2014年の誓い 松山英樹の不動心

2014/01/01 09:00

松山英樹 新春インタビュー

14年は主戦場を本格的に米国へ移す。いばらの道を切り開くのは自分自身でしかない。

プロゴルファー、その一方では東北福祉大ゴルフ部のキャプテンという二足のわらじを履いた1年。仙台に住む彼の胸の中には、やはりいつも「東北」、そして「被災地」への思いがある。

「震災があって、まだまだ復興はしていない。仮に進んだとしていても、まだまだだと思う。(震災から)まだ3年。でもだいぶ・・・報道もされなくなってきて、寂しい部分もあります。しっかりとそれを忘れずに頑張って、少しでも復興に協力したい」

「楽天(イーグルス)の今年のシーズン見て、皆が感動した。自分も感動した。チームスポーツだと形になって、そういう感動を人々に与えられるのかなと思う。ただ、個人スポーツだとなかなか難しいとも思うんです。でもその中でも、応援してくれる人を少しでも感動させられるように日々努力したい」

人々を感動させるためには「ただ強い」だけでは、物足りないと言う。

「日本シリーズJTカップで優勝した宮里優作さんみたいに…宮里さんはずっと勝てなかったことを周りが分かっていて、皆が感動した。そういう感動は、人間としても成長しないと生み出せないと思う。人間としても成長して、メジャーで勝てるように頑張りたい」

環境が大きく変化しても、プロ転向という事実への受け止め方はいまも「あまり実感が沸いてこなくて」と苦笑いするほどだ。松山英樹はいまも、そう朴訥として、ただただゴルフと真摯に向き合う青年だ。

「賞金が入ってきたし、賞金王も獲った。でも賞金王を獲ったっていう感覚もあまりないんです。ただ、賞金王争いにかかるプレッシャーは感じられたのはプロになって良かったのかなと思う。毎試合出させてもらって、アメリカツアーも出させてもらって、経験がすごく増えた。そういう面では本当に良かったかな」

3月下旬には卒業式を迎える。出席するかどうかは「まだ決めていない」そうだ。

「同級生なんかが『一緒に出たい』って言ってくれたりしたら考えます(笑)。『お前、出なくていいよ』なんて言われたら出ないし!(友人らに)相談じゃないですけど、聞いてみて、どうするかみたいな感じかな。その週はベイヒルで試合(アーノルド・パーマーインビテーショナル)がある。招待試合だし、なかなか出られる試合じゃない」

「自分でどっちが大事なのか決めて、やっていきたいなと思います」

周囲の視線や評価がどう変わろうが、前進するため、信じるべきは自らの決断以外ない。そんな不動心を武器にして、松山英樹は大海原へ出る。

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