昨年は大きな飛躍を遂げた池田勇太。スターへの道を確実に歩んでいる

石川遼が史上最年少の賞金王に輝き、大盛況のもとに幕を閉じた2009年の国内男子ツアー。石川の快挙に目が奪われがちだが、ここまでの盛り上がりは池田勇太なくして起こりえなかったと言っても過言ではない。「日本プロゴルフ選手権」での初勝利を皮切りに、シーズン4勝を達成。最終戦まで石川と熾烈な賞金王争いを演じ、この2人のライバル関係は男子ツアーに新たな構図を生み出した。

2010年シーズンも、石川と対をなす存在として賞金王の有力候補に挙げられるだろう。そのプレースタイルは、豪胆なイメージとは対照的に極めてステディ。確実にフェアウェイをキープし、ツアー屈指との呼び声高いキレのあるアイアンショットでピンに絡め、バーディを奪う。コースのレイアウトや難度に左右されることなく、安定したパフォーマンスを発揮できることが大きな強みだ。

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さらに昨年で印象的だったのは、ここ一番での勝負強さ。メジャーで初タイトルを獲得した「日本プロゴルフ選手権」。さらに、地元・千葉県で開催された「ブリヂストンオープン」では、「思い入れが強い大会。ぜひ欲しいタイトル」という強い意気込みのもと、宣言どおりに勝利を手にした。また、賞金ランクトップを走る石川が不在だった「キヤノンオープン」も制して差を一気に詰め寄るなど、1つ1つの勝利に強いインパクトとストーリー性があった。これらは実力だけではなく、持って生まれた運も左右する要素。今年も、強く記憶に残る数々の勝利を見せてくれることだろう。

また、今年は4月に開催される海外メジャー初戦「マスターズ」をはじめ、世界ゴルフ選手権（WGC）など、多くの海外競技に出場することも予想される。昨シーズンの途中で痛めた右手首と左腰の具合が唯一の懸念点だが、海外でも日本が誇る若大将が躍動する姿に期待したい。（編集部：塚田達也）

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