2016年 全英オープン

第145回「全英オープン」の知っておくべきアラカルト

2016/07/12 09:19
第145回の全英オープン会場となるロイヤル・トルーンでショットを放つ小平智(Stuart Franklin/Getty Images)

ツアーは先週の「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」で“ゴルフ生誕の地”を再訪したわけだが、今週、ヨーロピアンツアーを含むゴルフ界の注目は第145回「全英オープン」に集まることとなる。ここに、プロゴルフ最古の大会について貴方の知っておくべき全てをお知らせしよう。

2015年大会を振り返る

昨年は、米国のザック・ジョンソンマーク・レイシュマンルイ・ウーストハイゼンとの4ホールにわたるプレーオフを制し、「全英オープン」を制覇した。2007年の「マスターズ」王者は、18番で重要なバーディパットを沈め、最終日を見事「66」でラウンドしてクラブハウスリーダーとなった。レイシュマンも最終日を「66」で回り、通算15アンダーとして、最終ホールでバーディを奪った2010年の「全英オープン」王者であるウーストハイゼンと並んだ。プレーオフはジョンソンと南アフリカのウーストハイゼンとの争いとなり、4ホール目でウーストハイゼンがバーディパットをすんでの所で決め損なったことで勝負は決し、ジョンソンがメジャー2勝目の栄冠に輝いたのである。

一口サイズの大会史

メジャー4大会の中で最古の歴史を誇る「全英オープン」は、1860年にプレストウィックのオールドコースで第1回大会が開催された。当初、優勝者にはチャレンジベルトと呼ばれる銀製バックルのついた赤い革製のベルトが贈られていたが、1872年に「全英オープン」を開催していた3つのクラブがそれぞれ10ポンドを供出して新しいトロフィーを製作した。これがクラレットジャグである。第1回大会以来、世界で最も有名なゴルフトーナメントとして知られてきた「全英オープン」は、英国最高のリンクスコースで開催されてきた。

1946年の大会王者であるメジャー7勝のサム・スニードは戦後初の優勝を飾り、その後は、ジャック・ニクラスゲーリー・プレーヤーアーノルド・パーマートム・ワトソンセベ・バレステロス、サー・ニック・ファルドグレッグ・ノーマン、そしてタイガー・ウッズといった面々がクラレットジャグを複数回掲げてきた。72ホールの最少打数は1993年大会を「267」で回ったノーマンが保持しており、ベストスコアは通算19アンダーで2000年大会を制したウッズが保持している。

2016年大会のフィールド

今週のロイヤルトゥルーンでは世界最高の選手たちがティアップする。世界4位のロリー・マキロイは、ロイヤルリヴァプールGC開催の「全英オープン」を制した2014年以来の大会復帰を果たす。再びクラレットジャグを掲げるには、北アイルランドのマキロイは、「全米オープン」と「WGCブリヂストンインビテーショナル」を制した目下絶好調で世界2位のダスティン・ジョンソンを上回らなければならない。

同じく更なるメジャータイトル獲得を目論むのは、世界ナンバーワンのジェイソン・デイと世界3位のジョーダン・スピースだ。彼らは昨年のセントアンドリュースで、共にプレーオフまでわずか1打及ばなかった。スピースの同胞のトッド・ハミルトンジャスティン・レナード、そしてマーク・カルカベッキアは甘い思い出と共にロイヤルトゥルーン再訪を果たすことになる。彼らはそれぞれ、同地で開催された2004年、1997年、そして1989年の「全英オープン」を制している。

「マスターズ」王者のダニー・ウィレットと2013年の大会王者であるフィル・ミケルソンもワールドクラスの集う出場者リストのなかの有力選手であり、フィールドには31人のメジャー王者、10人の世界ナンバーワン経験者、17人のWGC王者、22人のヨーロピアンツアー2016年シーズン王者、そして16人の「全英オープン」優勝経験者が含まれる。

コース

クライド湾のサウスエアシャー沿岸地域に近接するロイヤルトゥルーンGCは、歴史にその名を刻んだ伝統的なリンクスコースである。1878年に開場したこの壮観なコースは、その多様性で広く知られており、「全英オープン」で最も長いホールと最も短いホールを併せ持っている。

“郵便切手”として知られるパー3の8番ホールはわずか123ヤードしかなく、その小さいグリーンの面積は128平方メートルしかない。一方、パー5の6番は601ヤードに達する。一定して吹いている北西の風は、時としてバックナインを悪魔の如き難所へと変貌させるため、選手たちはアウトの9ホールでスコアを稼いでおく必要がある。

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