「ウェルズファーゴ選手権」最終日/勝者と敗者を分けた“グリーンマイル”
By PGATOUR.COM wire services
1本の電話が彼の予定を変えた。そして1本のショットがデレク・アーンストを大きく変えた。
4人目の代替選手として「ウェルズファーゴ選手権」への招待の電話を受けてから6日後、22歳のルーキーは、首位に1打差という厳しい状況の中、雨風の強い寒いクエイルホローで最も難しい18番ホールのピンまで192ヤード地点にいた。
短めに持った6番アイアンから放たれたドローボールは、最終日に4選手のみがバーディを奪った難所ホールのピンそば4フィートへ運ばれた。
「できるだけ近くに打とうと心掛けたよ」と、彼は語った。
そしてバーディを決めて「70」とし、この日同じく「70」で回ったデビット・リン(イングランド)と並んだ。これは決してまぐれではない。同じ18番ホールで行われたプレーオフ。一層強く降り始めた雨の中、アーンストが3番アイアンで放ったショットはピンそば15フィートに寄り、そして彼は輝かしい勝利を手中に収めた。
この優勝で、アーンストはフェデックスカップポイントを500ポイント稼ぎ、ランキングを196位から一気に32位に引き上げた。
フィル・ミケルソンは、プレーオフに絡むことはできなかった。3ホールを残し1打差で首位に立っていたミケルソンは、16番と17番でそれぞれ6フィートと10フィートのパットを外し痛恨のボギーを叩いてしまった。そして最終18番ホールで20フィートのバーディパットが決まらず、スコア「73」でホールアウトした。
「今日は自分のゴルフをうまくコントロールできたと思っていたんだ。けれど残り数ホールで自らそれを逃がしてしまった。とても残念だね」と、ミケルソン。
今年のクエイルホローはとても興味深いフィナーレとなった。天候と土壌の問題から、グリーンコンディションで何人もの選手がスコアメイクに苦戦した。1週間を通じて太陽が顔をのぞかせることはほとんどなく、5月初旬とは思えないほどの季節外れの寒さはまるで、2月のペブルビーチのようだった。