ジョーダン・スピースの特別な優勝 1920年代以来の記録続々
2007年に開場してわずか8年という歴史しかないチェンバーズベイで行われた「全米オープン」でのジョーダン・スピース(21歳)の優勝は、約90年前の記録を掘り起こす結果となった。以下はその一例だ。
◇1922年のジーン・サラゼン以降、メジャー2勝した最年少。22歳未満でのメジャー2勝はヤング・トム・モリス、ジョン・マクダーモット、サラゼンに次ぐ史上4人目。
◇1923年のボビー・ジョーンズ以降での最年少優勝。
◇メジャー5大会連続で30歳以下の選手が優勝したのは、1924年以降初めてのこと。
◇1926年のボビー・ジョーンズが成し遂げて以来、最終ホールでバーディを奪って1打差で勝った最初の選手。
ほかにも、いかにこの優勝が特別だったかを物語る記録は少なくない。
◇「マスターズ」と「全米オープン」を同一年に制した最年少記録。ほかにこの2大会を同じ年に制したのは、クレイグ・ウッド(1941年)、ベン・ホーガン(1951年、1953年)、アーノルド・パーマー(1960年)、ジャック・ニクラス(1972年)、タイガー・ウッズ(2002年)の5人(6回)。
◇「全米ジュニア」と「全米オープン」を勝ったのは、ジョニー・ミラー、タイガー・ウッズに続き史上3人目。
◇1940年以降、22歳までにツアー4勝を挙げたのはタイガー・ウッズに次いで2人目。
ちなみに、第1回「全米オープン」が開催されたのは1895年(明治28年)。PGA・オブ・アメリカの設立は1916年(大正5年)。PGAツアーは1968年(昭和43年)にPGA・オブ・アメリカから独立した。
スピースが次に挑むメジャー大会は「全英オープン」。過去に4大メジャー大会を同一年にすべて制覇した選手はいない。“グランドスラム”として語り継がれる偉業は、1930年にボビー・ジョーンズが「全英アマ」「全英オープン」「全米アマ」「全米オープン」の4試合を制したこと。7月のセントアンドリュースは、そんな歴史との対話になることだろう。(ワシントン州ユニバーシティプレイス/今岡涼太)