2002年 WGC NECインビテーショナル

タイガーが猛追!首位から2打差の4位タイで最終ラウンドへ突入!

2002/08/25 09:00
優勝圏内のタイガー・ウッズ

第3ラウンドはタイガー・ウッズの猛烈な追い上げで一時は湧きに湧いた。前半3バーディ、1ボギーでスコアを2つ伸ばしたタイガーは、後半に入ると10番、12番、13番、15番でバーディ。この時点でトータル10アンダーとし、首位に並んだ。しかし、17番パー3はティショットをグリーン左のバンカーに入れ、ボギー。18番パー5でもティショットを左に曲げ、2打目をラフからレイアップ。3打目はグリーンをオーバーし、第4打のチップショットは寄らずじまいでボギーとなり、今日4アンダー67、トータル8アンダー4位タイで3日目を終えた。

「17番は自分のカンを信じられず、つまらないプレーをしてしまった。18番はティショットで振り急ぎのようなフックが出て、(第3打も)ひっかけ気味になってしまった。おまけに寄せワンでパーを拾うこともできなかった」と、終盤のミスを冷静に分析するタイガー。それでも、「今日は全体的にいいゴルフができた。明日、優勝を狙える位置に戻ったよ」と、大会4連覇への意欲を見せた。

首位で最終日を迎えることになったのは、前日からのトップの座を死守したロバート・アレンビーと今日5打伸ばしたクレッグ・パリー。前半で2つスコアを伸ばしたパリーは、後半もチャンスを逃さぬステディなゴルフで3バーディ。今日5アンダー66、トータル10アンダー。昨日、ニューコースレコード63をマークしたアレンビーは、出だしから2連続バーディで12アンダーまでスコアを伸ばしたが、4番ホールでダブルボギー、9番ホールでボギー。しかし、後半は1つスコアを戻し、今日イーブンパー71、トータル10アンダーを維持して首位タイにとどまった。「明日はアグレッシブに攻めるしかない。最低でも5アンダーで回らないと勝てないだろう」と抱負を語るアレンビーは、きわめて攻撃型のプレーヤー。同時にプレーオフをことごとく制してきた"プレーオフ男"としても知られている。混戦が予想される最終日、最大の注目はタイガーとアレンビーになりそうな気配である。

単独3位には先週から好調続きでギャラリーからの人気もうなぎ上りのフレッド・ファンク。タイガーと並ぶ4位タイグループにはアーニー・エルス、マット・ゴーグル、ジム・フューリック、そして昨日首位タイだったスティーブ・ローリーがつけている。

丸山の追い上げに期待したい

日本勢3人の中で今日スコアを伸ばしたのは丸山茂樹のみ。1アンダーからスタートした丸山は2番ホール、10番ホールでバーディ。続く11番ホール(パー5)では何としてもイーグルを取りたいところだったが、2オンに成功しながら痛恨の3パットでパー。それ以降もスコアを伸ばせないまま、今日2アンダー69、トータル3アンダー21位タイで3日目を終了した。「11番の3パットが‥‥何をやってんだろうって感じですよ。9メートルぐらいで、しかも下からだったのにね。でも今日はピンの位置が難しい。(グリーンを外したら)ボギーが出ちゃう」と語った丸山だが、今日のノーボギーのラウンドはショットの冴えとアプローチの良さを物語っている。

ちなみに、この大会の初日から3日目までの平均飛距離ランクで丸山は3位(288.7Y)。ところが、ストロングヒッターであるはずのタイガーは72位(259.7Y)。ドライバーが振れない、曲がる、フックが怖いという悩みのせいで、猛追をかけたタイガーのドライバーショットは実はあまり火を吹いていないと言える。

伊沢利光はなかなかバーディが取れぬまま、6番、15番、17番でボギー。終始我慢の1日となったが、最後の最後に18番ホールでバーディパットを沈め、やっと笑みがこぼれた。今日2オーバー73、トータル2アンダー27位タイと順位を下げた。「それほど近いバーディパットもなかったので、まあ入ればラッキーという気持ちでやっていた。パッティングは良くなっているので一安心です。貯金がずいぶん減ってきたので(貯金を)増やさないとね」。佐藤信人は今日73、トータル10オーバー68位タイ。「ピン位置が難しいとか、そういうことを考える状況じゃないです、僕の場合は。でも、今日はこの3日間の中で一番マシだった。芯を食ったショットもいくつかあった。明日はハーフでもいいからアンダーを出してみたいです」

その佐藤は明日9時30分に10番ホールからスタート。伊沢は8時20分、丸山は9時から1番スタート。最終組はクレッグ・パリー、ロバート・アレンビーフレッド・ファンクとなっている。

レポート&写真:BEYONDSHIP

あまりにも大勢のギャラリーで最終ホールのスコアボードが見えない
18番で惜しくもイーグルパットを外してしまったロバート・アレンビー
16番では2打目を大きく左に曲げてしまい、ブッシュ間際からのアプローチは寄らず、ボギーとしてしまった
1997年の日本オープンを始め世界中で18勝しているクレイグ・パリーだが、USPGAツアーでの初優勝を狙う。
タイガーをぴったりマークするアーニー・エルス
イーグルのあとに3連続ボギーのフィル・ミケルソン。まだ諦める位置ではない
レティーフ・グーセンは3つ落として、首位と4打差に下がった
2バーディと伸び悩んだ印象の丸山だが、順位は34位から21位に上昇。前日5つ叩いたボギーホールは全て克服。最終日の巻き返しに期待がかかる
思い通りのショットが出ず、ふてくされ気味の伊沢利光。キレずに耐えて3ボギーで抑えた。そして、最終18番で唯一のバーディを奪い、最終日につながるフィニッシュをした

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