2012年 ザ・ロイヤルトロフィ

石川遼、藤本佳則が逆転でモリナリ兄弟を撃破

2012/12/15 19:25
前半の劣勢を跳ね返し、W杯優勝ペアから逆転勝利を飾った石川遼と藤本佳則。

ブルネイのエンパイアホテル&CCで開催中の「ザ・ロイヤルトロフィ」。フォアボール形式のダブルスマッチプレーで争われた2日目、石川遼藤本佳則とコンビを組み、エドアルド・モリナリフランチェスコ・モリナリのイタリア人兄弟を3&1で破り、アジア選抜に勝ち点1をもたらした。

5&4と大敗した初日のベ・サンムン(韓国)とのペアから一転、日本人タッグを組んだ石川はこの日、最終組でスタート。出だしから両チーム決め手を欠き、静かな展開で滑り出した。ところがオールスクエアで迎えた8番。ティショットを左に大きく曲げた藤本に対し、石川は右サイドの池に打ち込むなど噛み合わない。同ホール、そして続く9番も連取され、2ダウンの劣勢で折り返した。

それでもインに入り、藤本が10番で第2打をピンそば1.5メートルにつけ、12番では5メートルを沈めてバーディを奪うと再びタイに持ち込む。2009年のワールドカップ優勝ペアを相手に、次第に意思疎通がスムーズに。「10番の藤本さんのバーディが非常に大きかった。11番も負けているなりに主導権はあった感じ」と言う石川は勢いを引き継ぎ、15番(パー5)で残り255ヤード、3番ウッドでの2オンからイーグルを奪取。そして続く16番では2人でラインを読みあい、スライス、フックのスネークラインを藤本が見事に沈めて2アップ。17番でモリナリ兄弟がともにバーディパットを外すとコンシード(ギブアップ)で、日本コンビが逆転勝利を収めた。

大会前から胃痛による体調不良に悩まされた藤本は、前日にようやく夕食を摂れるようになったばかり。「気力でやっている。後半に体が思うように動かないところはあるけれど、少しずつ良くなっている。昨日は焼きそばみたいなのと、ごはんを食べられた。それだけでも大きかった」という状態だ。それでもミスの幅が狭い先輩がティショット、セカンドショットを先に打ち、飛距離で勝る石川が、その打球を参考に攻め込むパターンは奏功。「お互い勝利への執着心があった」と藤本も胸を張った。

欧州に総合ポイントで1点差に迫り、シングルスのマッチプレー8試合が行われる最終日は、藤本がマルセル・シーム(ドイツ)と対戦。「ただ勝ちたい。勝つゲームをしたい。パーを獲っていくだけでは勝てないので、自分の持っているプランを引き出していきたい」。一方の石川はヘンリック・ステンソン(スウェーデン)との戦いを前に「今日は、90%は藤本さんのおかげ。気を引き締めて明日はやる。『こんなんじゃダメだ』と思って練習したい」と、普段のようにすぐにドライビングレンジへと足を向けた。(ブルネイ・バンダルスリブガワン/桂川洋一)

2012年 ザ・ロイヤルトロフィ