PGAツアー「MCIヘリテージ」プレビュー
「マスターズ」の緊張間から開放され、ハーバータウンの美しい景色に出迎えられると肩の力がすーっと抜けていくような気がする。これが「MCIヘリテージ」に参戦する多くの選手達の出場理由。メジャーでヒートアップしてしまった肉体と精神をクールダウンしてくれる最高の大会なのだ。また中にはメジャーで負った痛手を癒しに来ている選手もいる。
アーニー・エルス「ここ2日間はクラブを握りさえもしなかったよ。レイクノナに戻って家族とゆっくり過した。ここは好きなコースだしね。昨日コーチのレッドベターとも話していて、次のメジャーに頭を切り替えようと決めたんだ」
一方、この大会の常連優勝者デービス・ラブIIIにとっては「マスターズ」6位タイは今週の試合参戦に弾みをつけた。ラブが達成しているPGAツアー18勝のうち5勝はこの「MCIヘリテージ」という抜群の相性。その中でも昨年は、最終ホールでグリーン外から22メートルのチップイン・バーディを沈めてプレイオフに持ち込み、優勝をさらっている。
デービス・ラブIII「周囲にも言われるし、正直に言って自分でも思うのですが、僕の優勝回数は少なすぎますね。でも優勝できていなくても、しっかり踏ん張ったゴルフが出来ている。ですから昨年の最終日も決してプレー内容はベストなものではなかったのに、勝てた。粘りのあるゴルフが活きたんです」
ニック・プライス「ゴルファーとして成長した証ですよ。ベストな状態でなくても辛抱して、戦略を正しく立てて勝つ。それがラブの強さですね。彼がこのコースで5勝していているのは不思議ではありませんよ」
◇大会DATA:賞金総額450万ドル、優勝賞金81万ドル
デービス・ラブは今大会で5勝を含むトップ10入りが10回。過去18回の参戦でトータルのスコアは90アンダー。
40歳以上選手の優勝は5回:パーマー(69年)、ゴールビー(70年)、アーウィン(94年)、L.ロバーツ(96年)、N.プライス(97年)
デービス・ラブIIIは今大会の最年少優勝者記録も保持(1987年に23歳と6日で優勝)