サリバンがリードを広げ独走態勢に
「ポルトガルマスターズ」は今季ヨーロピアンツアー3勝目を狙うアンディ・サリバンが5打差の首位で最終日を迎える展開となった。
午後に荒天が予想されたため、ショットガンスタートが採用された第3ラウンドは午前中、雷雨は免れたものの、吹きすさぶ強風のため好スコアの出たこれまでの2日間とは打って変わって、難しいコンディションへと変貌を遂げた。
しかしながら、そのタフなコンディションもサリバンのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことはなく、イングランド出身の彼は3日目を「67」でラウンドして2位につけたエドアルド・デラリバに5打差をつけた。
そして、最終日はさらなる悪天候が予想されるため、サリバンは午前8時のショットガンスタートから、今季序盤に制した「南アフリカオープン」と「ヨハネスブルグオープン」に続くタイトル奪取を狙うことになる。
「今はとにかく良いゴルフがプレーできているし、序盤のチャンスに食らいついて、いくつか良いパットを決めることができた」とサリバン。「そして、ラウンドを通してその勢いを持続することができ、あの過酷な天気のなかでは最高と言える4アンダーで回ることができた」。
「とても良く自分を律することができたと思う。きょうはほとんどミスがなかったね。全てにおいて良いゴルフができているし、やり残したと感じたことは全くなかったね」。
仮に最終日にサリバンがトロフィーを掲げることになると、前週の「ブリティッシュマスターズ」を制したマシュー・フィッツパトリックに続く2週連続のワイヤー・トゥ・ワイヤーでの勝利となり、これはヨーロピアンツアーでは2度目の出来事となるが、28歳のサリバンは大差のリードにも過度のプレッシャーは感じていないと語った。
「あしたも同じことをやるだけさ」とサリバン。「同じことができれば、と思っている。とにかくコース上で自分のすべきことをやり、その上でまた良いスコアが出せればいいね」。
「これまで通り、自分のやるべきことをやり遂げ、一打一打集中して、その上でどうなるか、というところだね」。
風が大きく影響したラウンド序盤はボギーが続出し、トミー・フリートウッドとアンソニー・ウォールは1番でダブルボギーを叩いた。
しかし、サリバンはそうしたトラブルに見舞われることなく、オープニングホールで4メートル弱のバーディパットを沈めると、2番でトーマス・ピータースがボギーを叩いたため、この時点で2位との差を5打差まで広げることに成功した。
ほとんどの選手が難しいコンディションに手を焼くなか、サリバンのみは平坦な道を進むがごとく歩を進め、4番でバーディを奪うと、続く5番でもティショットでわずかにフェアウェイをとらえ損ねながらも、チップショットでピンそば1.8メートルにつけてバーディを奪った。
ピータースも5番でバーディを奪って首位とのギャップを6打差まで戻した。一方、ベルント・ウィスベルガーは出だしの7ホールを1バーディ、1ボギーで回り、スコアはスタート時の通算10アンダーから動かなかった。
初日、2日目とコース上で最も難度の高いホールとなってきた510ヤード、パー4の7番では、その2日間で生まれたバーディは19個に留まっており、うち2つを記録したサリバンだったが、この日は難ホールの餌食となった。
彼の2打目はバンカーに捕まり、バンカーショットがピンを大きく越えると、そこから2パットを要し、一方で同組のピータースがこのホールをパーとしたため、リードは5打差となった。
ラウンドの折り返しでは引き続きリードは5打差のままだったが、10番でピータースがダブルボギーを叩いたことにより、再びその差は7ストロークとなり、その後、同じく最終組のデラリバが11番と12番でバーディを奪ったことにより、一時的にリードは5打差に戻った。
しかし、同組のサリバンも12番でバーディを奪い、再び2位との差を6打に広げると、雲間から陽光が降り注ぐようになり、悪天候による中断の危機は次第に薄れていった。
首位をひた走るサリバンの行く手を阻むものはなく、彼は14番の2打目をピンそば2.4メートルにつけると、残りのパットをきっちり沈め、この日5つ目のバーディを奪って通算18アンダーとした。
その14番でワンオンを狙ったピータースは池に捕まり、ボギーとしたため、サリバンの10打後方に沈むこととなり、通算11アンダーのデラリバが引き続き2位でサリバンを追う展開となった。
スペイン出身のデラリバは15番でボギーを叩いたため、首位との差は8打差まで広がるも、その後、デラリバは3連続バーディでラウンドを上がる奮闘を見せ、通算13アンダーまでスコアを伸ばした。
一方、サリバンは16番をボギーとし、リードは一時4打差まで縮まるも、17番でバーディを奪ったことにより、再び安全圏に入った。
この日のベストスコアとなるノーボギーの「65」で3日目をラウンドしたクリス・ウッドは、ホルヘ・カンピージョと並んで通算11アンダーの3位につけている。
13番からスタートしたイングランド出身のウッドは、17番、2番、5番、そして7番でバーディを奪うと、彼にとって最終ホールとなった12番でイーグルを奪って見事なラウンドを完遂した。
15番スタートとなったカンピージョは序盤で2つのボギーを叩くも、17、18番とバーディを奪って盛り返すと、3番、5番、9番、そして13番でもバーディを奪った。
その1打後方の通算10アンダーには、3日目を5バーディ、2ボギーの「68」でラウンドしたニコラス・コルサーツがつけており、3日目は「72」と振るわなかったベルギーの同胞であるピータースもこの位置につけている。
ウィスベルガーも3日目を1オーバーでラウンドし、トーマス・ビヨーン、トレバー・フィッシャーJr、そしてヘニー・オットーらとともに通算9アンダーの7位タイで最終日を迎えることとなった。
1番でダブルボギーを叩いたフリートウッドはその後の16ホールをパーとし、最終ホールでバーディを奪って通算8アンダー。ウォールとデービッド・ドライスデールと並ぶ11位タイにつけている。