2011/09/02GDOEYE

森桜子、暗闇に差した光明

「日本女子アマ」チャンピオンに2度輝き、08年に鳴り物入りでプロ入り。誰もが将来の活躍に期待を寄せていた森桜子だが、予選通過もままならない不遇のシーズンが続いていた。その森が、今週の「ゴルフ5レディス」初日に9位タイの好スタート。これまでの苦しかった心境から現在の変化までを、切々と吐露した。 「夢を与えるプレーヤーになりたかったのに、自分は何をやっているんだろう。うまく自分を出し切れず、プロとしてパフォーマンスを出せない自分を追い詰めていた部分はありました」。アマチュア時代にその名を馳せた者にとっては、誰もが通る悩みには違いない。しかし、その中でも頭一つ抜けたキャリアを積んできた森にとっては、...
2011/08/25GDOEYE

個性豊かなルーキー3人がプロデビュー!

今週開催の「ニトリレディスゴルフトーナメント」は、優勝争いはもちろんのこと、将来有望なルーキーたちのプレーにも注目が集まりそうだ。今年のプロテストに合格した堀奈津佳、工藤遥加、香妻琴乃の3人が今週、記念すべきプロデビュー戦を果たす。 話題性の大きさで言えば、やはり工藤が一番だろうか。プロ野球・工藤公康投手の長女として、アマチュア時代から多くの注目を浴び続けてきた。昨日24日(水)は公康氏がコースを訪れ、練習場で熱血指導。翌25日はドライビングレンジでショット中心の練習を行い最後の調整を終えた。「プロテストのような“死んじゃう”緊張感はないですね。楽しめたらいいと思います」と話す工藤の目標は、「...
2023/07/23GDOEYE

繊細と鈍感のあいだで 星野陸也の“アイアンカバー”と欧州転戦で得たもの

◇メジャー最終戦◇全英オープン 3日目(22日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71) ウッド系クラブのヘッドカバーは当たり前でも、“アイアン用”を愛用しているゴルファーはそう多くない。几帳面なアマチュアが選ぶくらいで、試合中はキャディにバッグを預けるプロでは極めて少数派。それでいうと、星野陸也はその珍しい部類に入る。 使い始めたのは昨秋で、理由がまた独特だ。アイアンのヘッドに貼り付けられているバランス調整用の鉛が、ラウンド中や移動中にキャディバッグ内で他のヘッドと当たり、はがれてしまうのがイヤ。「みんな結構、苦悩だと思うんですよ。鉛ひとつ貼るのに、調整に30分くらいか...
2023/10/23GDOEYE

“スマイルキャンディ”から消えた笑顔 イ・ボミが最後まで貫いたプロ意識

予選第2ラウンドの18ホールを終えると、イ・ボミ(韓国)はグリーンを取り囲む多くのギャラリーに向けて、はにかみながらも清々しい笑顔を見せた。今季は8試合に出場し、すべて予選落ち。4日間プレーするという目標に届かず、有終の美とはいかなかったけれど、ゴルフへのモチベーションを奮い立たせて臨んだ1年を最後まで走り抜いた。 今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」前の2月27日、今季限りの国内ツアー撤退を発表した。表明のタイミングをシーズン開幕前にしたのは、最後の勇姿を一人でも多くのファンに届ける機会を作りたかったからだ。 近年は不調に悩む日々が続き、笑顔が次第に少なくなった。「いいプレーを見せるこ...
2023/12/21GDOEYE

30年の歴史に幕 “坂田塾”はゴルフ界に何を残したのか

坂田ジュニアゴルフ塾(通称・坂田塾)が今年4月、その歴史にひっそりと幕を下ろした。プロゴルファー坂田信弘が1993年に熊本で開校し、指導するコーチ陣はボランティア。地域の練習場やゴルフ場と提携し、坂田自身が執筆活動で得た資金も注ぎ込んで、子どもたちからは一切お金を受け取らない画期的なゴルフ塾だった。一時は熊本、札幌、福岡、東海、船橋、神戸と全国6校まで拡大し、古閑美保や上田桃子、笠りつ子、安田祐香らを輩出した。 「ずっと手が震えています――」。スタートホールのティショットを打ち終えた谷山智永(たにやま・ちえ)さんは、こわばった表情のまま言葉をもらした。大学卒業後に司法書士の個人事務所を開設し...
2023/12/23GDOEYE

