マシュー・フィッツパトリック※写真は2022年「全米オープン」

DPワールドツアーは4週にわたるイベリア半島スイングの第2戦のためスペインにとどまり、今週はレアル・クラブ・バルデラマで2022年「アンダルシアマスターズ」が開催される。同大会について知っておくべき5つのポイントは次の通り。

フィッツパトリックの防衛戦

マシュー・フィッツパトリック（イングランド）は、キャリア最高のシーズンにさらなる思い出深いチャプターを加えることを期して、ディフェンディングチャンピオンとしてソトグランデにやって来る。昨年、首位と3打差で出た最終ラウンドを渾身のプレーで15ホール連続パーを含むノーボギーの「69」をマークし、オーストラリアのミンウ・リーとスウェーデンのセバスティアン・セーデルベリに3打差をつけて優勝した。

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その後、フィッツパトリックは6月「全米オープン」でDPワールドツアー8勝目を挙げ、初のメジャー制覇を成し遂げた。同大会を除いてもワールドワイドで10度のトップ10入りを果たしており、先月の「イタリアオープン」では2位に入った。世界ゴルフランキングをキャリア最高の10位としている28歳は、自信には事欠かない状態で今大会を迎える。また今週は、プロ転向後の4大会で3度のトップ30入りを記録している彼の弟のアレックスも出場する。

年間レースでマキロイへの追い上げを狙うフィッツパトリックとフォックス

今大会の優勝者はツアーランキングのポイントとして710ptが加算される。年間で首位を走るロリー・マキロイ(北アイルランド)が出場しないため、同2位のフィッツパトリック、そして3位につけるライアン・フォックス(ニュージーランド)にとっては、差を詰める絶好の機会となる。

フォックスは、スコットランドでの「アルフレッドダンヒルリンクス選手権」で今季ツアー2勝目を挙げ、キャリア最高となる世界ランキング25位に押し上げた。彼とフィッツパトリックはともに、今週のスペインにおける好パフォーマンスが、来月開催されるシーズン最終戦の「DPワールドツアー選手権」に向け、メジャー4勝のマキロイへのプレッシャーになることを承知している。ドバイでの最終戦まで残り3大会。ハリーバードントロフィーを獲得するための時間は、刻一刻となくなりつつある。

世界に名高い開催コース

川村昌弘は4年連続で今大会に出場します

バルデラマは、ツアーの中でも象徴的なコースの一つである。南スペインにある世界的に有名なこのコースは、1985年に開場し、その3年後にツアーの大会を招致した。ここでは1988年から2008年にかけて、16度にわたりシーズン最終戦が行われている。さらに1999年と2000年には世界ゴルフ選手権の舞台となり、その後、「アンダルシアマスターズ」の開催地としてツアー日程に復帰した。

しかし、最も記憶に残っているのは1997年「ライダーカップ」を開催したことであり、バルデラマは史上初の大陸ヨーロッパで同大会を開催したコースとなった。バルデラマは偉大な王者を生み出す歴史を持っており、これまでソトグランデのコースではニック・ファルド(イングランド)、コリン・モンゴメリー(スコットランド)、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)、ミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)、そしてパドレイグ・ハリントン(アイルランド)といった名手たちがトロフィーを掲げている。

G4Dツアーが再開

スペインに世界最高峰の10人の障がい者ゴルファーが集結する。地元出身で世界3位のフアン・ポスティゴ・アルセもその一人であり、選手たちは月曜と火曜の2日間、プロがプレーする同じコースでティアップし、競い合うことになる。「G4D(Golf for the Disabled) ツアー」の6戦目となる今週は、ラストから2戦目の大会となり、10人のみ出場できる11月の最終戦、「DPワールドツアー選手権」の出場権を手にする最後のチャンスとなる。

今季は世界2位のキップ・ポパートが開幕から2大会連続で優勝すると、第5戦「G4D@BMW PGA選手権」も制覇。第3戦「G4D@ホライズンアイルランドオープン」は同じくイングランド出身のマイク・ブラウン、そして北アイルランドで開催された第4戦「G4D@ISPSハンダ世界招待」はイタリアのトマッソ・ペリーノが5打差で制覇した。

グリーンドライブ活動

今大会ではDPワールドツアーのグリーンドライブ活動の一環として、お馴染みのビーチ清掃が行われる。昨年はスペイン人選手のアレハンドロ・カニサレスとサンティアゴ・タリーオが、ボランティアや地元の学校の生徒たちに混じり、トーレグアディアロビーチの清掃に励んだ。

今週の水曜はツアー7勝のアルバロ・キロス(スペイン)がサンロケ市議会の後援する活動に参加する。この定期的な活動は、ツアーの推進するゴルフ・フォー・グッド活動の一環として行われており、地元コミュニティの若い人々にプラスチック汚染の現状を教え、野生生物の保護につなげる狙いがある。昨年は浜辺から300㎏を超えるゴミが集められており、今年もその目標は、できる限りのプラスチックとゴミを収集するという、シンプルながら重要なものとなっている。