優勝候補番付/ドイツバンク選手権パワーランキング
ザ・バークレイズを制したアダム・スコット(オーストラリア)が、プレーオフ第2戦となるドイツバンク選手権で、連続優勝を達成することは容易ではない。そもそも最終日に最終組から数えて9組前にホールアウトしたスコットが、そのまま優勝した訳だが、これはかなり珍しいケースだったと言える。プレーオフ出場権をキープし続けるため、選手たちはどれだけ良いスコアを残しても満足することはない。TPCボストンでの戦いが幕を明ける。
ザ・バークレイズの上がり4ホールのうちの2ホール(いずれもパー4の15番と18番)は、難度の高いホールのトップ5に揃ってランクインされていた。一方、昨年のランキングによると、今週ドイツバンク選手権が開催されるTPCボストンの15番から18番までの最終4ホール全ては、最も易しいホールランクのトップ7に含まれるそうだ。2011年にウェブ・シンプソンが最終日に「65」という最高スコアをマークした時は、最終組の5組前でホールアウトしていた。彼はプレーオフにもつれ込んだ末に、優勝を手にしたのだった。
TPCボストンは、フェデックスカッププレーオフの中でもスコアが伸びる大会だ。それ事態は特に驚くべきことではない。全長7,216ヤード、パー「71」(36‐35)の平均スコアは「70.647」で、2012年のパー71のコースの中でも4つめに易しいコースだ。フェデックスプレーオフにおけるベストスコアは、シンプソンが記録した15アンダー「269」だが、他の大会では22アンダー「262」という優勝スコアが2度も記録されている。
このコースは、選手たちのスキルを試すようなあからさまなレイアウトではないため、パーで上がってもボギーと感じてしまうほどだ。このダイナミックなコースでは、パターの出来がカギを握る。しかるべき時にパットのフィーリングが合い、カップに向かってしっかり攻める選手が上位にくるだろう。今週の大会は金曜にスタートして月曜(レイバー・デーの祝日)に終わるスケジュールなので、100人の選手たちはコースマネジメントを考える余裕が一日多くある。
気になる天気予報は、週半ばに改めて情報が更新されるだろうが、快晴で乾燥気味、気温は高く、華氏80度が予報されている。吹き抜ける風が暑さを和らげ、リフレッシュさせてくれるだろう。
【パワーランキング】
1、タイガー・ウッズ
フェデックスカップポイント首位のウッズは、「ザ・バークレイズ」では2位タイ。パー4スコアリングでは首位タイだった。ドイツバンク選手権とは相性が良く、通算獲得賞金は2位。2007年は2位タイ、2012年は単独3位、2009、2010年大会では共に11位タイだった。
2、アダム・スコット(オーストラリア)
「ザ・バークレイズ」では最後の24ホールでノーボギー、8アンダーで驚きの優勝を飾った。TPCボストンでの優勝はまだないが、通算獲得賞金で3位につけている。直近の5大会は全て予選を通過し、3大会でトップ10入り。
3、ジム・フューリック
「ザ・バークレイズ」では6位タイ。連続トップ10フィニッシュを続けている。先週のグリーンヒットは4位タイ、パットのスコア貢献率は堂々の首位。直近5回の成績は、3度のトップ10と1度のトップ15入り。
4、フィル・ミケルソン
「ザ・バークレイズ」では6位タイ、グリーンヒットは4位タイ、パットのスコア貢献率は6位だった。最終日は7バーディを奪い「65」でホールアウト。今大会は2007年に優勝、2011年は10位タイ、2012年に4位タイ。
5、キーガン・ブラッドリー
地元の声援を受けた昨年の大会では13位タイ、パーブレイカーで4位タイだった。「ザ・バークレイズ」では33位タイに終わったものの、2日目はノーボギーでコースレコードとなる「63」を記録した。
6、リッキー・ファウラー
過去3度の出場ではトップ40入りが一度もない。しかし直近7大会では6度のトップ25入りを果たしている。「ザ・バークレイズ」では今季5度目のトップ10フィニッシュとなる9位タイに食い込んだ。オールアラウンドでは18位。
7、ジョーダン・スピース
