チップイン2度の「69」は「ビックリです」 生涯獲得賞金0円の小村優太が8位発進
◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 初日(29日)◇三好CC西コース(愛知)◇7300yd(パー71)◇晴れ(観衆2455人)
打った瞬間「終わった」と思った。2アンダーで迎えた最終18番。小村優太の2打目はグリーン右の池方向へ…。しかし、ボールは池まで1yd、刈り込まれたエリアに止まってくれた。「頑張ってパーを獲ろう」。そう思っていた20yd少しのアプローチが、カップに消えた。
「ビックリ」はもう一つあった。バーディ発進直後の2番(パー5)。「強い!」と思った35ydのアプローチが入った。ツアー初イーグルだった。ツアー出場はアマチュアの3試合を含め、プロデビュー戦で2023年「日本オープン」以来3年ぶりで、今大会はマンデー予選会を突破して5試合目。予選通過経験がなく、ツアーで1円も稼いでいない25歳が3アンダー「68」で8位発進を決めた。
北海道で生まれ、9歳でゴルフをはじめ、札幌竜谷学園高から福岡の日本経済大へ。アマチュアで目立った実績はなく、23年にプロ転向した。同学年には中島啓太、蝉川泰果らアマチュアでツアー優勝するような“スター”がいた。「蝉川君とはジュニアの試合で話をしたことはありますが…」と言う。「そりゃ“いいな~”と思いますよ。あれだけいっぱい稼いで。プロなんですから」と苦笑いでうらやましさを隠さない。
ツアー出場権を争うQTは22年に2次落ちし、ルーキーイヤーの23年から3年連続1次落ち。今年は1次の壁を破り、11月の2次に備える。日の目を見ない時間は長いが、辞めたいと思ったことはない。「目の前にあるものをやっていけばいい。ずっとそう思っています」
実は3歳下の弟が、強豪・東北福祉大出身で今季プロデビューを果たした小村隼士。初めてツアーに同時出場し、この日は8オーバー103位と出遅れたものの、ルーキーイヤーですでに下部ACNツアー7試合に出場。「今は弟の方がうまいと思ってるんで、普通にアドバイスも求めます」。自然体で臨む本大会。「きょうのラッキーはなかったと思って、明日はスッと入っていきたい。それができれば結果はいいはずです」。小村は力まずそう話した。(愛知県みよし市/加藤裕一)