2024/03/27デサント特集

僕と、僕の家族と日本とのルーツ/ザンダー・シャウフェレ スペシャルコラム

日本の皆さんこんにちは。ザンダー・シャウフェレです。 ナンバーワンを目指すゴルファーが集うPGA TOUR。この世界最高峰の舞台に身を置いて、長い時間が過ぎました。プロ転向して10年目の今年、僕は『DESCENTE』のウェアを着てプレーしています。 僕の第2の故郷といえる場所、日本。 思い出は金メダルを手にした2021年の「東京五輪」にとどまりません。今回は僕と、僕の家族と日本とのルーツについて、紹介したいと思います。 そもそも、日本との縁のきっかけを作ってくれたのは、台湾出身の祖父(陳栄生さん)でした。 第二次世界大戦後、祖父は30代で台湾の国費留学生として来日し、東京教育大学(現筑波大)に...
2023/05/17フォーティーン特集

名匠の教えを生かすかどうかは「自分たち次第」

群馬県の高崎駅から車で約20分。東アジアの文化交流を記す特別史跡「上野(こうずけ)三碑」のひとつ、「多胡碑」がある吉井町にゴルフクラブメーカー「フォーティーン」のヘッドオフィスはある。日本が誇るクラブ設計家、竹林隆光(敬称略、以下同)が高崎市内で創業し、約30年前に移転した。社員約50人が働く。 営業部参事の池田純(敬称略、以下同)は、数々の名器を世に送り出して2013年に亡くなった竹林の思いを継承するひとりだ。YouTubeの公式チャンネルを開設、自ら出演してこの地から発信している。 「他のメーカーと同じことをするな」「ユーザーを見ろ」-。竹林の教えを守りつつ、限りある広告予算の中でいかに「...
2023/04/17フォーティーン特集

「ゴルファーに一番近い会社」に息づく名匠・竹林隆光の言葉

いまではプロのみならずアマチュアもアイアンセットとは別に単品ウェッジをセッティングに組み込むようになった。ブームの先駆けをつくったのが、ゴルフクラブデザイナーの竹林隆光さん(以下、敬称略)。数々の名器を生み出した、日本を代表する名匠がこの世を去ってことしで10年になる。 クラブメーカー「フォーティーン」(本社・群馬県高崎市)の創業者、竹林は2013年に亡くなった。64歳だった。「ゴルフ業界に重心理論(重心距離や慣性モーメントなど重心の位置を示す数値)を持ち込んで、職人のフィーリングや勘を数値に置き換え、ゴルファーとゴルフクラブをつないだ。世界のゴルフ業界の設計開発をデジタルに変えた。それはすご...
2023/06/19フォーティーン特集

パイオニアとしての強み すべてはアマチュアのために

国内女子ツアーで33歳のベテランが最長ブランク記録となる11年189日ぶりの2勝目を挙げたのは2022年10月の「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」だった。その14本のクラブの中に「フォーティーン」のウェッジが3本あった。ロフト角46、52、58度の「RM-4」だ。 年間を通じて、アマチュアの試合を中心に足を運び、合間を縫って女子ツアーの会場にも出向く営業部主事の飯塚裕一(敬称略、以下同)はその時、群馬・藤岡ゴルフクラブでプレーしていた。「テレビ中継も見られなかったのでネットで見て頑張っているなと思っていた」と言い、優勝したことは関係者からの電話で知った。 フォーティーンが契約する...
2022/11/01三井住友カード特集

世界基準への追求と50回大会のポスターに込められた思い

ゴルフトーナメントのポスターには、各大会の開催年における特色やメッセージが凝縮されていることが多い。その中でも、ゴルフファンから多くの支持を集めてきたのが「三井住友VISA太平洋マスターズ」だ。第50回の節目を迎える今年は、果たしてどのような一枚が作られたのか。開催の熱意とともに、大会実行委員長の三井住友カード株式会社常務執行役員・佐々木丈也(敬称略、以下同)に聞いた。 ポスターに込められたメッセージ 雄大な富士山と、澄み切った青空。美しい緑に彩られたコースとのコントラストが映える大会ポスターは、1998年から18年間にわたりジャパンゴルフフェアの会場、および日本ゴルフトーナメント振興協会の...
2024/10/07本間ゴルフ特集

