2022/09/02ダンロップ特集

「人気NO.1ブランド」の新たな挑戦と原点回帰 プロとアマに“やさしさ”を提供する

2000年の発売以来、長らく国内売り上げナンバー1を誇ってきたブランドがある。ダンロップスポーツ「ゼクシオ」シリーズだ。初代から現行の「ゼクシオ12」までのシリーズと、11代目が登場した時に、新たなシリーズとして「ゼクシオ エックス」が誕生している。 すべてのモデルで貫いてきたコンセプトは、「飛び」「打ちやすさ」「爽快感」。その中で「1球目からナイスショットが出る」、「キャリーで気持ちよく飛ぶ」クラブを目指して開発してきた。 伝統を受け継ぎながら、新たなゼクシオを生み出す関係者の言葉を通じ、ゼクシオの歴史と今、そして未来に迫る。 「ゴルフを始めたときから『ゼクシオ』」の女子プロも プロゴルファ...
2022/09/09ダンロップ特集

成長を継続するための新シリーズ創出 ロングセラーブランドの変革

2000年に発売された「ゼクシオ」は、2年に一度モデルチェンジを行う。原則的には1モデルでの展開にこだわってきた。その禁を破ったのが20周年の節目となった2019年。「ゼクシオ 11」とともに、「ゼクシオ エックス」がラインアップされたのだ。 初代モデルが誕生して以来、長らく国内売り上げナンバー1を誇ってきた人気ブランドの変革。その決断に至るまでの背景と現状に迫る。 新シリーズ誕生のきっかけは「新たなユーザーの獲得」 「『ゼクシオ』をもっと幅広い層に広げるため、何かしなければという思いは以前からありました。ただ、『ゼクシオ』として新しいモデルを出すことで、既存のユーザーから『これはゼクシオじゃ...
2022/09/22ダンロップ特集

すべてのゴルファーのために―― 12代目に至る進化の系譜をたどる

2000年の誕生から12代にわたりモデルチェンジを重ねてきた「ゼクシオ」。22年間にわたるロングセラーの系譜をたどると、時代の背景を問わずにゴルファーから高い支持を受け続ける理由が見えてくる。長らく国内売り上げナンバー1を誇る、人気ブランドの進化の歴史に迫った。 初代モデルから追及を続ける3つの要素 ゼクシオの最新モデル「ゼクシオ 12」、「ゼクシオ エックス」のクラウンには、ヒール側後方部に「アクティブウイング」と呼ばれる見慣れない突起がある。スイング中の空気抵抗を利用してヘッド挙動を安定させ、打点のばらつきを抑える独自のテクノロジーだ。 「ゴルフクラブの空力性能というと、通常、インパクト付...
2022/11/25ダンロップ特集

「100年続くブランド」を目指して 次の20年に向けた再構築

ゴルフを取り巻く環境はこの数年で大きく変化した。SNSを開けば、若いゴルファーがおしゃれなウェアでプレーする写真や動画がたくさん出てくる。ゴルフを楽しむ層は2000年代初期に比べ、若年層や女性にも広がり、その楽しみ方も一気に多様化した。 そんな時代の変化のなか、20年に渡り国内売り上げナンバー1を誇った住友ゴム工業の「ゼクシオ」ブランドが、発売20年の節目に「Re-Branding(リブランディング)」を宣言した。国内のゴルフシーンはこれからどう変化し、そして「ゼクシオ」はどう変わっていくのか。最初の企画書を手掛けた「ゼクシオ」の生みの親とともに考える。 誕生当初のペルソナ像は“部長さん” 週...
2022/11/25キャロウェイ特集

“高嶺の花”だけではない 高価格モデルを送り出す狙いとは

ゴルフクラブには、素材や製法にこだわり抜いて作られた高価格のモデルが存在する。なかには通常の市販品よりもはるかに高額な設定もあり、魅力的だけれど手を出せない…といったゴルファーは少なくないだろう。 キャロウェイゴルフは近年、そんなハイエンドモデルを数量限定で販売しているメーカーのひとつ。同社の茂貫太郎(もぬき・たろう、敬称略、以下同)アジアプロダクトマネジメント シニアマネージャーに、コストを度外視したクラブ開発の戦略について聞いた。 高価格帯シリーズに追加された破格モデル 同社が2018年から展開するオデッセイ「トゥーロン パター」は、ステンレススチールを削り出して作られる1本あたり6万円超...
2024/08/26三菱ケミカル特集

