ヒメネス、偉業達成を目論む
すでにヨーロッピアンツアー史上最年長優勝記録を持つスペインのミゲル・アンヘル・ヒメネスが、この142回「全英オープン」に勝ち、メジャー大会最年長優勝の記録を樹立するチャンスが出てきた。
1968年に当時48歳のジュリアス・ボロス(米国)が「全米プロゴルフ選手権」を制し、それが現在の最年長記録となっているが、大会2日目を「71」で回った49歳のヒメネスは2日目を終わって単独首位に立った。
昨年12月、「香港オープン」を48歳318日で優勝した直後のスキー事故で足を骨折したヒメネス。しかし今日は2バーディ、2ボギーのラウンドで通算3アンダーとした。ヒメネスを1打差で追うのはイングランドのリー・ウエストウッド、世界ランキング1位のタイガー・ウッズ、ダスティン・ジョンソン(米国)、そしてスウェーデンのヘンリック・ステンソンだ。
硬くて速いコースコンディションにトップ選手も悩まされた。ブラント・スネデカーとフィル・ミケルソンは15番、16番ホールでそれぞれ4パットをしてしまった。またライダーカップのスター選手ニコラス・コルサートは15番ホールで9打を叩き、「全米オープン」覇者ジャスティン・ローズ、世界ランキング2位のロリー・マキロイ、そしてルーク・ドナルドは予選落ちとなった。
ワインと葉巻の愛好家として有名なヒメネスにとって全英オープンの優勝トロフィー、「クラレットジャグ」はお似合いだろう。特に25年前のセベ・バレステロスのリザムでの全英優勝を思えば尚更だ。
「そうなれば最高だね」と彼は言った。
「ツアーに参戦して25年が経ち、ツアーで19勝を挙げた。そしてこの私のキャリアにメジャーの勝利をもちろん加えたい。それが今回でもいいだろう?そうしたいところだね。そうなればとてもアメージングなことさ。わかるだろ?」とヒメネス。「もちろんプレッシャーはある。どんなことでもそれが大事なことであればプレッシャーはかかる。でもプレッシャーをコントロールできさえすれば全く問題はない」
過去17回のメジャー大会出場で9回のトップ10フィニッシュを飾っている40歳のウエストウッドは前半を「31」で折り返し12番ホールでバーディを奪って一時は5アンダーまでスコアを伸ばしたが、その後上がり6ホールで3打スコアを落とし2日目を「68」でラウンドした。「この全英オープンはメジャーの中でも大好きな大会だ」とウエストウッド。この冬にフロリダに移住した彼はメジャータイトル奪取に向けて、タイガー・ウッズのコーチであるショーン・フォリーにロングゲームを、そして1991年の全英の覇者でありフロリダの隣人であるベイカー・フィンチからはパッティングを習っている。
「この大会は僕にとって1年で一番大きな大会だ。だから楽しまなくてはね。みんなにとってタフなものさ。だからこそ笑顔で自分のゴルフを貫き通したいね」「1オーバーで十分優勝争いができると思っていたから、2アンダーはボーナスみたいなものだね。今朝のグリーンは少しソフトだったよ。2番ホールと3番ホールでピッチマークを直したけど、直したのはそれだけだったね」
「12番ホールまで6アンダーで行けたのは良かった。いくつか素晴らしいプレーができたけど、ホールが進むにつれてどんどん難しくなっていったよ」
2008年の全米オープン以来メジャータイトルから遠ざかっているウッズは出だし5ホールで2バーディを奪い、その後8番ホールと11番ホールでスコアを落としたが、最終18番ホールをバーディで締めくくった。「とても良い順位にいると思う」と37歳になるウッズ。「我慢を続け、ただコツコツとやるだけだよ。そして正しいところにパッティングするだけさ。」
「このコースはスコアを縮めるチャンスがそう多くはない。でもそのチャンスを掴んだらそれをものにすることができた。明日以降もそうできることを願っているよ」。ウッズはプロデビューから46大会連続でメジャーに出場し、そのうち14大会で優勝を遂げた。前回彼がメジャーで優勝した5年前からメジャーの大会は20回開催されている。この5年間、ウッズは16回メジャー大会に出場しているが優勝からは遠ざかっている。
「もう少しのところに来ている。チャンスは作り出せているんだ。これまでの最終日のバックナインでたくさんのチャンスがあったよ」と彼は加えた。「ただそれを決め切ることができていないね」
「メジャーで毎回勝つことなんてできないけど、少なくともそのチャンスが掴めるところに自分自身を置けていると思う。自分自身にその十分なチャンスを与えることで、僕はその取り分をもらえる。これまでの僕のキャリアはそうできていたと思う」