“タイガー越え”まであと1勝。クーチャーの強さは今年も健在だ (Mike Mulholland／Getty Images)

◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー 3日目（24日）◇オースティンCC（テキサス州）◇7108yd（パー71）

マット・クーチャーがキム・シウー（韓国）を7＆6の大差で破り、タイガー・ウッズと並ぶマッチプレー最多36勝目（11敗5分け）をマークした。「タイガーの記録に並ぶなんて、クールだね。長い間、良いゴルフを続けてきたのだと思うと、とてもうれしく、誇らしい」と喜びに浸った。

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前日もチャンスがあったものの、最終18番でクリス・カークに追いつかれて引き分けに終わった。最後は決めればマッチをものにできる2mのバーディパットがカップを抜け、記録のことが頭をよぎった。だからこそ、この日は目の前の敵を倒すことに全集中。2連勝中だった相手のミスも逃さず序盤から圧倒し、そのまま寄り切った。

積み上げた36勝のスタートは、2010年大会でアンソニー・キムから。インタビューでその事実を知らされると、「Wow！」と驚き、足跡に思いをはせた。13年は連覇を狙うハンター・メイハンを破って優勝。11年のバッバ・ワトソンに勝利した3位決定戦も思い出深いという。そして、「決勝で負けたことは忘れたいね」。19年にケビン・キズナーに敗れた悔しさは今も鮮明だ。

グループステージを2勝1分けで突破し、記録更新がかかる決勝トーナメント1回戦は大会2勝、当地でも16年に優勝を飾っているジェイソン・デイ（オーストラリア）と激突する。「タイガーの記録を塗り替えるチャンスを得たのは素晴らしい。明日うまくいったら連絡しようかな」と笑わせたが、それだけではない勝利へのモチベーションがある。「マスターズにどうしても戻りたいんだ。それが僕の大きな目標でもある」。2年ぶりに大舞台へ返り咲くためにも負けられない。（テキサス州オースティン／亀山泰宏）