プロテストに合格! 会員になると何が変わる?
今年でLPGAプロテスト4回目の挑戦となる森美穂が、2日目をイーブンパー「72」にまとめ、通算7オーバーでホールアウト。初日96位の出遅れからカットライン圏内に食い込み、合格ライン(20位タイ)には7打差と遠い位置ながらも、74位で明日の最終ラウンドに駒を進めた。
アマ時代から注目を集めてきた森は、2011年にプロ転向しながらもプロテストでは失敗が続き、合格者に与えられるLPGA会員のライセンスを持たないまま、昨年以降はサードQT以上の進出者が翌1年間のみ適用できる単年登録者としてツアーに出場してきた。ツアーを戦う上で両者の間に優劣はなく、並列な関係にあるが、森の中では“会員”への想いは強い。
「単年登録でも活躍している人は別だけど、今の私はプロと呼べない、中途半端な状態だと思っています。とにかく、誰にでも認められるプロになりたいんです」。
会員と単年登録者の間の一番の違いを“ステータス”と感じる、森のような選手も多いだろう。加えてもう1つ。森は「それは二の次です」と口にしたが、両者の間にはツアーを戦う上でかかるコストの違いも存在する。
会員は60万円(税別)の入会金、以降は年会費として毎年72,000円を協会に納め、会員資格を維持している。一方の単年登録者は、当然ながら入会金はないものの、当該年ごとに50万円(税別)の登録料が発生する。
また、レギュラーツアーへの出場権をかけたQTのエントリーフィーも異なり、サードとファイナルではそれぞれ会員が54,000円、単年登録者は108,000円と倍額。さらに細かいところで言うと、会員はLPGA提携のホテルやレンタカーを優待料金で使用できるほか、冠婚葬祭への補助金などの福利厚生も利用できる。
会員と単年登録者。どちらも“個人事業主”のプロには違いないし、トーナメントも実力だけがモノを言う舞台ではある。だが、選手や協会からその違いを聞き進めるにつれ、プロテストでプロとして認められることの重みを改めて知るようだった。(岐阜県瑞浪市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。