父が語る久常涼のジュニア時代 欧州ツアー新人王の原点

久常涼が9月「カズーオープンdeフランス」でDPワールドツアー(欧州ツアー)初優勝をあげた。2022年の最終予選会を突破して臨んだルーキーシーズン。欧州タイトルは青木功、松山英樹に続く日本勢3人目の快挙となり、日本人として初めてルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された。 2020年末にプロ転向し、3年目に世界を舞台に飛躍を遂げた21歳の原点は、田んぼと山に囲まれた地元・岡山県津山市。父・正人さん(45歳)の言葉を通してジュニア時代に迫り、プロゴルファー久常涼のルーツを探る。 渋野日向子と同じ練習場で腕を磨く 正人さんは回顧する。「ゴルフ場は大人の遊び場だけど、岡山はジュニアにも協力的なゴルフ場...
2023/12/27GDOEYE

イ・ボミから次世代への伝言「これが、幸せになれた理由」

2023年シーズンが始まる前、イ・ボミ(韓国)は今季限りで日本での競技生活にピリオドを打つと決断した。韓国ツアーで賞金女王に輝き、2011年から日本での転戦生活を始めて13季目。所属先の延田グループが大会スポンサーを務める10月「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」での幕引きを選んだ。 大会では「ありがとう」の文字が入ったタオルやTシャツが販売され、会場はボミのイメージカラーであるピンク色に染まった。2日目の競技終了後に行われたクラブハウスでのサプライズセレモニーには50人以上の選手や関係者が参加し、最終日には全国のファンが集結してエールイベントを実施。言葉を交わし、互いに涙を...
2023/11/13GDOEYE

“ドローが出ない”スイングと親指痛 渋野日向子は「ボロボロな1年」を糧に

◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 最終日(12日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70) シーズン序盤のアジア2連戦を経て、米本土での今季初戦となった3月「ドライブオン選手権」で渋野日向子は7位に入った。これがシーズンを通して唯一のトップ10入り。早い段階で上々の成績を出した裏では違和感を抱えてもいた。 「自分が目指していた球筋とは違いましたし…。あの時、めちゃくちゃフェードだったので」。オフから取り組んできたスイング改造は縦の動きを目指し、トップが下がらないことがポイントだった。右に曲がるボールを変化の過程と割り切ろうにも、理想のド...
2024/02/20GDOEYE

“崩れないスタッツ”で1位 松山英樹が4連戦目で見せた安定感

◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 最終日(18日)◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇7322yd(パー71) 松山英樹の2年ぶりの優勝は、6打差からの逆転劇だった。前週「WMフェニックスオープン」は、過去2勝の大会で22位。車の座席に深く身を沈めてコースを去る姿を見送ったとき、こんなシナリオは予想できなかった。 ジェネシス招待までの今季5試合で、最高位は「ファーマーズインシュランスオープン」の13位止まり。「ショットもアプローチもパターも、良いところと悪いところの差がかけ離れ過ぎて、スコアに繋げられない」とこぼしていたのが前週の開幕前。調子の波が激しく、一度流れを崩すと立て直すのが難しくなる。...
2007/05/25GDOEYE

30歳の節目「フィジカル面でも、もっと強さを発揮していきたい!」

昨年度の賞金女王、大山志保が、この日30歳の誕生日を迎えた。試合は雨のため15時25分の時点でサスペンデッドが決定。その直後にクラブハウス2階で大山を祝福するセレモニーが行われた。 手前の大きなケーキは主催となる廣済堂が用意したもの。大山は現在のようにレギュラーツアー出場資格を獲得する前にはアジアサーキットにも挑戦していた。そのアジアサーキットは廣済堂が多大なバックアップを行ってきたこともあり、大山にとっても思い入れのある企業となっている。 ケーキ以外にも花束など、関係者から渡されると満面の笑みをこぼした。30歳になった感想を聞くと「フィジカル面でも、もっと強さを発揮していきたい。自分の信念を...
2007/05/24GDOEYE

女子プロゴルフ界にも「めがねアイドル」誕生!?

