ガールフレンドでキャディのヘレン・ストーリーさんとトロフィーを前に記念撮影※写真は2020年DPワールドツアー選手権（Francois Nel/Getty Images）

リー・ウェストウッドが2020年ヨーロピアンツアー年間最優秀選手の栄冠に輝いた。ウェストウッドが同賞を受賞するのは4度目。

47歳のイングランド人選手は、今季「ロレックスシリーズ」初戦にあたる1月の「アブダビHSBC選手権」を制して今シーズンのスタートを切ると、今月開催された「DPワールドツアー選手権」でマシュー・フィッツパトリックに次ぐ2位に入り、「レース・トゥ・ドバイ」を制覇した。

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安定したパフォーマンスを見せたウェストウッドは、ヨーロピアンツアー出場15大会中14大会で予選通過を果たし、8月の「ISPSハンダUK選手権」から10月の「スコットランド選手権」にかけて6戦連続でトップ20入りを記録した。

「ライダーカップ」10回出場の名手は、新型コロナウイルスの感染拡大により3カ月の中断を強いられたヨーロピアンツアーの2020年シーズンが完全な形で再開した7月の「ベットフレッドブリティッシュマスターズ」で同大会2度目の大会ホストを務めた。

ウェストウッドはヨーロピアンツアー25勝目を挙げたアブダビで、初めて4つの異なる10年間（1990年代、2000年代、2010年代、2020年代）で優勝を遂げた選手として、その名を歴史に刻んだ。

かつての世界ナンバーワンは、シーズン最終戦「DPワールドツアー選手権」において、中東の地で再び歴史的快挙を達成した。上がり3ホールで2バーディを奪って単独2位に入り、ヨーロピアンツアーが発足した1972年以降、ハリーバードントロフィーを3度以上獲得した6人目の選手となった。

選手寿命の長さを証明

ウェストウッドは2000年と2009年にもヨーロピアンツアーナンバーワンを獲得しており、最初と最後の年間王者の期間を20年とし、それまで最長記録だったセベ・バレステロスの15年を大幅に更新した。また、47歳7カ月20日で「レース・トゥ・ドバイ」を制覇したことで、最年長年間王者の記録も更新し、選手寿命の長さを証明した。

ウェストウッドがヨーロピアンツアー年間最優秀選手に選出されたのは、1998年、2000年、そして2009年に続き、今回が4度目。

ゴルフメディア関係者で構成される委員会により、2020年シーズンの最優秀選手に選出されたウェストウッドは今回の受賞について「とても光栄なことであり、今年はこの賞を巡る争いが非常にハイレベルだったので、ヨーロピアンツアー年間最優秀選手に選出され感無量」と述べた。

「僕に投票してくれたメディアに感謝しているし、今年の難しい時期のなか、完全なる国際スケジュールを組むことに尽力したヨーロピアンツアーの全ての人々を祝福したい。僕はこれまで、大好きなことを仕事にし、世界中の素晴らしい場所でプレーし、素晴らしい人々に出会うことができる幸運を忘れたことは一度としてないので、この受賞についてはとても謙虚な思いがする」

さらに、「自分にとって28度目のシーズンで、『アブダビHSBC選手権』でのタイトル防衛で始まる2021年シーズンを楽しみにしている」と抱負を口にした。

「素晴らしい欧州ツアーのアンバサダー」

ヨーロピアンツアーのキース・ペリー代表は、「リーは2020年のみならず、彼のキャリア全体を通じて、ゴルフ及びヨーロピアンツアーにとっての素晴らしいアンバサダーとなっています」と述べ、「そのパフォーマンスとプロ意識同様に、選手寿命の長さと欧州ゴルフへのコミットメントでも素晴らしさを示しています。彼はツアー再開直後に、ツアーのため自分にできることはないかと連絡をくれましたが、それが彼の人間として、そして選手としての人となりを表しています」と続けた。

「最初の年間制覇から20年を経て、彼が3度目のヨーロピアンツアーナンバーワンを獲得したのは、近年で最も試練の多かったシーズンに対するおとぎ話のような締めくくりとなりました。ゆえに、リーはヨーロピアンツアー年間最優秀選手として全面的に相応しいのです」とも。

選出委員のメンバーであるデイリーテレグラフ紙のジェームズ・コリガン記者は「リー・ウェストウッドは、アブダビで勝ち、その後トップ20入りを7度記録して『レース・トゥ・ドバイ』を制覇したというゴルフの成績だけで、十分この賞に相応しいと言えます。それに加え、初の戴冠から20年を経て、47歳にしてハリーバードントロフィーを獲得したという事実が、彼の受賞を不動のものにしました」と述べた。

「彼は地元である欧州のツアーにとても忠実であり、マット・フィッツパトリックがドバイで言ったように、“リーはこのツアーの定義”なのです」と付け加えた。