レイクマラーレンを制圧したブロバーグがツアー初優勝
「BMWマスターズ」はクリストファー・ブロバーグがパトリック・リードとのプレーオフの末、劇的な勝利を挙げ、欧州ツアー初優勝を果たした。
首位から2打差で最終日をスタートしたスウェーデン出身のブロバーグは、前半を「33」でラウンドして首位に並ぶと、後半はバーディを一つ奪って通算17アンダーとした。
同組のリードはなかなかペースが上がらなかったが、15番で華々しいイーグルを奪うなど、13番からの4ホールで4つスコアを伸ばし、1打差の首位で17番ティに立った。
しかし、リードは17番でボギーを叩きブロバーグに並ばれると、後続集団が差を縮められない中、首位の2人は18番をパーとして勝負は2人による18番でのプレーオフへと持ち越された。
2打目をバンカーに入れたリードは、そこから素晴らしいリカバリーでパーをセーブできる位置につけるも、ブロバーグが下りの4.5メートルのバーディパットを決め、チャレンジツアー4勝に続き、欧州ツアーでの初優勝を果たした。
「夢が叶ったね。僕はこの為にこれまでの人生でハードワークを積んできたんだ」とブロバーグ。
「数週間前は自分自身が信じられなかった。あれではここで勝てていなかったと思う。とても沈んでいたけれど、今はとてもハッピーさ」。
「ノルウェーでもプレーオフで勝ったことがあった。チャレンジツアーで勝ったときも回りの選手たちはとても巧かったけれど、今回のフィールドは本当にすばらしいフィールドだからね」。
「だから、彼ら全員を打ち負かせてとても嬉しいね。これは僕にとって多くを意味するんだ」。
ブロバーグは、最終的に18番グリーンを敗れ去るまで29歳の彼をプッシュし続けたリードを激賞した。
「1日を通して彼のショートゲームは信じられないくらいすばらしかった」とブロバーグ。「フロントナインはとても良いプレーができたけれど、最後の数ホールは少しナーバスになり、若干苦しかったね。上がり4ホールではとてもナーバスになっていたんだ」。
「プレーオフになり、彼がしっかりとショットを打っているのを見たんだ。僕は左サイドにとても良いティショットを打ち、『これはチャンスだ、罠に掛かってはいけない』と感じていた」。
「良い感じで9番アイアンのショットがピン側4、5メートルについたのでとても嬉しかったね」。
ファイナルシリーズ第3戦は、マルセル・シームが劇的なチップインで勝利を飾った昨年に続き、2年連続してプレーオフで勝負が決する展開となり、今一度、ドラマ溢れる最終日となった。
1打差の首位で最終日をスタートしたトンチャイ・ジェイディーは、最終ホールでバーディを奪えばプレーオフというところで、同じ状況に身を置いていたアン・ビョンフン同様、18番をパーで上がり、ルーカス・ビェルレガード、そしてヘンリック・ステンソンと並ぶ通算16アンダーの3位タイで大会を終えた。
その1打後方にはジャスティン・ローズとイングランドの同胞であるポール・ケーシーが入り、更に1打後方の通算14アンダーにはジュリアン・ケンとこの日ベストスコアの「64」をマークしたソレン・ケルドセンが続いた。
今週は「レース・トゥ・ドバイ」で首位を走るロリー・マキロイの姿が上海になかったため、後続の選手たちにとっては、シーズン最終戦の「DPワールドツアー選手権」を前に、北アイルランド出身のマキロイをかわすチャンスだった。
しかし、誰もそれは達成できず、「レース・トゥ・ドバイ」で2位につけるダニー・ウィレットが今大会を28位タイで終え、マキロイとの差を1.613ポイントに縮めるに留まった。
ジェイディーは1番でバーディを奪ったビェルレガードに捉えられると、そのビェルレガードと同組でプレーするリードとブロバーグもバーディ発進の理想的なスタートを切った。
するとブロバーグは2番でもバーディを奪い、通算16アンダーとして単独首位に躍り出た。一方、アンは2番でボギーを叩き、通算13アンダーに後退した。
そんなアンとは対照的にブロバーグも序盤で動きを見せ、4番でバーディを奪って2位タイに順位を上げると、ジェイディーが4番をボギーとしたため、すぐに単独2位となった。
リードも5番でバーディを奪って通算14アンダーとするが、ビェルレガードの勢いは止まらず、5番でこの日3つ目のバーディを奪い、後続との差を2ストロークに広げた。
ケーシーが前半を「34」でラウンドし終えた頃、8番ホールを迎えた最終組の一つ前の組で動きがあった。
ティショットをバンカーへ入れたビェルレガードが2打目を橋の下に打ち込み、ドロップを余儀なくされてこのホールをボギーとした。一方、ブロバーグは2打目をピン側2.4メートルにつけてバーディを奪い、通算17アンダーとして首位の座が入れ替わる展開となった。
ブロバーグは9番でボギーを叩き、ビェルレガードと首位で並んで後半へと折り返し、その頃10番ではケーシーがバーディを奪って通算15アンダーまでスコアを伸ばした。
ビェルレガードが12番でボギーを叩くと、13番でバーディを奪ったケーシーが入れ替わりで、最終日に入って初めて首位タイに浮上した。
ビェルレガードは続く13番でバーディを奪って直様バウンスバックを果たし、同じく13番ではセルヒオ・ガルシアが7.5メートルのイーグルパットを決めたため、優勝争いは4人が首位で並ぶ混戦模様となった。
しかし、それも長続きはせず、14番で2打目をピン側60センチに寄せたブロバーグがバーディを奪い、通算17アンダーとして単独首位に抜け出した。
リードも13番でバーディを奪ったが、圧巻は続くパー5の14番だった。2打目を広大なバンカーへ入れたリードは、そこからの3打目をピン奥からスピンで戻してホールにねじ込み、このホールをイーグルとして首位に並んだのである。
25歳のリードは16番でバーディを奪って単独首位に抜け出すも、17番で1.5メートルのバーディパットを決め損ない、再び首位タイへと後退した。
一方、ステンソンは11番ティに立った際、この日のスコアを1オーバーとしていたが、11番、13番、14番、15番、そして16番とバーディを奪う終盤のチャージで一気にリーダーボードを駆け上がった。しかし、ラスト2ホールで首位を捉えるのに必要だったバーディが奪えなかった。
ケーシーのチャンスはウォーターハザードに捕まった18番をボギーとしたことによって潰え、ガルシアも上がり2ホールで3つスコアを落として後方へと消えた。
ジェイディーとアンは共に17番でバーディを奪って再び優勝のチャンスをたぐり寄せるも、この2人もビェルレガードも18番で必要とされていたバーディが奪えず、ドラマチックな最終日はリードとブロバーグによるプレーオフで勝負が決する展開となった。
今大会で2位に入れば「レース・トゥ・ドバイ」で首位に立つチャンスを握っていたローズだったが、彼は最終日を6バーディ、1ボギーの「67」でラウンドし、ケーシーと並ぶ7位タイで大会を終えた。
最終日を「66」でラウンドしたケンはケルドセンと並ぶ9位タイで大会を終え、その1打後方には上がり4ホールで2つスコアを落としたイアン・ポールターとガルシアが入った。
マシュー・フィッツパトリックは通算12アンダーと、引き続きここ最近の好調振りを示す結果となったが、今大会はロス・フィッシャー、マーカス・フレイザー、そしてトーマス・ピータースと並ぶ13位タイと、シーズン10度目のトップ10入りはならなかった。