国内女子ツアー第10戦「廣済堂レディスゴルフカップ」のプロアマ戦。練習グリーン上でめがねをかけた選手を発見。近づくと、満面の笑みで「お疲れさまです!」というのは有村智恵だった。 以前は中嶋常幸など、めがねをかけてプレーする選手も少なくなかったが、コンタクトレンズが主流になってからは、めがねをかけたプレーヤーは少なく、ましてや最近はレーザー治療による視力回復手術を行う選手も多い。 世間では時東ぁみという「めがねアイドル」が、秋葉原などを中心に人気となっている。有村のその表情もどちらかというと「ロリ系」。本人は「賢く見えるかと思ったんですけど・・・」というが、周囲の意見は同様に「めがねアイドル狙...
2007/04/06GDOEYE

ホストプロが抱える心の葛藤

プロゴルフトーナメントを主催する企業に所属し、当該トーナメントに参戦するプロは「ホストプロ」と称される。シード権を持たなくても主催者推薦枠により出場できるメリットがある反面、主催者の期待を一身に背負う、他トーナメントとは異質なプレッシャーを背負ってのプレーとなるわけだ。今週行われている「スタジオアリス女子オープン」では、スタジオアリス所属の赤堀奈々(29)が、ホストプロとして参戦。この日ノーバーディ、6ボギーの75位タイと成績は振るわなかったものの、ラウンド後はテレビインタビューに呼ばれるなど、やはり注目度は高い。 自己最高賞金ランクは2004年度の94位。シード権を獲得したことのない赤堀は、...
2007/04/15GDOEYE

「初優勝はピーチ味!」上田桃子が念願のツアー初優勝を飾る!

地元・熊本で行われた「ライフカードレディス」で、初日から首位に立ち、そのまま2位に6打差をつける圧勝劇でツアー初優勝を飾った上田桃子。いつも悔し涙を流している上田だが、意外にも初優勝に涙は無かった。 「実感はないですね」。試合が終わってコースを後にする直前でも、その様子は普段と変わらない。最終日はチップインが2回、そして優勝を争った辛ヒョンジュが15番で信じられないダブルパー(+4)を叩くなど、すべての歯車が上田の初優勝に向けて噛みあっていくかのようだった。 4アンダーで迎えた最終18番のティグラウンド。今日はボードを見ないと決めていた上田がキャディに聞いた。「アンダーはいます?」答えを聞いた...
2007/04/14GDOEYE

最速・最短優勝記録の更新を目指す原江里菜

若手の活躍が続く「ライフカードレディス」2日目。この日「70」を出して通算イーブンパーとし、首位と3打差の単独3位に浮上した原江里菜(19)は、今年の1月1日付けでTPD登録をしたばかり。もし明日優勝すると、プロとして2戦目、TPD登録以来105日目での初優勝となり、現在の最短試合数(3試合:呂暁娟)及び最短日数(146日:宮里藍)での優勝記録をそれぞれ更新することになる。 現在、東北福祉大学の通信制に通う原は、05年に日本ジュニアを制し、同年の世界ジュニアでは個人で2位入賞、また06年には日本女子学生ゴルフ選手権を制覇するなど、アマチュアとして数々のタイトルを獲得してきた。プロツアーでも、0...
2007/04/13GDOEYE

難しいコースを攻略するのが楽しい!女子大生ゴルファー青山加織

ライフカードレディス初日、初優勝を目指す上田桃子(20)を2打差で追いかけるのは、同じ熊本出身の青山加織(21)だ。青山は中3で全国中学校ゴルフ選手権、高1で九州女子アマを制するなど、ジュニア時代から非凡な才能を発揮してきた。だが、他の選手が高校卒業後プロの道を目指すのに対し、青山は「まずは土台を作りたい」と大学進学を決意。飛距離やアイアンの精度など、「基礎的なもの」を向上させることに専念した。 現在は、応用情報学部情報マネジメント学科に通う現役の4年生。卒業に向けては、あと4つの単位と卒論を書くだけだ。もちろん卒論はゴルフ関連で書く予定。「ゴルフ場の統計とか・・まだ決めてないですけどね」。 ...
2007/04/12GDOEYE

さすがの古閑美保もショック!女子プロをやっつけるにはこれが一番?

