2012年 全英オープン

E.エルスが大逆転勝利!A.スコットは悪夢の4連続ボギーフィニッシュ

2012/07/23 02:26
10年ぶりにメジャー優勝を果たしたビッグ・イージー。「クレイジーな試合だった」と振り返った。

◇海外メジャー◇全英オープン最終日◇ロイヤルリザム&セントアンズ(イングランド)◇7086ヤード(パー70)

アーニー・エルス(南アフリカ)が10年ぶりのメジャー制覇を成し遂げた。4日間で最も強い風が吹き荒れた最終ラウンド。5アンダーの5位タイから出たエルスは前半アウトで2つスコアを落としたが、インで4バーディを奪う猛チャージで「68」をマーク。通算7アンダーにスコアを伸ばしてホールアウトすると、11アンダーの首位から出たアダム・スコット(オーストラリア)が、15番から4連続ボギーを叩いてフィニッシュする悪夢の展開で通算6アンダー。エルスが1打差で2002年の同大会以来のメジャー通算4勝目を飾った。

タイガー・ウッズは、6アンダー4位から出たが、前半6番でトリプルボギーを叩くなど苦しみ「73」。ブラント・スネデカーと並び通算3アンダーの3位タイでフィニッシュした。2アンダーの5位タイにグレーム・マクドウェル(北アイルランド)とルーク・ドナルド(イングランド)の地元勢が入った。

決勝ラウンドに進出した日本勢、藤本佳則は通算7オーバーの54位タイ、武藤俊憲は11オーバーの72位タイで4日間の戦いを終えている。

後半の4バーディで大逆転!10年ぶりのメジャー優勝を飾ったアーニー・エルス

<エルス、10年ぶりのメジャー優勝も控えめに>

4日間で一番強い風が吹いた最終日、優勝争いは我慢比べの様相を呈してきた。通算11アンダーで首位からスタートしたアダム・スコットが、前半2つ落として9アンダーで折り返しても、それに迫る選手はいない。

通算5アンダーからスタートしたアーニー・エルスだが、前半は2ボギーをたたいて通算3アンダーで静かにターン。しかし、後半が圧巻だった。10番のバーディを契機に、12番(パー3)、14番と立て続けにバーディを奪う。通算6アンダーとして、じわじわとリーダーズボードを登り始めた。最終18番で4mほどのバーディパットを沈めると、グリーンを取り巻いたギャラリーからは大歓声が沸き起こった。

ひと足先にホールアウトしたパッティンググリーンで優勝を知ることとなったエルス。「終わったあと、アダムに会ったら彼は大丈夫そうだった。でも彼に、こんなことになって心が痛むと言ったんだ。自分も同じ立場になったことは何度もあるし、君ならすぐに立ち直れる。引きずってはいけないと言った。彼はまだ32歳と若いし、あと10年でまだたくさんのメジャーを勝てるはず。自分は(42歳でメジャー)4勝だけど、彼はそれ以上勝てるだろうね」。エルスは、自分の優勝以上にスコットのことを気遣った。

この優勝で世界ランクは15位へと浮上を果たし、すべてのメジャー大会で最低5年間の出場権も確保した。上位選手が伸び悩む中、サンデーバックナインの4アンダーで優勝をさらったビッグ・イージーが、その攻撃的なゴルフとは対照的に穏やかにほほ笑んだ。

来週にはオリンピックが開幕するが、やはりイギリスではこちらのほうが落ち着く?
11番のFWの左にあるゴースに打ち込んだマクドウェル。結局ボールは見つからずに打ち直し。ここで優勝争いから完全に脱落した
「75」を叩き撃沈。トラブルショットが目立った
ティショットをグリーンの右側まで運んでバーディ。セベが優勝した当時、ここには駐車場があった
初日に続き最終日も「65」でプレーして一気に順位を上げた(7位タイ)。
11番ではティショットを右に曲げて、ギャラリーの歩くラフから打った。もみくちゃにされても、ボールに集中している
最終日は同組でプレーした2人。あわせて全英5勝という豪華な組は、午前10時半にはホールアウトしていた
順位は3位タイだったが、最終日に崩れた感は否めない。まだメジャーを戦えるまでには復調していないのだろうか
日曜までプレーして、小さな巨人はこの1週間でさらに成長したのではないだろうか
最後に順位が逆転したのは、72ホール目の18番ホールだった。本当に最後まで何が起こるか分からないということを思い知らされた

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