「つくった職人さんの顔が見えるクラブ」酒田工場で世界のHONMAの神髄を見てきた

GDOのレッスンスタジオ「ゴルフテック」でコーチを務める渡部夏生です。山形県酒田市出身。地元で本間ゴルフ酒田工場を知らない人はいません。HONMAのクラブはジュニア時代からいまも愛用しています。敷地内の研究センターで練習させてもらったことも。今回初めて縁のある酒田工場を訪れました。そこで見たのは、まるで芸術品のようなクラブ、それを職人さんの手作業と機械による自動化を融合して一社完結でつくり出している、ものづくりのカッコ良さでした。 ■手作業と自動化の融合ですっきりした工場に 「本間さま」という大地主が豪商として名をはせ、その子孫を創業者にもつ本間ゴルフ。酒田の地元ではよく知られていることです。...
2024/11/07本間ゴルフ特集

日本発の世界に誇るゴルフメーカー キーワードは「カスタマイゼーション」/本間ゴルフ・小川典利大社長インタビュー

日本を代表する名門ゴルフメーカー「本間ゴルフ」。同社を率いるのは昨年12月に代表取締役社長兼最高経営責任者に就任した小川典利大さん。複数の大手外資系企業を経て、国内大手アパレルメーカーの社長から転身した“HONMAの顔”。ジュニア時代に酒田工場敷地内の研究センターで腕を磨いた縁がある、GDOレッスンスタジオ「ゴルフテック」の渡部夏生コーチが、小川社長を直撃取材。その野望に迫った。(構成・編集部) ■日本の技術や日本のブランドをもう一度、世界に際立たせたい 山形県の北西部にある本間ゴルフ酒田工場。広大な生産拠点の一角に研究センターがある。奥行き370ヤード、幅60ヤードのゴルフレンジを備え、開発...
2024/03/01エコー特集

履いた瞬間に「なんかいい」ゴルフシューズの秘密

1963年にデンマークで誕生したシューズメーカーの「ECCO(エコー)」は、今や世界約90カ国で展開。創業当時から変わらず追求し続けている「最高の履き心地」が、多くの人々を魅了している。1960年代、社会への女性進出に伴い働く女性のためのパンプス「Venus」をヒットさせ、履き心地と歩きやすさを両立させたことで大人気を得て、その後は紳士靴、スニーカー、アウトドア、ランニングなどのカテゴリーに進出している。 ゴルフシューズへの参入は1996年。「一度履いたらやめられない」、「履いてみると、なんかいいよね」と評されるシューズを生み出し、ファンを増やしている。今回はエコーの魅力を掘り下げ、エコーの「...
2024/06/28ダンロップ特集

使い続けるにはワケがある オーナーたちが語るゼクシオの魅力

2000年の初代から数えて最新作は13代目。発売されるたびに、売り上げランキング上位に入るダンロップの「ゼクシオ」。根強い人気を支えているひとつに、愛用者で構成される会員組織「ゼクシオ オーナーズクラブ」がある。オーナーたちは、なぜ“ゼクシオ沼”にハマったのか。座談会でその魅力を語ってもらった。 ゼクシオとの出合い 最古参は2002年から 「ゼクシオ オーナーズクラブ」は同ブランドのゴルフクラブ購入者を対象にした会員組織で、2014年4月に発足し、現在約1万人の会員がいる。登録したクラブの保証期間の延長サービスほか、様々な特典がある。この日集まったのは男女7人の方々だ。 会員の中で最古参となる...
2024/04/08グラファイトデザイン特集

ウッズにトーマス トッププレーヤーたちがほれ込んだ“赤黒シャフト”

グラファイトデザインの最新シャフト『TOUR(ツアー)AD VF』がPGAツアー、国内男子ツアーで静かに流行りつつある。タイガー・ウッズやジャスティン・トーマスらが使い始めた影響もあってか、同社のプロ担当、通称ツアーレップの高橋雅也(敬称略、以下同)が2月にPGAツアー会場を訪れたところ、興味を持つ選手は少なくなかったという。国内ツアーでも蝉川泰果が昨秋使用、賞金王の中島啓太も今後の投入を予定するなど、VFがツアーを席巻する可能性は大いにある。 ■飛んで曲がらないシャフトとして誕生 「将来的にPGAツアーはもちろん、全世界(のツアー)で戦えるシャフト、ワールドランカーが使うようなシャフトをつく...
2024/03/25オークリー特集

