<佐渡充高の選手名鑑 92>セルヒオ・ガルシア
■ 元祖ティーン・センセーションから円熟の33歳に
19歳でツアー初優勝を飾ったジョーダン・スピースの躍動を見ていて、僕は1999年5月13日、テキサス州ダラスで米ツアーデビューした19歳のセルヒオ・ガルシアの姿を思い起こしていた。記念すべきファーストショットの直前に、史上初のグランドスラムを達成したレジェンド、ジーン・サラゼンが97歳で逝去という衝撃の報せを受けた。サラゼン氏と最後に会ったのは1996年のフロリダだった。その日、いろいろな思いが交錯するまま、ガルシアのプレーを見守った。偉大なツアーの重鎮が去り、入れ替わるようにガルシアがツアーに登場し、初戦でいきなりの3位フィニッシュ。あの日から数えて、今季は14年目のシーズン。エルニーニョ(男の子)の愛称で親しまれてきた彼も、今では33歳の立派なセニョール。少々やんちゃなところはあるが、母国スペインのセベ・バレステロス、ホセ・マリア・オラサバルの次代を担う存在として、期待通りの躍動感あふれるプレーを続けている。
■ 新恋人はウェールズ人のビジネスウーマン
ガルシアと言えば、華やかな恋の遍歴で芸能ニュースをも賑わせてきた。これまでテニスの元世界女王マルチナ・ヒンギス、米国の女優ジェシカ・アルバとデートしていた時期も。その後、グレッグ・ノーマンの長女モーガン・レイと交際。彼女はガルシアの実家でおふくろの味を伝授されるなど結婚は間近!?と思われたが2010年に別離。そのショックで成績も一気に落ち込んでいたが、2011年10月に地元スペインで行われたヨーロピアンツアー「カスティーヨ・マスターズ」で2位に11打差の圧勝で優勝を飾った。グリーンサイドには新恋人の二コル・ホレックスの姿があった。彼女は英国ウェールズの生まれで、米国大手コンサルティングファームのロンドン支店マネージャーを務めるビジネスウーマン。仕事の合間を縫って、試合にも同行するなど交際は順調の模様だが、果たしてこの恋の行方はどうなるだろうか?
■ ガルシアはパットの名手!視力回復手術で絶好調
今季は優勝こそないものの、好調なシーズンを送っているガルシア。トップ10に4回、今季、米ツアーでのベストフィニッシュは3位タイ、4大メジャー全てで予選通過を果たし、その中のベストはマスターズの8位タイだ。好調の理由は視力回復手術の効果で、グリーンのラインがクリアに見えるようになったこと。「以前より鮮明にラインが見えるようになりクリアなイメージを描けるんだ」と大きな違いがあると本人は強調する。今季はパットのランキング3位と上位を維持。長年パットに苦しんできたが、ウィークポイントの改善で、ひと味違うガルシアの活躍に注目したい。