴルフ界のグローバル化も急速な勢いで進む昨今、新たな試みとして行われる大会の開幕に先立ち、国内ツアー通算9勝(うち3度の日本タイトル獲得)の実績を持ち、ゴルフネットワークで4日間生中継される「タイランドオープン」で初のテレビ解説を務める佐藤信人プロ、そして大会ディレクター、日本ゴルフツアー機構の専務理事として開催に尽力している山中博史氏が展望を語った。
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■試合数維持に奔走する国内男子ツアー 開催に至る経緯
振り返れば過去にもアジアンツアーなどと共催、共同主管試合を開催してきた日本男子ツアー。2005年まで行われていた沖縄で「アジアジャパン沖縄オープン」や2008年の「パインバレー北京オープン」、そして昨年の「インドネシアオープン」。今回の2試合、アジアシリーズもその流れを汲んだものであり、そして昨今の国内ツアーを取り巻く厳しい経済状況が少なからず影響している。
山中博史専務理事「もちろん我々JGTO(日本ゴルフツアー機構)は、国内を中心に試合を増やしていかなければいけない一方で、グローバル化を進めている企業ほど、なかなかスポンサードをしていただけない環境になってきています。それはプロゴルフに限ったことではありません。では、日本にある代表的な企業にトーナメントを応援して頂くためには、どういう仕組みが必要なのか?となったときの方法として考えられたのが、海外ツアーとのタイアップだったんです。去年、インドネシアオープンは賞金加算競技ではありませんでしたが、トライアルでやるうちに『これはできる』と思い、またワンアジアからも日本と組みたいというオファーもあり、今回開催に至りました」
佐藤信人「選手としては国内の試合が増えるのが一番ですけど、なかなかそうならない現状があります。選手が一番望んでいるのは、試合数が増えること。それが海外との共催であっても、まずは喜ばしいことです。海外に出て、他のいろんな選手と試合をしたり、違う環境に出ていくことで選手がタフに育っていくと思う。日本って、こんなに小さい国なのに、ツアーが年間20試合以上もあるんです。こんな国って、アメリカ以外に無いんですよね。ヨーロピアンツアーを見ても、最もゴルフが盛んなイギリスでも、ツアーの中で開催される大会は3つ、4つしかないわけですからね(GDO編集部注:2013年の欧州ツアーにおけるイングランド、スコットランド、ウェールズでの開催大会は合計6試合)。だから日本人選手も、海外に出て、他の国のいろんな選手と試合をしたり、様々な環境に出ていくことで、タフに育っていくはず。レベルアップにもつながると思います」
山中「僕らの希望としても、やっぱり国際的に活躍する選手がツアーから出てきてほしい。それが日本人であればより望ましいでしょう。そういったところで、その舞台を作るのも僕らの仕事です。ただ日本には12月から3月の長いオフがありますが、その季節に日本で開催しても、ほとんどの地域は寒くて、ゴルフ場のコンディションも良くないですからね。アジアサーキットやっていた頃には、同時期に気候のいいところに出かけて行きました。
そういったところに選手が出て、今後は日本のグローバルな企業にもスポンサードしていただき、日本のプレーヤーが暖かいところでプレーし、賞金もある程度稼げる。WIN-WINの活動ができるのではと期待しています」