2013年 ノーザントラストオープン

ノーザントラストオープン2日目 レビュー

2013/02/16 18:04

過去1年以上で最高位フィニッシュとなった先週に続き、ヤコブソン(スウェーデン)の勢いが止まらない。「ノーザントラストオープン」2日目、リビエラCCで最も難度の高い2つのホールでバーディを奪ったヤコブセンは6アンダーの「65」で回り、ベ・サンムン(韓国)と共にトップで週末を迎える。

スウェーデン出身のヤコブソンは、ティショットからアイアンに至るまで、すべてて素晴らしいゴルフを見せ、格式高いリビエラCCを攻略した。運も味方につけた。9番ホール、グリーンエッジからの55フィートをパターで沈め、ラッキーなバーディを奪った。「あれは今日一番のボーナスだったね」とヤコブソンは振り返る。

べ・サンムン(韓国)は、午前中のラウンドを4連続バーディという素晴らしいスタートで飾った。この日はショットが正確で、13番ホールの25フィートのバーディパット以外は、すべてピンそばに寄せていた。彼は18ホールで9つのバーディを奪い、スコア「65」で2日目を終えた。

ヤコブソンとベは2日目を終えてトータル9アンダーの「133」。この日「66」で回ったアンダージョン・メリック、「65」で回ったジョン・ロリンズが1打差で追っている。

この日の注目を集めたのはルーク・ドナルド(イングランド)。彼は2度のチップインバーディを決めるなど、ショートゲームで素晴らしいプレーを連発し、2日目を「66」で終えた。2か月ぶりの試合となったドナルドに、固さは見られなかった。彼はトップと2打差の好位で3日目を迎える。

リー・ウエストウッド(イングランド)は最終ホールでバーディを決め「68」、メジャータイトル獲得経験のあるチャール・シュワルツェル(南アフリカ)、ウェブ・シンプソン2人を含む6アンダーグループに加わった。

フィル・ミケルソンは10番の不注意なダブルボギーにも関わらず、まだ上位進出の可能性を残している。ミケルソンは「67」、トップと5打差だ。「10番ホールは少々問題だったね…。パー狙いだったのに、それじゃ収まらなかったから。でもトータル4アンダーは悪くない。10番ホールを除けばね。お蔭で素晴らしいはずのラウンドが、まぁ悪くないラウンドになってしまったよ」とホールアウト後のミケルソン。

今週末、リビエラCCのサンセットブルーバード(LA市街地の目抜き通り)では誰が優勝を飾るのだろうか。

今週は、トップと5打差以内に20人の選手がひしめき合っている。昨年の覇者ビル・ハース、2つのダブルボギーが痛かったマット・クーチャーもいる。彼らはトップと4打差だ。セルヒオ・ガルシア(スペイン)は上がり5ホールで3つのボギーを叩き「73」。ミケルソン、アーニー・エルス(南アフリカ)、アダム・スコット(オーストラリア)らと共に4アンダーグループにいる。
ヤコブソンは持病の腰痛に悩まされることなく、今のところ快調にプレーできているようだ。

ヤコブソンは2011年のトラベラーズ・チャンピオンシップでの優勝以来、トップ10に2度しか入っていない。ひとつはディフェンディング・チャンピオンとして臨んだハートフォードでの8位タイ。もうひとつは先週のパブル・ビーチでの7位タイだ。「今更こんなこと言うのもへんな話だけど」ヤコブソンは、前置きした上で続けた。「練習ラウンドでいくら上手に回ろうとも、重圧を感じるツアーでいかにスコアメイクするかが重要なんだよね。幸いそのことに早く気付けたから、今はプレッシャーのかかる状況でのラウンドこそが、最良の練習だと割り切っているよ」。

ロバート・ストレブは、カットラインぎりぎりの位置にいた。最終ホールでパーを取れば144人がプレーした2日目から、70人が予選落ちとなる3日目に進むはずだった。しかし残念なことに、彼は最終ホールをダブルボギーとした。これでカットラインに影響が及び、10人の選手が2オーバーで決勝ラウンドに残った。ストラブは、ダブルボギーが響いて3オーバー。週末のプレー機会を逸してしまった。

石川遼は18番ホールをボギーとしたものの、今季初となる予選突破を決めた。

世界ランク3位のドナルドは、トップ20でいまだ今シーズン試合をしていない3人のひとりだが、彼ら3人はこの日、同じ組で回った。スコットは予選突破したものの、グレーム・マクドウェルは「72」で、1打及ばず予選落ちとなった。

6か月前まで世界ランク1位だったドナルドは、この2か月の努力の賜物であるショートゲームで成果を発揮したものの、本調子とはいえなかった。木曜日、10番でチップインイーグルを奪った彼は、金曜日も15番でチップイン、さらに4番(パー3)でもチップインバーディを奪った。「ティからグリーまで(のコース戦略)が、イメージに近づきつつあるよ。特に、自分のショートゲームの調子の良さには興奮している。長いブレイクの後、このような戦いに加わるのは容易なことではないからね。今日はショートゲームのお陰さ」。

2年前に世界ランク1位となった時、ドナルドはデイブ・アルレッドと共に多くの時間を過ごしていた。イギリス人のデイブはジョニー・ウィルキンソン(ラグビー選手)らのパフォーマンスを向上させたことで有名な人物だ。ドナルドはかつて、マイケル・ジョーダンとも時間を過ごしたことがあったが、それは単に偉大なNBA選手と時を共有した以上のものがある、と語った。

ドナルドは半年もの間、あのジョーダンが家を建てていた南フロリダの家で過ごした。ジョーダンは、賭けゴルフが大好きだ。ドナルドにしてみれば、ジョーダンは格好のカモだった。「僕はいつも6打(ジョーダンに)あげるんだ。それでも彼にとっては十分じゃなかったね」

ドナルドは、ノースウェスタン大在学中にNCAAタイトルを獲った時、シカゴでジョーダンと出会った。彼ら2人は純粋にいい友達となった。「(自分が得意なゴルフ以外で)ジョーダンと競うなんてまっぴらゴメンだね。もっとも、彼のような“勝利の血統書”を持った人と一緒に時を過ごすことは何ら悪いことではないけどね」。

「世界に名だたるスーパースターと一緒にいられたのは、光栄なことだ。彼の物事に取り組む姿勢や見識の広さは、特に素晴らしかったね。そんな彼と、時間を過ごせたのは宝物だね」。「彼に影響を受けて、色々な良いところを学ぼうと思ったよ。私のささいな質問にも、彼は真摯に答えてくれた。ぼくらは仕事仲間じゃないからね。彼のような“スポーツ史上の伝説”となる人物に繋がりが持てたことが、とても素晴らしいことだよね」

そんなドナルドではあるが、今週10番ホールでとても良いプレーができたことが、未だなぜだか理解できていないのだ。ダスティン・ジョンソンは2日目の10番でグリーンを外した。さらに次のショットをバンカーに入れてしまった。3打目は辛うじてグリーンに乗ったに見えたが、やがてボールはバンカーの彼の足跡のところまで戻ってきてしまった。バンカーから抜け出すまでに2打を要したジョンソンは、ダブルボギーとした。その後のホールでもショートゲームのミスをし、2度目のダブルボギーを叩いたジョンソンは「69」と猛追したものの、1打及ばず予選落ちとなった。

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