E.エルスが大逆転勝利!A.スコットは悪夢の4連続ボギーフィニッシュ
◇海外メジャー◇全英オープン最終日◇ロイヤルリザム&セントアンズ(イングランド)◇7086ヤード(パー70)
アーニー・エルス(南アフリカ)が10年ぶりのメジャー制覇を成し遂げた。4日間で最も強い風が吹き荒れた最終ラウンド。5アンダーの5位タイから出たエルスは前半アウトで2つスコアを落としたが、インで4バーディを奪う猛チャージで「68」をマーク。通算7アンダーにスコアを伸ばしてホールアウトすると、11アンダーの首位から出たアダム・スコット(オーストラリア)が、15番から4連続ボギーを叩いてフィニッシュする悪夢の展開で通算6アンダー。エルスが1打差で2002年の同大会以来のメジャー通算4勝目を飾った。
タイガー・ウッズは、6アンダー4位から出たが、前半6番でトリプルボギーを叩くなど苦しみ「73」。ブラント・スネデカーと並び通算3アンダーの3位タイでフィニッシュした。2アンダーの5位タイにグレーム・マクドウェル(北アイルランド)とルーク・ドナルド(イングランド)の地元勢が入った。
決勝ラウンドに進出した日本勢、藤本佳則は通算7オーバーの54位タイ、武藤俊憲は11オーバーの72位タイで4日間の戦いを終えている。
<エルス、10年ぶりのメジャー優勝も控えめに>
4日間で一番強い風が吹いた最終日、優勝争いは我慢比べの様相を呈してきた。通算11アンダーで首位からスタートしたアダム・スコットが、前半2つ落として9アンダーで折り返しても、それに迫る選手はいない。
通算5アンダーからスタートしたアーニー・エルスだが、前半は2ボギーをたたいて通算3アンダーで静かにターン。しかし、後半が圧巻だった。10番のバーディを契機に、12番(パー3)、14番と立て続けにバーディを奪う。通算6アンダーとして、じわじわとリーダーズボードを登り始めた。最終18番で4mほどのバーディパットを沈めると、グリーンを取り巻いたギャラリーからは大歓声が沸き起こった。
ひと足先にホールアウトしたパッティンググリーンで優勝を知ることとなったエルス。「終わったあと、アダムに会ったら彼は大丈夫そうだった。でも彼に、こんなことになって心が痛むと言ったんだ。自分も同じ立場になったことは何度もあるし、君ならすぐに立ち直れる。引きずってはいけないと言った。彼はまだ32歳と若いし、あと10年でまだたくさんのメジャーを勝てるはず。自分は(42歳でメジャー)4勝だけど、彼はそれ以上勝てるだろうね」。エルスは、自分の優勝以上にスコットのことを気遣った。
この優勝で世界ランクは15位へと浮上を果たし、すべてのメジャー大会で最低5年間の出場権も確保した。上位選手が伸び悩む中、サンデーバックナインの4アンダーで優勝をさらったビッグ・イージーが、その攻撃的なゴルフとは対照的に穏やかにほほ笑んだ。