首位タイ発進のM.レアード 「今はゴルフを楽しめている」
By Sean Martin, PGATOUR.COM
先週の「フライズドットコムオープン」で優勝を逃したマーティン・レアードは、自身に腹をたてていた。だが、その時の怒りは、TPCサマリンで開催された「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」初日のプレーで、綺麗さっぱり拭えたようだ。
2009年の同大会でPGAツアー初優勝を飾ったレアードは、翌年も2位とするなど、このコースと相性が良い。初日には全18ホールでパーオンし、「64」の7アンダーで、スチュワート・シンクと首位に並んだ。
「何も考えず、アグレッシブにプレーすることが好きだ。それが自分のスタイル。出来るだけドライバーで打ちたいし、このコースではそれが可能」と語ったレアードは、「このコースに着いて、良い結果を残せたことを思い出したら、先週の結果は忘れて、目の前のプレーにだけ集中できるようになった」と、続けた。
レアードは、TPCサマリンでプレーした19ラウンド中15ラウンドで「70」を切っている。
昨シーズンは苦しい時期が続いたが、今季開幕前の2大会で続けてトップ15に入るなど、復調の兆しが見えた。「バラクーダ選手権」での6位タイは、昨シーズンで唯一のトップ10となった。
フェデックスカップのプレーオフシリーズ出場こそ逃したものの、2014-15シーズン開幕後は成長の跡を見せている。「フライズドットコムオープン」では2日目を終えて単独首位に浮上。その後2日間を「71」とし、3位タイでフィニッシュした。
「3位で終えられたわけだから、良い週だったということ。ベ・サンムンは素晴らしいプレーをしたけれど、もし自分のアベレージプレーができていたら、勝っていたのは僕だった」とレアード。
開幕から5ラウンドを終えた時点で、レアードはツアーベストとなる通算19アンダー、平均「68.0」ストロークという数字を記録。5ラウンド中3ラウンドで「67」を切っている。
「何よりも、今はゴルフを楽しめている」と話したレアードは、今年の7月に指導者のマーク・マッキャンと再びタッグを組んだ。「去年はまったくプレーを楽しめていなかったから」と、現在の充実ぶりを語った。
■シンクは今季初戦で好スタート
スチュワート・シンクは、今季初戦でどういう結果になるかまったく予期していなかったという。それが初日に7バーディ、ノーボギーの「64」と、PGAツアーでのキャリアベストとなる数字を残し、首位タイに立った。
「キャディには、『今日のようなプレーを毎日できたら完璧なんだけどな』と話したけれど、それは不可能かな」と、シンク。
昨シーズンのフェデックスカップランキングは80位。出場した25大会中21大会で予選を通過したが、トップ10入りは逃した。シンクは、大会序盤のラウンドこそ好スコアを記録しながら週末に伸ばせなかった昨シーズンを「あと一歩」と形容した。
「自分のミスで優勝争いから後退させてしまった。そういうケースが多過ぎた」とは、本人の言葉だ。
TPCサマリンで優勝を手にするには、プレーヤーは4日を通してロースコアを記録しなければならない。昨シーズンの同大会では、J.J.ヘンリーが初日に「60」台を記録したが、残り3ラウンド中2ラウンドでしかアンダーパーを出せず、15位タイに終わった。
シンクは、「たった1ラウンド良かったからといって、残りのラウンドで余裕を持ってプレーするわけにはいかない」と話し、気を引き締めている。
■復帰のライルは好調を維持
ジャロッド・ライルは、推薦資格を得て「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」に出場している。先週の「フライズドットコムオープン」に続き、2014-15シーズン2大会目となったライルは、ここ2年間、再発した急性骨髄性白血病と闘い、見事に克服してツアー復帰を果たした。
月曜の予選を勝ち抜いて出場した前週のPGAツアー復帰初戦を31位タイとすると、今大会初日は「66」の5アンダーを記録するなど、好調を維持している。
「ルーキーに戻ったみたいな感覚。この2年はツアー選手の姿をテレビでずっと見ていたから、彼らに初めて会うような感じがしている。2年半前は仰向けに寝ていた自分が、また歩けるようになって、ゴルフをプレーして、バーディを取れているのだから、こんなに嬉しいことはない」と、コメント。
そんなライルは、先週の予選を勝ち抜けたことが大きかったと言う。
「4日間プレーすることが目標だった。まず1大会プレーできたから、良かったよ。色々と正しい方向に進んでいる。自分の目標はシンプルだからね。ただ、自分で目標を達成できることが最高なんだ」。
ライルは今大会終了後オーストラリアに帰国し、2015年は2月「ファーマーズインシュランスオープン」から参戦予定となっている。
■「59」まであと一歩
過去に「60」を切ったことのある選手にとっても、「59」というスコアを出すのは至難の業。ラッセル・ノックスは、2013年7月のウェブドットコムツアー大会で「59」を記録したことがあった。
パー「71」のTPCサマリンで開催されている今大会初日では、11ホールを終えた時点で7アンダー。それから2ホール続けてバーディチャンスを得るも、どちらもパーで終え、ラスト5ホールで1オーバーと後退し、「59」達成を逃した。
ノックスは、「自分に失望した。ナーバスになっていたし、先のことばかり考え過ぎていた。ラウンド中は『ばかげている。これは初日のラウンドなんだぞ。目の前のことに集中しろ』と、自分に繰り返し言い聞かせていたのに」と、ラウンド後にコメント。
首位タイに立ったレアードとノックスは、PGAツアーメンバーとなるまでに似た道のりを辿っている。どちらもスコットランドで生まれ育ち、大学ではオールアメリカンに選出された(レアードはコロラド州立大、ノックスはジャクソンビル大)。両名ともに、アメリカでランキングを上げ、現在の地位を手にした。
ノックスは昨シーズンのフェデックスカップランキングで、キャリアベストとなる40位に入り、「ザ・ホンダクラシック」では、プレーオフの末に優勝を逃したが、堂々の2位入賞を果たした。
今大会には過去に2度出場し、昨年は30位タイ、そして2012年には13位という成績を残している。前回大会では、3日目を終えて5位タイとしたが、最終日に「73」と崩れた。
■予選会通過組のサプライズ
月曜の予選を勝ち抜いたウェス・ローチは、10番ホールから初日をスタートさせると、フロント9で8バーディ、1ダブルボギー(12番)とし、「30」の6アンダーに到達するも、バック9ではバーディを1つも奪えず、2オーバーとしスコアを伸ばせなかった。
ローチは、「意識がないような状態でプレーしていた。それなのに、後半は少しだけ目が覚めてしまったかな」と、語った。