PGAツアーのジェイ・モナハン・コミッショナーは新制度について「完ぺきではない」と今後も検討を重ねる考えも口にした

◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報（7日）◇TPCソーグラス ザ・プレーヤーズ・スタジアムコース（フロリダ州）◇7275yd（パー72）

PGAツアーは7日、会場のTPCソーグラスでメンバー向けの選手ミーティングを実施した。幹部らから2024年のスケジュールと試合形式の変更に関する草案について説明を受け、選手理事を務めるロリー・マキロイ（北アイルランド）らが出席した。

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ツアーは前週、70人から80人の出場選手全員が4日間プレーする「指定大会」8試合の実施を発表したばかり。出場資格は今季のフェデックスカップポイントランキング上位50人、当該シーズンの優勝者およびポイントランク上位者、世界ランキング上位30人などに付与され、高額賞金を争う。また、指定大会の優勝者が得るポイントは通常のフルフィールドの500ptに対して700ptとなる予定だという。

コミッショナーのジェイ・モナハン氏は「これこそがファンが欲しているもの。過去5年のメジャーには平均で世界のトップ30のうち 95%以上がメジャーに出ているのに対し、1つのツアー競技では40%に満たない数の選手で争われている」と説明。人気選手同士の争いを増やすことで、注目度を上げる狙いがある。

少人数で予選カットのない競技については昨年、サウジアラビア政府系資金に支援される「LIVゴルフ」が48人による54ホールの3日間競技を立ち上げた。欧米からトップ選手が流入し、ツアー側が賞金増などの対抗策を練ってきた経緯がある。

マキロイはこの日の記者会見で「ここで嘘を言うつもりはない。LIVの登場はすべてのエリートプロゴルファーにとって恩恵を与えている。明らかにゴルフにインパクトを与えた」とライバルリーグの存在の大きさを認めた。世界ランク1位のジョン・ラーム（スペイン）も「LIVゴルフがなければこうはならなかった。ある意味ではPGAツアーが変革したいと思う脅威になったことに感謝しなくてはいけない」と同調した。

指定大会の詳細については今季終了までに正式決定する見込みだが、新スケジュールでは同じツアーでありながら、エリートが集う指定大会と通常のフルフィールドでの試合との選手の二分化も懸念されている。

ジャスティン・トーマスは「全員を幸せにするモデルはない。冷酷な事実だけど…。しかし結局はゴルフをプレーする限り、良いプレーをすればより良い試合に出られる、そうでなければ職を失うかもしれない、下のツアーに行くかもしれないという考えは変わっていないはず」と新制度を分析。一部選手からの不満に対して、「気色ばむ人とは、考え方の違いがある。『フェアじゃない。僕は出られないじゃないか』と（不平を）言うか、『僕もあの試合に出るひとりになりたい』と言うかだ」と考えを投げかけた。（フロリダ州ポンテベドラビーチ／桂川洋一）