ツアー2勝・平田憲聖がさらなる飛躍へ向けて選んだ勝負カラー

世界のプロゴルフシーンは新型コロナ禍時代に入って世代交代が目覚ましい。欧米ツアーのみならず、傾向は日本も同じ。2023年の男子ツアーはみずみずしい若手が牽引役を担い、賞金ランキングトップ3の選手がいずれも25歳以下だった。 23歳の平田憲聖もまた、彼らに勝るとも劣らない活躍を見せたひとり。昨季賞金ランキング6位。日本で、そして世界で軽やかに纏う「オークリー」のウェアには輝かしい将来が透けて見える。 同世代のライバルはかつて「雲の上の存在」 幼少期の平田のそばには、3つ年上の姉の姿がいつもあった。母に手を引かれて通ったバレーボールの体育館に、あるいは、祖父に連れ添って行ったゴルフ場に。地元は大...
2024/01/26キャロウェイ特集

ミスヒットでも狙えるパラダイム Ai スモーク シリーズの実力検証

AIによるフェース設計が大幅にバージョンアップしたキャロウェイの新作シリーズ。ミスヒットでもまっすぐ遠くへ飛ばせるのは、ドライバーのみならず、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンでも同じだという。ゴルフライターの鶴原弘高さんに各クラブを試打検証してもらい、アマチュア3人には自分に合うモデルを試打して探し出してもらった。 ■フェースの面積が小さいクラブでも「Ai スマート フェース」の効果は絶大! <フェアウェイウッド> ドライバーと同様にフェアウェイウッドにも、『パラダイム Ai スモーク MAX』、『パラダイム Ai スモーク MAX D』、『パラダイム Ai スモーク MAX FA...
2023/05/29テーラーメイド特集

“プロ”の挑戦をサポートし続けるテーラーメイドと石坂友宏の関係性

若手の躍進が続く国内男子ツアーにあり、初優勝が期待されるプレーヤーの一人が、テーラーメイドとクラブ契約をしている石坂友宏だ。まだプロとしては無名の存在だった2020年11月の「ダンロップフェニックス」ではプレーオフで敗れたものの2位と大健闘。ここから一気にシード選手へと飛躍を遂げた。 石坂が持つクラブに対する考え方、さらにはサポートをしてくれるツアーレップとの関係など、トーナメント観戦だけでは見えてこないツアープロの舞台裏に迫る。 “ダメ元”での紹介からクラブ提供が始まる 神奈川県横須賀市出身の石坂は、中学時代に「関東ジュニア」、「関東中学校ゴルフ選手権春季大会」で優勝するなど、同世代の中では...
2023/05/30日本シャフト特集

カリスマフィッター鹿又芳典氏がクオリティの高い製品から受ける恩恵とは

国内唯一の総合ゴルフシャフトメーカー「日本シャフト(NIPPON SHAFT)」。信頼と実績は、国内だけでなく、海外のクラブメーカーにも純正として採用されていることでも明らかだ。先のコロナ禍では品薄状態でもメーカーへの誠実な対応でエンドユーザーの手へ。その精神はまさに日本が誇る“おもてなし”。日本シャフトと関わりの深い、クラブコーディネーターの鹿又芳典(敬称略、以下同)もまた、恩恵を受けている一人だ。 ■ゴルフクラブの起承転結を長く見守ってきた ドライバーのヘッドでいえば、パーシモン、メタル、チタン、カーボン。シャフトでいえばヒッコリー、スチール、カーボンと進化を続けているゴルフクラブの世界。...
2023/04/28フジクラ特集

ゴルファーを救う「天職」へと到達したシャフトフィッターの執念

ここ最近、カスタムシャフトのニーズが拡大し、「シャフトで飛距離が変わる」を実感している人が増えているという。シャフトフィッターの職業とその“流儀”を通して、現状に迫る。 ■ラウンドよりもクラブの調整が面白かった高校時代 日本を代表するシャフトメーカー、藤倉コンポジットのフジクラゴルフクラブ相談室木場店には、2022年度に2541人のゴルファーが来店した。単純計算で1日当たり約7人の計算。10年前の来店者数は1695人だったことから考えると、それだけアマチュアゴルファーのシャフトに対する意識が変わったといえる。実際、リシャフトしたことで、ゴルフが劇変した人は数え切れないのだという。 同店には現在...
2024/02/08テーラーメイド特集

