長尺パターに替えて“シェフラー的なシーズン”を送るかもしれない30歳プロ

2025年 リコ・ホイ
長尺パターがリコ・ホイのシード喪失危機を救った(Getty Images)

ドライブ・フォー・ショー、パット・フォー・ドー(ドライブは見せ物であり、パットで稼ぐ)。これは、素晴らしいショットの一日をパットのミスで台なしにした際に、ゴルファーであれば誰もが耳にしたか、あるいは口にしたことのある有名なゴルフの格言である。

これは30歳のリコ・ホイ(フィリピン)による、ストローク・ゲインド・パッティング(パットのスコア貢献度)で最下位に沈んだ2025年のレギュラーシーズンをギュッとひとまとめした言葉でもあった。シーズンを通じてグリーン上で70ストローク以上を失い、フェデックスカップランキングはトップ100圏外に。最高峰のカテゴリーでのわずか2年目にしてPGAツアーカード(シード権)を喪失する危機に瀕していた。

しかし驚くべきことに、下部コーンフェリーツアーへの降格寸前であったにもかかわらず、ツアーにおいてティからグリーンにかけてのスタッツでホイを上回ったのは、スコッティ・シェフラーただ一人だったのである。ホイはストローク・ゲインド・ティ・トゥ・グリーン(ショットのスコア貢献度)で年間最優秀選手に次ぐ2位にランクインしたほか、ツアーのトータルドライビングとパーオン率でも2位に入った。仮に、パターで平均的なパフォーマンスを発揮することができていたならば、これは脅威のコンビネーションとなっていたことだろう。

シェフラーはこのレシピに精通している。2勝を挙げた2023年、7勝を重ねた24年とストローク・ゲインド・パッティングでは77位を上回る成績を残せていない。一方、ホイはわずか2度のトップ10入りをマークするにとどまり、フェデックスカップのプレーオフ行きを逃している。「チャールズシュワブチャレンジ」からレギュラーシーズン最終戦の「ウィンダム選手権」までの7大会で、ホイは3大会以上連続して同じパターで出場したことはなく、ほぼ毎大会パターのモデルを変更していた。

ブルームスティック型(長尺)パターを導入したのは正にこの時期であり、ホイはキャディのブライアン・マーティン、パッティングコーチのマーカス・ポッターと共に問題解決に取り組んだ。

ホイはフェデックスカップ・フォール(秋季シリーズ)の「ユタ選手権」にて、「タイトリストや、そのほか多くの会社にブルームスティックを送ってもらうよう頼んだんだ。家に届いてみると悪くない感じだったので、オフだった1カ月の間に試してみた。そうしたら、最初の2週間で2つのコースレコードを更新することになったんだ。僕は“いいね、これで決まりだ”という感じだった。それ以来、これは最高だね。僕によく合っている。とにかく、これでさらに練習を積もうと思っている。まだ、取り組み続けなければならないことがあるけれど、これまでのところ最高だね」と述べた。

ホイは秋季シリーズの初戦となった「プロコア選手権」にて、スコッティキャメロン「ファントム11R OC(オンセット・センター)ロングツアー」のプロトタイプパターを初めて実戦投入した。長さは45インチで、前傾角は1度、ロフト角は3度にセットされていた。

オンセット・センターとは、パターのシャフト位置を意味しており、シャフトはパターヘッドのリーディングエッジ後方(オンセット)で重心位置と一直線になる位置(センター)に装着されている。このツアーでも実証済みのセットアップは、トルクを最小限に抑え、パッティングストロークを単純化するため、フェースローテーションを最小化し、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ打ち出すストロークを望むプレーヤーに最適となる。

ポッターはPGATOUR.COMに「我々は、短いパターでは彼の体のラインをスクエアに合わせるのに苦労していた。それにより、ストロークが大きく変動してしまい心地良くパットできなくなっていたんだ。長尺パターのセットアップは瞬時にこれをクリアにして、ストロークの再現性も上がった」と述べた。

「(必ずというわけではないけれど)優れたボールストライカーは、パッティングやショートゲーム全般で必ずしも良いとは言えない動きをしていることが多いんだ。それだけに、彼らの最大の強みを阻害することなく、ストロークやセットアップを身につけさせるのは、大きな課題となるんだよ」とポッター。

現時点では、問題はまだ完全に解決したわけではない。秋季シリーズを通してグリーン上でのストローク・ゲインドがプラスの成績だったのは、13ラウンド中6ラウンドにとどまった。とは言え、レギュラーシーズン全体では、65ラウンド中わずか16ラウンドだったことを考えると、これは劇的な進歩と言えるだろう。

「(ブルームスティックパターへの変更後)4週で3度のトップ10入りは、僕にとって信じられないくらい素晴らしいこと。だから、僕は自分の向かっている先に大満足しているんだ」とホイ。

シード確保の当落線上で冷や汗をかいたホイは、パッティングが改善したことで、フェデックスカップランク54位と躍進を遂げた。新年はで「AT&Tペブルビーチプロアマ」と「ジェネシス招待」の出場権を獲得し、シグニチャーイベントに照準を合わせるまでになった。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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