前回シャーシャンGCで行われた大会を制したのはM.カイマー（Gettty Images）

シャーシャンインターナショナルGC（西コース）は、7,266ヤードのパー72。樹齢1,000年の銀杏の木々に囲まれ、人工池と自然の岩が並ぶ。ネルソン＆ハワーズがデザインしたこのコースが今年、2年ぶりに「WGC HSBCチャンピオンズ」を開催する（昨年はミッションヒルズで開催）。2004年に上海初のゴルフクラブとして誕生したシャーシャンインターナショナルGCは、現在も最も格式高い存在である。タイガー・ウッズはかつてこのコースを“アジアゴルフ界の最高の宝石”と呼んだ。高低差の大きなレイアウトに設計変更したため、200万立方ヤードにも及ぶ土砂を移動させた。

【フェデックスカップ】
優勝者は550ポイントを授与する

【チャリティ】
「ファーストティ」イベントは、WGC HSBCチャンピオンズのチャリティプログラムだ。収益はシンガポール国内18の学校で行われているHSBCユースゴルファーズプログラムや、HSBC中国ジュニアゴルフプログラムを含む、アジアでのゴルフの普及活動に使われる。

【見どころ】
新フェデックスカップチャンピオンとなったヘンリック・ステンソン、3名のメジャー大会優勝者、そして去年の覇者イアン・ポールターを含む77人が出場する。フェデックスカッププレーオフの「ドイツバンク選手権」と「ザ・ツアー選手権 by コカ・コーラ」を制したステンソンは、世界ランキングを4位まで上げている。

世界ランク1位のタイガー・ウッズ、2位のアダム・スコットは出場しないものの、全英オープン覇者のフィル・ミケルソンは同3位で、出場選手の中で最高位。全米オープン王者のジャスティン・ローズ、そして全米プロゴルフ選手権を制したジェイソン・ダフナーも出場する。

新人王を獲得したジョーダン・スピースは、WGC初出場となる。プレジデンツカップにキャプテン推薦で出場し2勝2敗の成績を収めた彼は、3週間のオフを取っていた。また、かつての全米アマチュアチャンピオン、ピーター・ユーラインも同じくWGCデビューを果たす。彼は昨年5月の欧州ツアー「マデイラオープン」でプロ初優勝を果たしている。

【72ホールの大会記録】
「267」 イアン・ポールター（2012年ミッションヒルズ）

【18ホールの大会記録】
「63」 丸山大輔（2009年最終日）、ロリー・マキロイ（同）、アーニー・エルス（同）、ルイ・ウーストハイゼン（2012年2日目・ミッションヒルズGC）、アーニー・エルス（同）、ガガンジート・ブラー（2012年3日目・ミッションヒルズGC）

【昨年の結果】
最終日に7アンダー「65」を記録したポールターが、4打差を逆転して優勝を飾った。彼は直前にライダーカップのストロークプレーでもタイトルを獲得したばかりだった。終盤までもつれた最終日は、入れ替わりで5選手がトップに立つ混戦となった。その中で抜けだしたポールターは、2位以下に2打差をつけて2010年の「アクセンチュアマッチプレー選手権」以来となるWGC2勝目を手にした。この優勝で彼は、1995年のプロ転向後、2度目となる年間未勝利を免れた。最終日に「64」の猛チャージを見せたジェイソン・ダフナーは、アーニー・エルス、フィル・ミケルソン、スコット・ピアシーの3選手と共に、2打差の2位タイとなった。

【戦況】
世界ランク1、2位のウッズ、スコットは欠場するものの、今季から秋スタートとなったPGAツアーの強豪が顔を揃える大会となる。今週の世界ランク上位25位のうち15選手が出場する。ステンソンは火曜日に、右手首炎症の診断のためにMRI検査を受けた。自宅のあるオーランドでの練習中に痛めてしまったようだ。ステンソンは現在、4試合のファイナルシリーズに突入したヨーロッパツアーの賞金王争いで、首位に立っている。なお、過去3大会はヨーロッパ勢が優勝。2012年はイアン・ポールター、2011年はマーティン・カイマー（ドイツ）、そして2011年はフランチェスコ・モリナリ（イタリア）がトロフィーを手にした。

【豆知識】
「フライズドットコムオープン」を制したジミー・ウォーカーは、新たに秋開幕となったPGAの序盤戦で4戦連続出場する唯一の選手だ。昨年の王者ポールターは、WGCチャンピオンシップで複数優勝を遂げた7名の選手に仲間入りした。2勝以上を挙げているのはジェフ・オギルビー（3勝）と、ウッズ（16勝）のふたりだけだ。