J.スピース史上4番目の年少優勝記録を樹立
「ジョンディアクラシック」最終日は、19歳のジョーダン・スピースがプレーオフ5ホール目でデビッド・ハーンとザック・ジョンソンを振り切り、この82年間では米国ツアー最年少での優勝を達成した。
2週間後に20歳の誕生日を迎えるスピースは、2フィートのパーパットを沈め、ツアーのシード権とFedExカッププレーオフの出場権を手にした。彼はFedExカップにて11位に位置したばかりか、この勝利によりミュアフィールドで開催される「全英オープン」への切符も獲得した。また、この優勝は、1931年の「サンタモニカオープン」でラルフ・ガルダールが達成して以来となる、米国ツアーでのティーンエイジャーによる勝利となった。
「こんなに早い段階で勝てるとは思っていませんでした」と語ったスピースは昨年12月にプロ転向したばかりだ。「目標は立てていましたが、もうその目標は追い抜いてしまいましたね」。
3日目を終えて首位に立っていたダニエル・サマーヘイズから3打差で最終日を迎えたスピースだったが、最終ホールで44フィートのバンカーショットを直接ホールインしてプレーオフへと滑り込むことに成功した。
そのバンカーショットでは2度ほどラッキーなバウンドがあったとはいえ、最終日に素晴らしいラウンドを展開し、自らの力でプレーオフ進出をもぎ取ったと言える。「あの18番のショットは人生で一番ラッキーなショットでした」とスピース。「右に弾んで、ピンに当たり、そのままカップに吸い込まれました。とんでもなくついていましたね」。
プレーオフへ突入すると、スピース、ハーン、そしてジョーダンの3人は4ホール連続でパーとした。そして5ホール目もパーとしたスピースはここでジョンソンとハーンを退けた。
ここTPCデイアランでのタイトル防衛に臨んだジョンソンは、最終日中盤まで手堅いゴルフを見せはしたが、追走する選手たちをかわすにはバーディが足らず、最終18番では、彼らしくないプレーでボギーを叩いてしまったことにより、自らプレーオフという事態を招いてしまった。3選手全員に勝つチャンスが到来したプレーオフ序盤では、最初のホールでグリーン後方からジョンソンの放ったチップショットがカップの縁を嘗めて勝負が決まりかけた。
信じられない光景を前に、ジョンソンは地面を打ち付けた。これがジョンソンの最も優勝に近づいた瞬間だった。「今日はラウンドの後半にチャンスがあったんだ。というのも、本当に良いショットは打っていながら、それを結果に結びつけられなかった」とジョンソン。
ハーンにも米ツアー初勝利を決められるチャンスはあった。しかし、彼はプレーオフ4ホール目で決められる距離のパットを外し、チャンスをふいにしてしまった。「ジョーダンを祝福します。間違いなく、彼はこれから素晴らしいキャリアを築いて行くでしょう。彼はあの年齢でツアーに参戦できる信じられない才能を持った選手であり、これ以上無い早さで成功を手にしています」とハーンは語った。
タイガー・ウッズもフィル・ミケルソンもロリー・マキロイも初優勝は20歳で達成しており、スピースはこれらの選手たちを上回るスピードで初優勝を遂げ、米国ツアーでは歴代4番目の若さでの勝利となった。「ただ幸運なだけですよ。本当にそういうことなんです。でも今はこの瞬間を楽しんでいますし、スコットランドへ行くのに半袖しか持っていないのが心配でもあります」。