タイガーも唸らせたプロ御用達シャフトの20年

日本ツアーはもとより、海外ツアーでも多くのプロが使用している三菱ケミカルのゴルフシャフト。世界最高峰の舞台PGAツアーでは、これまで何度もシーズン最多勝を獲得し、メジャー大会の舞台でも多くのプレーヤーがそのシャフトを手に戦ってきたのは周知の事実だ。 そんな三菱ケミカルのフラッグシップブランド「ディアマナ」が、2004年の誕生から20年を迎えた。炭素繊維メーカーである同社(当時三菱レイヨン)がカーボンシャフトの原料となるプリプレグ(未硬化状態の樹脂を含ませた繊維シート)の生産を開始したのは1976年で、シャフトの製造をスタートさせたのは翌77年からだった。 初期はゴルフ業界の黒子的な立ち位置 「...
2024/09/12フジクラ特集

クラブにこだわりをもつ青木瀬令奈がその性能に驚いたシャフトとその理由

20代の選手が圧倒的な力を見せつけている今季の国内女子ツアーにあって、青木瀬令奈がその勢力に一矢報いようとしている。プロ14年目の31歳で、2015年に獲得したシード権を守り続けているどころか、21年から3年連続でツアー優勝を遂げている。その青木が秘かに新兵器を準備しているという。藤倉コンポジットの新シャフト「SPEEDER NX VIOLET( バイオレット)」だ。 ■ドライバーのヘッドスピードが40.5m/sに伸びたワケ 青木のクラブセッティングは女子プロの中でも少し変わっている。何しろアイアンが8番と9番しか入っていない。ウッドが1、3、5、7、9番、ユーティリティ(UT)が5~7番、そ...
2024/11/01三菱ケミカル特集

大里桃子の復活Vを決定づけた変化とこだわり

変えるものと変えないもの――。女子ゴルフ界“黄金世代”の一人、大里桃子が6月の「宮里藍サントリーレディスオープン」で復活のツアー通算3勝目を飾った。 昨年は極度の不振に陥り、プロ転向後、初めてのシード落ちを経験。クラブを替え、球筋を変え、トレーニングを変え……。変化を恐れず、スランプを乗り越えた大里が変わることのない信頼を寄せ続けたのは、ジュニアのころから慣れ親しんだ三菱ケミカルのシャフトだった。 体調不良から始まった小さな違和感 不振のきっかけは一昨年、2022年の夏に遡る。トーナメント欠場には至らない程度の体調不良。試合と試合の間で数日、安静にすることで体調は戻ったが、小さな違和感を覚えた...
2022/12/21ダンロップ特集

ツアーレップが見た松山英樹が「スリクソン」で快挙達成するまで

テレビ画面の向こうの光景を、現実と捉えるまでには少し時間がかかった――。 2021年4月、日本は新しい週の朝を迎えていた。「いまだに信じられないような気持ち。本当に…こんなことがあるのかなって」。松山英樹が母国に初めて男子メジャータイトルをもたらした「マスターズ」。抱えてきた思いは、涙になってあふれ出た。 プロゴルフを支える多くのスタッフの中に、“ツアーレップ”と呼ばれる人々がいる。日本全国、世界各国で行われるゴルフトーナメントに足を運び、プレーヤーに自社メーカーのクラブやボールを供給したり、会場内で調整したりする“職人”たちのことだ。住友ゴム工業(ダンロップ)の宮野敏一(敬称略、以下同)は、...
2023/03/24ダンロップ特集

「ボールは1つ」つくる難しさと面白さにのめり込んだ開発者のこだわり

ゴルフボールは「特許の塊」といわれる。白いカバーはもちろん、内側のコア(中心部)にも多くの技術が注ぎ込まれているからだ。 同時に、開発者たちの試行錯誤や熱意も込められている。毎年のように生み出される新作の開発にあたる者はどんなことを考えているのか。 研究者気質で “つくる側”へ 直径4センチ強のゴルフボール。「クラブを替えてもボールは(基本的には)1つ。全番手に影響する」。住友ゴム工業スポーツ事業本部商品開発部の井上英高(敬称略、以下同)はそれがゴルフボール開発の面白さであり、同時に難しさであるという。 東京工業大学大学院で炭素繊維の研究をしていた井上は先輩に誘われてゴルフを始めた。「まったく...
2023/03/06フジクラ特集

