2013年 ISPSハンダ W杯ゴルフ

2014年限りで第一線を退くキャディのウィリアムス

2013/11/25 10:21
35年のキャディ人生でスコット(右)ら多くの名手を導いたウィリアムス氏(Dodge/Getty Images)

アダム・スコットのキャディを務めるスティーブ・ウィリアムスは、来季をキャディとしてフルシーズン働く最後のシーズンにしようと計画している。レイモンド・フロイドグレッグ・ノーマン、そしてタイガー・ウッズのバッグを運んだ35年のキャリアはゆっくりと終わりに向かう。

12月下旬に50歳の誕生日を向かえるウィリアムスは土曜日、スコットがプレーする「ISPSハンダワールドカップ」の舞台ロイヤルメルボルンで、今年の「マスターズ」覇者と共に戦うフルシーズンは2014年が最後になると話した。

2015年以降は、3月のフロリダから9月の「ツアーチャンピオンシップ by コカ・コーラ」までの6、7ヶ月間のみ、キャディとして仕事をする。そうすることによって、故郷のニュージーランドで趣味のカーレースを楽しむことができる。

ウィリアムスはウッズのキャディを12年間を務め、13度のメジャー大会優勝に貢献した。ウッズは2011年にウィリアムスを解雇した。

「ゴルフが好きな人にとっては夢のような仕事のひとつだけど、僕にとって死ぬまでやり続けたいことではないんだ」。ウィリアムスはAP通信の取材に対しこう話した。

「アダムとの仕事はとても楽しく、さらなる成功を収めたいと思っている。シーズンの半分だけキャディの仕事をすることを楽しめるとしたら、もう5年頑張るよ。もし楽しめなかったら、そのときはまた考えなければならないね」。

代わりにウィリアムスは、ニュージーランドでスーパーサルーンとサルーンカーに乗り、カーレース(編注・ツーリングカーレース)を楽しむ時間を増やすことになる。

「僕はカーレースへの情熱をずっと持ち続けていたし、冷静に考えると、トップレベルでドライブできるのはあと4、5年くらいしかないんだ」。

「タイガーがプレーしなかったシーズンが1度あったけど、その年は僕にとって最も成功を収めたシーズンのひとつだったんだ」。

もうすぐ50歳を向かえるウィリアムスは今も体型を維持する努力を怠らず、毎日トレーニングを欠かさない。

「オフの週にはニュージーランドに帰るから移動が多いんだ」とウィリアムス。「スピードウェイで、大半が自分より若い人たちと戦うには、体のキレを維持していなくてはいけないんだ」。

1999年から2011年までウッズと共に成功を収めたウィリアムスは、ゴルフ界で最も有名なキャディだろう。しかし、ウィリアムスの失態により、2人の関係は後味の悪い形で終わった。

2011年11月、上海で行われた「キャディアワード」でのこと。その年の「WGCブリヂストン招待」で新たな雇い主であるスコットとのコンビで優勝し、TVカメラを前に「人生で最高の勝利」と喜びを表現したインタビューで表彰された。

ウィリアムスはその表彰式で、ウッズに向けて人種差別的な言葉を発し、翌週の「オーストラリアン・オープン」でウッズと会った際にすぐさま謝罪した。

ウッズとウィリアムスは今も疎遠であり、ウィリアムスはそんな状況を変えることができればと思っている。

「タイガーと僕は座ってゆっくり話をする必要があると思う」とウィリアムス。「まだその機会はないが、僕はそうしたいと思っている」。

10代前半で「ハンデ2」のプレーヤーとなったウィリアムスは、13歳の時の「ニュージーランド・オープン」で、5度の「全英オープン」優勝を誇るピーター・トムソンのキャディも務めた。ゴルフ界での30年以上に渡るキャリアには満足していると話す。

「長い間、複数の選手と共に仕事をし、その全員と成功を収めたことはとても誇りに思う」。

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