カーボンウッドが追求する飛距離への無限の可能性

テーラーメイドの「Qi10」シリーズが発売された。その名称は、「Quest」(探求する、追求する)、「Inertia」(慣性)の頭文字と、上下と左右方向の慣性モーメントの合計値10,000g・cm2(10K)を意味している。 高慣性モーメントが生み出した直進性やミスヒットに強いやさしさはもちろんだが、「Qi10」が目指したのはそれだけではない。飛距離性能をいかにやさしさと両立させたのか。その秘密を探求してみたい。 カーボンフェースがもたらした軽量化の恩恵とは 高慣性モーメントの弱点は、インパクト時のヘッド挙動にある。フェースが開いたままインパクトを迎えれば、ロフトが増え、右方向にスピン量の多い...
2023/02/24キャロウェイ特集

飛びとやさしさ「どちらも100点」 高次元両立の裏側に迫る

ドライバーに求められるものといえば「飛び」と「やさしさ」。極端に言えば、飛ばすためにはフェースを固定したヘッドの前が重い方がいいし、やさしくするには後ろが重い方がいいそうだ。相反する2つを両立させるのは不可能というのが開発の定説だったが、キャロウェイゴルフは「両方とも100点満点」のクラブをつくり上げた。ヘッドに採用した業界初の新構造ボディーに加え、2019年から導入して以来、さらなる進化を遂げたAI技術によって弾き出し、具現化が可能になったのだという。 そもそも「やさしさ」って何だ? 2023年になって新ドライバーを投入して早くも3勝を挙げたジョン・ラーム(スペイン)。PGAツアーでの平均...
2023/03/22テーラーメイド特集

カーボンフェースの軽さが生み出した飛びとやさしさの秘密

飛距離を追い求めるのはゴルファーならば誰でも同じ。「飛ばしよりもスコアが大事」と口にはしても、「飛ばなくていい」と思っている人はほとんどいないだろう。だからこそ、クラブメーカーは飛ぶクラブの開発に力を入れ続けている。 飛びの3要素は、「ボール初速」「打ち出し角」「バックスピン量」。なかでもボール初速は、2008年以降、フェースの反発係数を規制したルール(SLEルール)が定められてからも、さまざまなテクノロジーで初速アップを実現している。 反発係数の規定値を逆手に取った逆転の発想 飛びの3要素のうち、打ち出し角とスピン量は、適正な範囲があり、高ければいい、少なければいいというものではない。しかし...
2023/03/29テーラーメイド特集

カーボンウッドが追求する理想の打音と打感

もしも機械がボールを打つのであれば、気にする必要はないのかもしれない。しかし、プレーヤーが人間である以上、ゴルフクラブを選ぶうえで打音と打感は重要な要素となる。 自分の感覚と結果がマッチしているか。気持ちよくプレーできるか。ゴルファーの満足度やスコアに、打音と打感は影響を及ぼす。 やわらかさだけで打感は語れない 打感を表現する言葉はさまざまだが、「やわらかい」はおおむねポジティブな意味で使用されることが多い。一方で、対義語である「硬い」も、「しっかりした打感」や「弾き感がある」など、ニュアンスによっては好印象を与えるなど、好みは多種多様だ。 世界のトッププレーヤーから一般のアマチュアゴルファー...
2022/06/13日本シャフト特集

ベテランツアー担当が実践するプロ対応の極意

技術、クラブ、ウェア……。ゴルフのこだわりは人それぞれ。そこに様々な楽しみ方が存在するからこそ、幅広い層に愛され続けているのだろう。日本シャフトは完全国内生産でスチール、カーボンの両方を扱うこだわりのシャフトメーカー。新たなシャフトを生み出す開発陣から、それを手にするエンドユーザーまで、同社の周りには“こだわりの人”にあふれている。 ツアー担当の役割と求められる資質 ゴルフクラブや用具メーカーにはツアー担当と呼ばれるスタッフがいる。プロの要望を聞き、よりその選手に合ったものを提供することや、新製品をテストする機会を作り、実戦投入してもらうことが主な役割となる。 日本シャフト営業部の石橋良一也...