蚊はいないけど…“鬼門”ボストン 土壇場で西村優菜のマインドセットは
◇米国女子◇FM選手権 事前(25日)◇TPCボストン(マサチューセッツ州)◇6533yd(パー72)
前週カナダではコース内に蚊が大量発生し、選手たちを大いに悩ませた。「メチャクチャやられました」と苦笑いする西村優菜もその一人。ひじの近くが「こっちはフェイクのひじ」と冗談めかすほど腫れ、ロングパンツでガードしていたはずの足もかなりの箇所を刺され、あざのような痛々しい痕がまだ残っているそうだ。
その中での17位フィニッシュは、古江彩佳と組んだダブルス戦「ダウ選手権」の5位を除けばシーズンベストの成績だった。「(4日間で)一番ミスパットが多かった」と振り返る最終日の「67」に声のトーンを上げる。
77.78%(14/18)と高水準だったパーオン率を下支えに、あとはパッティングがどれだけ入るか…というプレーはまさに西村が強みにしてきた戦い方。「最終日だけではあったんですけど、フィーリングが良くて、打ちたい球のラインにイメージ通りの球が出てくれた回数がすごく多くて、自分でも驚いていたところがあったくらい」。左を嫌がって右にミスする、といったシーンがゼロになったわけではない。それでも、「回数自体も少なかったですし、逃げる幅が狭かった」。シーズンを通してベストといえる感覚だった。
ここTPCボストンには、蚊の大群はいない。ただ、過去2年連続で予選落ちを喫している「一番イヤかもしれないコース」だったりする。特に2打目の難しさに苦しめられてきた鬼門は、例年ウェッジショットでも止めるのに苦労していたほど硬く仕上がっていたグリーンが比較的ソフトになっているという。苦手意識を振り払い、状況に応じてアグレッシブに攻めることをテーマに掲げる。
今大会終了時点のポイントランキングが秋のアジアシリーズ4試合の出場優先順位として適用される。ランク102位からの滑り込みには好成績が求められるが、「もちろんアジアは出たいですし、(日本開催の)『TOTO』なんかは一番出たいですけど、そこを目指していくには前半戦から頑張らないといけなかった。シード(カテゴリー1)も獲りたいですし、なんなら『CME(最終戦)』にも行きたいし…。でも、いろんな“線”を自分で決めてしまうと、自分にすごく厳しくなってしまう。ちょっと気楽に回れたら」とあえて力を抜く。
4年目を迎える米ツアーでの戦いは、まさに山あり谷あり。ずっと歯を食いしばって、状況に応じたボーダーラインを設け、気力でそこに踏みとどまってきた。そのスタイルが、いまの自分のゴルフには必ずしもプラスに働かないと感じている。カナダで自分を許す“幅”を広げて結果につながったように、米ツアーで勝つという最終目標は変えず、まずはその日コースで向き合うハードルを決めて長い目で状態を上げていくこと。「いまでも『そんな感じでゴルフやっていたら、甘いんじゃない?』って思っちゃいますけどね」。もどかしくても、決して下は向いていない。(マサチューセッツ州ノートン/亀山泰宏)