復活V祝福のハグは恐る恐る…木下稜介は“シニア最強”のパッティングからも学ぶ
◇国内メジャー初戦◇日本プロゴルフ選手権 センコーグループカップ 初日(21日)◇蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀)◇6991yd(パー72)◇雨
“恐る恐る”祝福のハグで歩み寄ると、同じ奈良の先輩は満面の笑みで応えてくれた。木下稜介は前週「関西オープン」で12年216日ぶりの復活優勝を遂げた藤本佳則の姿に胸を打たれた。
2学年上で東北福祉大の主将を務めていた藤本はトップアマとして鳴らし、大阪学院大の木下にとっても「レベルもはるか上の神様みたいな方」という表現が比喩ではないくらいの存在。プロでも早々に勝ち、そこから雌伏の時を経てカムバックするまで、どれほどの苦難を乗り越えてきたのか…。想像を絶する闘いに思いをはせ、尊敬の念を強くした。
モチベーションを高くして臨んだ初日はパッティンググリーンから同組の53歳・宮本勝昌のストロークに目を凝らした。「初速が速いというか、緩まずにパンッとしっかり打つ。曲がりそうなラインでも入る」。2024、25年と2年連続で賞金王に輝いたシニアツアーで前週も優勝を飾ったばかりの大ベテランと競演できる機会は、それほど多くない。フィールドは違っても、勝ちまくっている選手のプレーは参考になるもの。インスピレーションを得たグリーン上のパフォーマンスは雨で水を含んだコンディションでも冴えわたり、無傷で7バーディを量産した。
ツアー3勝の34歳は、いつだってうまくなるために見て学ぶことに貪欲だ。2021年に初優勝を遂げたころには「うまい選手はピンパターを使っている」が持論で、自らも決してブレードタイプを手放さなかった。今週、最新型を投入したテーラーメイド・スパイダーパターの前モデルを初めて使った時は海外選手のプレーを見ていてマレットユーザーが圧倒的に多いと感じたことがきっかけだったという。
「もちろんタイガー・ウッズ、松山英樹選手(とピン型にこだわる)はいますけど、あまりにも海外の選手がマレットなので。ダスティン・ジョンソンにしても、マキロイにしても、シェフラーにしても、ピンタイプからスパイダーに替えた。うまい彼らがピンタイプからスイッチしてマレットを使っているところには、何か(秘密が)あるのかなって。試合でやってみないと分からないので、最初は“無理やり”でした。一番感じたのは、ミスヒットに強いということ」
21年に制した「日本ツアー選手権」との国内メジャー2冠となれば、史上6人目。絶好の7アンダースタートを決めた。(滋賀県日野町/亀山泰宏)