復活期す永峰咲希 クラブもシャフトも座学から

国内女子ツアーの新シーズンが開幕。今年も熱き戦いが始まった。そんななか、復活を期す選手のひとりが、ツアー2勝の永峰咲希だ。2020年に「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」でメジャー初制覇したものの、昨シーズンはトップ10入りが1度だけと、苦しいプレーが続き、メルセデスランキング65位でシード陥落。今年はメジャー優勝で得た3年シードを行使してのツアー参戦となる。 4月で28歳。若手ゴルファーの躍進が続く現在のツアーの中では“ベテラン”という言葉もちらつき始めるが、まだまだ進化の過程。スイング、コースマネジメント、クラブ・シャフト選びなど、さまざまな面で新たな知識を吸収し、強さを取り戻そうとして...
2022/02/11フットジョイ特集

「日本ツアーで最も飛ばす男」も納得 シューズでゴルフは変わるんだ

国内男子ツアー2020-21年シーズンで賞金ランキング39位に入り、28歳で初めてシード権を手にした幡地隆寛。平均飛距離では初の1位(313.04yd)となり、持ち味とするパワーでゴルフファンに存在感を印象付けた充実のシーズンとなった。 体の捻転差を意識したスイング改造だけでなく、シーズン途中でのシューズ変更も、納得のパフォーマンスを発揮できた要因だという。シューズがツアープロにもたらす変化とはどのようなものだろう? 幡地に真意を聞いた。 希薄だったシューズへの意識 好調や復調の理由についてスイングやクラブの調整を挙げる選手は多いが、シューズの話題を持ち出すことは珍しい。かつて、鈴木愛が賞金女...
2021/08/30日本シャフト特集

「創業60年の伝統を未来につなぐ」 社長が大事にする積極的な会話術

<ゴルフシャフトの“新定番”を生み出す熱きリレー> ゴルフクラブの性能を語る際、ヘッドと同様に重要なのがシャフト。求める弾道やスイングを作る上で、最適なものを使うか使わないかで、全く変わってしまう。そのシャフトを完全国内生産で製造する唯一の総合シャフトメーカーが日本シャフトだ。 1959年に「ばね」の世界トップメーカーであるニッパツのグループ企業として誕生。「N.S.PRO」シリーズなど、世界的にも評価されるヒット商品の数々を世に送り出している。 ヒット商品を生み出す会社の雰囲気 ひと昔前まで、「N.S.PRO 950GH」のイメージが強かった日本シャフト。ただ、ここ数年は「N.S.PRO M...
2021/10/18日本シャフト特集

最新ヘッドの性能を引き出す新定番「N.S.PRO 850GH neo」 標準シャフトに採用したメーカーの評価とは?

日本シャフトは2022年春、軽量スチールシャフトの最新モデルとして「N.S.PRO 850GH neo」を発売予定だ。それに先駆け、21年秋から各クラブメーカーの最新アイアンに同シャフトが採用されている。シャフト単体での発売前に、各メーカーが採用したのはなぜか。その理由をクラブメーカーの担当者に聞くと、「N.S.PRO 850GH neo」の性能が見えてきた。 ブリヂストンゴルフの飛び系 ニューアイアン「213HF」 ブリヂストンゴルフは、9月に発売したアイアンシリーズ「213HF アイアン」に「850GH neo」を採用している。 「213HF アイアン」は、7番でロフト角が28度の、いわ...
2023/09/05ニコン特集

上田桃子の強さの秘密―― シビアなまでにこだわる「打点」と「距離感」

上田桃子がトッププレーヤーの一人として活躍し続けてきた間にツアーは変化し続けてきた。若手の台頭でライバルの顔ぶれは入れ替わり、クラブやボールの進化でツアー全体の平均飛距離は伸びた。また、2021年に米国のプロツアーで距離計測器使用が認められるようになると、22年には日本でも使用可能となった。 そんな数々の変化の中で、日米通算17勝を挙げた上田が、自らのゴルフへのこだわり、レーザー距離計の活用法、さらにはアマチュアへのアドバイスを語る。 上田が思う「ショットメーカー」の定義 女子ツアーの中でも「ショットメーカー」として名高い上田だが、「私ってショットメーカーですか?」と、本人は苦笑いで否定する...
2023/10/31三井住友カード特集