「ザ・バークレイズ」では引き続き力を発揮できず19位タイ。しかしトータルドライビングでは3位、プロキシミティでは首位タイ。失敗を恐れない姿勢で、今大会では良い結果を残すことだろう。オールアラウンドは2位。
8、スティーブ・ストリッカー
右太ももの負傷により2週間のオフから復帰。直近の4大会では「WGCブリヂストンインビテーショナル」の13位タイより悪い成績はない。「全米プロゴルフ選手権」では12位タイだった。今大会では2009年の優勝を含む5度のトップ15入りを果たしている。
9、ザック・ジョンソン
兄弟の結婚式によるオフから復帰。直近の5大会に限ると「全米プロゴルフ選手権」の8位タイより悪い成績はない。しかし過去に5度の出場がある今大会でトップ15入りはまだない。
10、ウェブ・シンプソン
今大会は2011年に優勝争い、昨年は18位。先週の「ザ・バークレイズ」では2日目を折り返した時点で2打差のリードで首位に立っていたが、結果は15位タイに終わった。先週の大会のパットのスコア貢献率は3位だったが、パーオン率は40位タイ。
11、ジェイソン・デイ
「ザ・バークレイズ」では初日に「66」を記録したものの25位タイに終わった。最近出場した5試合では、2日目と3日目が鬼門のようでパーを上回ってしまっている。TPCボストンは5回出場して5度の予選通過、2010年は2位タイ、2011年は3位タイの成績。
12、ロリー・マキロイ(北アイルランド)
ディフェンスチャンピオンとして出場した「ザ・バークレイズ」では19位タイ、アンダーパーを記録したのは大会2日目に8バーディを奪い「65」を記録した一度のみ。試合から遠ざかっていたマキロイは、先週のパーオン率で16位タイ、オールアラウンドで7位だった。
13、ビル・ハース
フォーム修正に時間を割いている。4大会連続トップ25入りを果たして今大会に挑む。「ザ・バークレイズ」ではスクランブル率で首位、ボギー回避率は3位だった。TPCボストンでは5戦して5度の予選通過、2度のトップ25入り。
14、ダスティン・ジョンソン
婚約後、初の試合となった「ザ・バークレイズ」で予選落ち、TPCボストンで巻き返しを狙う。昨年の4位タイを含め、過去に2度の4位タイがある。昨年のオールアラウンドはトップだ。
15、ハンター・メイハン
父となって2試合目の「ザ・バークレイズ」で25位タイ。先週の大会でトータルドライビング、グリーンヒット、パットのスコア貢献率で揃って20位以内に入った。TPCボストンでの過去5戦は全て予選を通過し、2度の15位以内入り。
16、ジェイソン・ダフナー
米国ツアー優勝を果たし、初めて迎えた「ザ・バークレイズ」では通算2アンダー「282」で37位タイ。TPCボストンでは過去4戦で4度の予選通過、2009年には2位タイ、2度の18位タイがある。パーオン率は19位、パー4コース平均スコアは3位タイ。
17、リー・ウェストウッド(イングランド)
昨年、初めて出場したTBCボストンでは13位、パー4コース平均スコアは2位だった。先週の「ザ・バークレイズ」では最終日に「68」を記録して25位タイ。「68」は2月のドバイ以来となる、最終日のベストスコアだった。
18、ロリー・サバティーニ(南アフリカ)
フェデックスカッププレーオフのダークホース。「ザ・バークレイズ」での13位タイを含め、5戦連続トップ20入り。先週の大会ではパーオン率4位タイ、プロキシミティ10位、スクランブル率9位。
19、マット・クーチャー
「ザ・バークレイズ」での最終日は怪我を悪化させてしまい「78」、パーオンはたったの6度しかなかった。54ホールを終えて首位タイに立っていた。TPCボストンでは6度出場してトップ10入りはないものの、25位以内に3度入っている。
20、ルーク・ドナルド(イングランド)
最近出場した6試合で40位以内はわずか1度(WGCブリヂストン9位タイ)のみ。TPCボストンでの巻き返しを図る。この大会の相性は良く、2010年は2位タイ、2011年は3位タイ、出場した5回すべて予選通過。パットのスコア貢献率は2位タイ。