「あんまり撮らないでくださいよ、今、顔ボロボロだし・・」。ライフカードレディスのプロアマ日、地元熊本に帰ってきた古閑美保だが、そのテンションは異様に低い。「だって、いい事無いんだもん。人生初めて、こんなに落ち込んでいるのは・・」。いつもは明るい古閑だが、この日は話せば話すほど、話題はどんどん暗くなった。 女子ゴルフ界への注目を示すかのように、今度は古閑が週刊誌の餌食となった。過激な見出しが電車の中吊りに踊る。誰に対しても壁を作らずオープンに接してきた、その足元をすくわれた形だ。「週刊誌って、怖い・・」。吐き出すように、言葉が漏れた。 念の為、いくつかの事柄について確認してみる。「彼氏ですか?い...
2007/04/20GDOEYE

兄妹で目指す予選突破!ツアー初出場の中学生・森美穂

「私のドライバーを、福嶋さんがアイアンで越えて行ったのにはびっくりしました」。今大会がプロトーナメント初出場となる14歳の森美穂は、1番ホールで3Iを使った福嶋晃子のティショットに度肝を抜かれた。 「でも飛距離は仕方ないので、マイペースで行こうと思って」という森は、その後は中学生らしからぬ落ち着いたゴルフを見せる。15番ホールまで2バーディ2ボギーのイーブンパー。だが16番で1mに寄せたパーパットを外してボギーとすると、「あれで集中力が切れちゃった」と、続く17番18番も連続ボギーとしてしまう。結局、この日は通算3オーバーの56位タイ。「いいペースで来ていたのに、最後の3ホールで3オーバーなん...
2007/04/08GDOEYE

クラブハウス前に並ぶ、長蛇の列の正体は!?

選手が次々とホールアウトするお昼過ぎ。クラブハウス前には、長々と連なるギャラリーの列。かなり幅広な通路なのにも関わらず、次々と押し寄せる人波で歩くこともままならない。実はコレ、選手にサインをもらうためにファンが順番待ちをしているのだ。 「土地柄なのでしょうね。この大会は、サイン待ちの方の人数がすごいんですよ」と苦笑するのは、人員整理をするスタッフ。なるほど、私も人垣をかき分けていると、「サイン書いて貰ったんだけど、コレ何て読むの?」と足止めを食らうこと計3回。名前も顔も知らないが、何はともあれサインが欲しい。そんなファン魂が凝縮したような、ものすごい熱気に包まれていた。 となれば当然、選手たち...
2007/04/07GDOEYE

世界を舞台に戦うアマチュア、宮里美香の魅力

今年の「スタジオアリス女子オープン」には、将来性豊かな4名のアマチュアが参加。その内、若林舞衣子(18)と宮里美香(17)のレギュラーツアー出場経験豊かな2名が、見事に予選を突破した。 先にホールアウトした宮里に話を聴こうとしたが、サイン攻めにあっていたため横で待機。すると、お年を召した夫婦らしき2人が宮里に歩み寄ってきた。聞けば、宮里の(母方の)祖父の兄弟夫婦だという。年齢を伺うと、ともに85歳という元気な返事。兵庫県の加古川に在住しており、開催コースが近かったため、初めてトーナメント会場に訪れたという。 父・隆さんと母・洋子さんを含め、この日は4人の心強い応援団がついていた宮里。初日を終え...
2007/04/21GDOEYE

緊張の中でどう戦うか? 優勝争いに絡む佐伯三貴

川奈の上がり3ホールは、いずれも印象深いレイアウトだ。16番パー5は、左手に海が迫り、風を間違えるとOBの危険もあるが、480ヤードと短いためバーディ以上が期待される。17番パー3は、砲台状の小さなグリーンを狙うのだが、ティとグリーンで風の向きが真逆になっている場合があるなど、特に風の計算が難しい。そして最終18番は、フェアウェイが右に傾斜し、グリーン手前にあごの高いバンカーが待ち構えるタフなホール。 フジサンケイレディス2日目、2アンダーからスタートした東北福祉大4年の佐伯三貴(22)は、16番の3打目を50cmに寄せてバーディとし、5アンダーにスコアを伸ばした。17番グリーンではまだ前の組...