米キャンパスで奮闘するサムライ、なでしこたち(6) 千葉生まれの杉本選手が準優勝に貢献
全米大学体育協会(NCAA)ゴルフ選手権の全国大会男子の部が3日までの6日間、フロリダ州のコンセッションGCで行われた。地区予選を勝ち抜いた30校などの計156人が参戦する中、連載第2回で紹介した南カリフォルニア大(USC)4年のエリック杉本(杉本拓也)選手が活躍を見せた。(ゴルフ解説者・アンディ―和田)
杉本選手は個人戦の4ラウンドを73-78-72-70で回り、通算5オーバーで29位。団体戦ではUSCの準優勝に貢献したが、今田竜二(1999年ジョージア大)以来の全米学生優勝には惜しくも届かなかった
USCはストロークプレー方式で行われた72ホール終了時点で5位に入り、上位8校により争われるマッチプレー方式の決勝トーナメントに駒を進めた。全米ランキング13位のUSCは、準々決勝でランク2位のテキサス大を撃破すると、準決勝では同1位のイリノイ大学に勝利。決勝では同7位のLSU(ルイジアナ州立大)と対決し、1-4で敗れた。
杉本選手は、ストロークプレーの第3、第4ラウンドでいずれもチームベストのスコアを記録。決勝トーナメントのマッチプレー戦では、2勝1分けと負けはなく、全長7483yd、コースレート76.7という難コースを攻略した。
試合後に公式記者会見に呼ばれた杉本選手は「1週間を振り返ってチーム一丸となって良いプレーができたことは満足しています。ここでの経験は一生忘れないでしょう。大学最後の試合なので、このメンバーでもう戦うことができないというのは、寂しい気持ちですね」と話した。
経済学を専攻している大学では、卒業するためにはまだ4つの単位が必要なため、学生を続ける。今夏はアマチュアの試合でしっかり成績を残し、世界アマチュアランキングを上げて、10月に香港で行われる「アジアパシフィックアマチュア選手権」に3年連続で日本代表として出場するのが当面の目標だ。プロ入りも視野に入れているが、来年以降の予定という。
USCのクリス・ザンブリ監督は「準優勝というのはもちろん3位よりも良い結果だが、とても残念な気持ちでいっぱいだ。決勝までたどり着くのは険しい道のりだった。連日難しいコースをプレーして勝ち残るというサバイバル。(男子ゴルフ部が達成していない)全米タイトルを獲れず、悔しい。スギはすばらしかった。大学最後の試合で、このようなパフォーマンスを出せたことを誇りに思う。 距離も長くタフなコースでしっかり結果を残せたことは、プロのレベルでもやっていけるという自信になっただろう」と語った。
連載第4回で紹介したカート北山(北山俊)、伴真太郎、ジョン・オダの3選手が所属するネバダ大ラスベガス校(UNLV)は初日から14オーバーと大きく出遅れ、54ホール終了時点で姿を消した。UNLVが参加するマウンテンウエストリーグで個人優勝を果たした北山選手は4年生で、これが最後のアマチュア競技大会となった。すぐにプロに転向し、秋の下部ツアー予選会に挑む予定だ。