2013年 チューリッヒクラシック

14歳にして、次なるツアー出場へ向け十分な成熟を見せるグァン・ティンラン

2013/04/24 15:39

By Larry Dorman, PGATOUR.COM

彼はマスターズの期間中、冷静に賞賛に応え、パトロンの声援に帽子をあげて応え、幾つもの長いパットを沈め、とても柔らかくチップやピッチングを放っていた。それについて2度のマスターズ覇者で40年前にマスターズのローアマチュアに輝いたベン・クレンショーは熱狂的な賞賛を与えている。

「彼の手は魔法にかかっているようだ」とクレンショーはウェールズのゴルフ記者であり、長年サンデータイムズのゴルフ特派員を務めるジョン・ホプキンズに語った。

議論の余地はない。グァンは正真正銘、ショートゲームの魔術師だ。彼のパッティングアベレージ「1.39」は今年のマスターズのトップタイを記録。そして彼は72ホールを通じて3パットを叩いていない。このことは、彼が既にツアープロが生涯をかけて会得する技術を既に身に着けていることを意味する。彼はスコアメイクの術を知っているのだ。

更に彼は5フィート9インチ、135ポンドの体をいかにフルに使うかも心得ている。マスターズでの平均飛距離はワーストで、これは驚くべきことではない。しかし恐らくそれは今だけだ。恐らくニューオリンズでの今大会でも飛距離は出場選手の中で最も短いだろう。しかし彼は大会会場となるTPCルイジアナでの練習ラウンドにおいて、向かい風の476ヤードのパー4ホールで、220ヤードの第二打を4番ウッドで打ち、それをピンまで20フィートに寄せバーディを奪ったのだ。

現在のところ、“ステージママ”や“ステージパパ”によるプロゴルファーへの強制や、選手にとって何がベストかを考えないような取り巻きに、かき回されることはないようだ。そのような悲惨な話は調べればいくらでも出てくる。しかし、グァンが4歳の時に初めてゴルフを始めさせたグァンの父ハンウェンが、そのような親による「強制的な早すぎるプロ転向」というミスを繰り返さない保障はない。

外見上、グァンはとても幸せそうだし、よく環境にも順応し、非常に成熟した態度でゴルフに臨んでいるようだ。しかし言い換えれば、彼は子供たちの理想的な模範であり、世界的なゴルフ市場において未だ未開発の地である極東の一部のプレーヤーに過ぎない。

ファルドは中国で開催したゴルフクリニックでグァンに出会った時のことを覚えている。グァンと共に手本を見せていた時、英語が話せない8歳の男の子が近寄ってきた。そしてファルドとグァンが何者なのか、そしてそこで何をしているかは、分かっているようだった。ファルドはこの男の子の名前を思い出すことができないが、彼の性格は明確に覚えている。

「彼の名前の意味は『大きくて強い』というそうだ。彼は身長4フィートだった」とファルド。「僕たちはすべて手話のようにしてコミュニケーションをとったよ。そしてその子は僕らについて回り、その週の“マスコット”みたいだった。そして僕が上の方を指さすと、彼は高い球を打ち、下の方を指さすと低い球を打った。彼は手本を見て、そして自分で考えてやっていた。そして、『大きくなったら僕もゴルフをやる』と言ったんだ」

「これこそが、僕が何年か前に中国について言ったことさ。ヒーローが誕生すればすぐにゴルフは人気スポーツになる。そして、なんということだろう。彼らのヒーローはまだたったの14歳なんだ」

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