キャリアグランドスラムへ最後の壁 「マスターズ」とマキロイの関係
By Sean Martin, PGATOUR.COM
2014-15年シーズンの「マスターズ」でキャリアグランドスラム達成の可能性があるロリー・マキロイ。だが、そうなるには、彼を苦しめ、プロとして最も悔やまれる瞬間の舞台となったコースの克服が必要だ。
オーガスタナショナルでの大会に向け、完璧ともいえるプレーをしているかに見えるマキロイ。彼のように距離を稼げるドローヒッターはオーガスタのフェアウェイを攻めるには最適で、パー5のホールでは特に有利だ。彼はシーズン最初のメジャー大会で、ここ4年はそれぞれ優勝争いに絡むなど出だしは好調だが、それと同時に最悪な1日か2日のラウンドで後退してきた。過去4年の「マスターズ」では、「77」かそれ以上のバッドスコアを記録しているのだ。
初めての「マスターズ」となった2011年大会では2位に4打差を付けて最終日を迎え、優勝するチャンスも十分にあったが、「80」の大叩きというまさかの結果に。この挫折体験は、2カ月後の「全米オープン」制覇への発奮材にはなったが。
以下は、オーガスタナショナルでのマキロイの成績だ。唯一、このコースだけがマキロイとキャリアグランドスラムの間に立ちはだかっている。
2009年/通算2アンダー 20位タイ 72-73-71-70=286
19歳で「マスターズ」初出場を果たしたマキロイ。この年の初めにはすでに「ドバイデザートクラシック」でプロ初タイトルを獲得し、公式世界ゴルフランキングでは17位に入っていた。彼にとって、この年の「マスターズ」はプロとして初めて迎えるメジャー大会でもあった。「マスターズに出場するのは僕の長年の夢だった。その夢がついに叶うなんて、すごく特別な気分だね」と、マキロイは語っていた。
マキロイは2日目、パー5の13番でイーグルを奪取して4アンダーとし、優勝争いに加わった。だがそのあとには、劇的な後退と失格スレスレの出来事が待ち受けていた。彼はパー3の16番を4パットとしてダブルボギーを叩き、最終ホールではサイドバンカーからの脱出に2打を要してトリプルボギーに。上がり3ホールだけで5オーバーとした彼は、6位から予選カットライン上まで転落した。そしてあとがない状態で、決勝ラウンドに駒を進めたのだ。
マキロイはかろうじて予選は突破したものの、この日はさらに失格の危機に見舞われた
彼は18番で打った最初のバンカーショットの後で、(バンカーの)砂を蹴ったように見えたのだ。その時、彼のボールはまだハザード内にあったため、(蹴ったか否か)その表面を調べる必要性が生まれた。大会委員会はマキロイに違反行為がなかったという声明を発表する前に、4時間の議論を交わし、午後8時を過ぎてからマキロイをコースに召喚した。マキロイはすでにスコアカードに署名をしていたため、場合によっては失格のペナルティを課される可能性もあったのだ。
そんなマキロイは最終ラウンドで猛チャージをかけ、トップ25位内でフィニッシュ。15番から17番を含む最後の10ホールだけで6バーディを奪い、「70」でホールアウトした。
イーグル:1(第2ラウンドの13番)
バーディ:14
ボギー:7
ダブルボギー:2(第2ラウンドの16番、第4ラウンドの6番)
トリプルボギー:1(第2ラウンドの18番)
フェアウェイキープ:24位タイ/56ホール中41ホールで成功
パーオン:39位タイ/72ホール中43ホールで成功
パット数:5位タイ/110