「またパターが曲がっちゃった…」原英莉花を襲ったフライトの不運とフックラインの幸運
◇米国女子◇ザ・スタンダード ポートランドクラシック 2日目(14日)◇コロンビア・エッジウォーターCC (オレゴン州)◇6541yd(パー72)
2つ伸ばして後半に折り返した原英莉花はパー5の10番で唯一のボギーをたたいた。「狙っちゃって…って感じです。池に入れちゃいました…」。伸ばし合いが展開されるコースで間違いなく手痛いミスだったが、直後の11番で粘れたことが大きかった。
ウェットなコースコンディションはショートアイアンで飛ばしにいった時に深く入って飛ばなかったり、番手間の距離が残った時はとにかく神経を使う。337ydと短いパー4の2打目もわずかに短く、傾斜で手前に戻された。上りのロングパットを2m弱ショート。「それまでずっとショットも(チャンスに)ついていたのに、ほとんど外していた。せめてパーパットだけでも決まってくれて良かった」。緊張感あふれるストロークでねじ込んで連続ボギーを回避すると、前向きになれる自分がいたという。
「『ここから全部バーディでも行けるんじゃない?』って頭の中で思ったんです、不思議と」。チャンスを量産していたショットの安定感、シビアなパーパットを乗り越えた手応えがポジティブなマインドとなって背中を押した。3打目が短く手前のカラーだった12番(パー5)で6mほどをパターで流し込むバーディ。続く13番(パー3)では「すごくいいショットでした」と胸を張る会心の一打が出た。わずかなアゲンストを感じ、大きめのクラブとなる7Iをチョイス。左サイドからのストレートフェードで右手前ピンを攻め込み、カップをかすめるように上1m強に絡めて獲った。
勢いは止まらず、上がり3連続バーディで「66」をマークして通算9アンダー。上位での週末を引き寄せる力強いプレーの裏で、大会前に不運に見舞われていた。「また曲がっちゃったんです、フライトで…」。飛行機移動時、パターの溶接されたネック部分が変形してしまうトラブルにはこれまで幾度となく悩まされてきた。
どうしてもフック回転がかかる違和感からわずかな変形に気付き、調整してもらった後も微妙な違和感は残ったままだ。「順回転している感じがしなくてちょっと気持ち悪くて、ちょっとイヤだなって思うと右に強い球がストレートで行ってしまったり…」。モヤモヤを抱えながら後半にたたみかけられた背景には、ちょっと珍しい巡り合わせもあった。「きょうは(チャンスに)ついたところで、スライスラインがなかったんです。全部フックラインだったから、徐々にアジャストできたのかな」
気持ちの浮き沈みなく、フラットなメンタルで7バーディを積み重ねたラウンドを「平凡な感じ」と表現したが、スコアは出色。「ここに入った時から、『たくさんバーディを獲らなきゃ』と思っていた。あしたからも変わらずチャンスにつけて、バーディを獲っていきたい」と必死に食らいつく。(オレゴン州ポートランド/亀山泰宏)