次の半世紀へ 歴代覇者・宮瀬博文が語る太平洋クラブ御殿場18番の記憶

今年で51回目を迎える「三井住友VISA太平洋マスターズ」。舞台となる太平洋クラブ御殿場コースの18番(パー5)では毎年のように記憶に残るドラマが生まれてきた。1999年大会の優勝者であり、近年は同大会テレビ中継のオンコースリポーターを務める宮瀬博文とともに大会の歴史と名場面を振り返る。 ■シニアツアー3年目、初優勝を目指して戦う日々 宮瀬がレギュラーツアーで初優勝を挙げたのは1997年のこと。それから26年が経った現在はシニアツアーで初優勝を目指して奮闘している。 「シニア1年目(2021年)に何度かチャンスがあったのに勝てなくて、あそこで1つ勝っていれば、その後の流れも違ったんでしょうけ...
2023/08/18ニコン特集

愛用8年 久保谷健一がレーザー距離計で覗いたゴルフの変化

ツアー7勝のうち国内メジャー2勝、米ツアーへの参戦経験もある――。この経歴を目にして、「久保谷健一」の名前がすぐに浮かぶ人はかなり熱心なゴルフファンだろう。 レジェンド級の実績を持ちながらも、後輩のプロからは“ケンケン”と親しみを込めて呼ばれる久保谷。どんなにいいスコアで上がっても「たまたま」と謙遜し「明日も続くような内容じゃないんで」と、もはや持ち味ともいえるボヤキは、男子ツアーの名物だ。 「守っていたら戦えない」男子ツアーの変化 ボヤキの理由を本人は、「プラス思考じゃないのは確かですけど、別にマイナス思考というわけじゃないです。言うなれば、安定思考。例えば、フェアウェイセンターの好ポジショ...
2022/11/11本間ゴルフ特集

新たなファン層の獲得を図る老舗ゴルフメーカーの次なる一手

1959年の創業から職人による熟練の技を継承し続け、「世界で最も優れたゴルフクラブをつくる」ことを目標に製品開発を進めてきた本間ゴルフ。その老舗ゴルフメーカーが、新たなファン層の獲得に向けて新シリーズの創出に打って出た。目的を実現するために行われた戦略とは? フリーアナウンサーの青木源太さんが本間ゴルフの酒田工場を訪れ、複数のキーパーソンに話を聞いた。 ターゲットは「ゴルフを楽しんでほしい若い世代」 一般的には、従来シリーズの後継となれば、ターゲット層は前モデルから大きく変更することはない。しかし、新シリーズとなれば、どんなゴルファーに手にしてもらいたいか明確な方向性を定める必要がある。青木さ...
2022/10/28本間ゴルフ特集

“匠”が手掛けるゴルフクラブ 青木源太が見たモノづくりの神髄

世界で最も優れたゴルフクラブをつくる――。この想いで開発される本間ゴルフのクラブは、1959年の創業から伝統の技を継承する“匠”たちの手により生まれている。その生産拠点となるのが、山形県北部にある敷地面積約5万坪の規模を誇る酒田工場。日々、300人を超える職人の技と最新技術、高品質素材を融合した研究開発、製造が行われている。フリーアナウンサーの青木源太さんが現地を訪れ、本間ゴルフのモノづくりの極意に触れた。 「綺麗な工場」を保てる理由 「綺麗な工場ですね」。初めて酒田工場を訪れた青木さんは、工場内を見学しながら、そうつぶやいた。 ゴルフクラブの工場といえば、クラブの研磨や接着、シャフトのカット...
2024/11/05トゥルーテンパー特集

初V弾みにバージョンアップ中 阿部未悠のシャフト考

国内女子ツアーでトゥルーテンパーの「スチールファイバー」シャフトを採用する選手が増殖中という。ベテランから若手まで幅広く、優勝経験者もいる。 プロ4年目の今年4月、「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」でツアー初優勝を果たした阿部未悠もその一人。感覚派が多い中、打感や球筋だけでなく数値データもシャフトに求めている。24歳にして、「こだわるところは、こだわりたい」という強い信念がある。 スチールファイバーとの出合い アマチュア時代からプロ1年目まで、アイアンのシャフトはトゥルーテンパーのスチールシャフト「ダイナミックゴールド」を使っていたという阿部。同社の「スチールファイバー」に替えたのは...