300yd先のバンカーに入っても 雨に降られても…原英莉花のムダではなかった挑戦
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 2日目(24日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6538yd(パー72)
早朝の1番ホール、原英莉花が振り抜いた1Wショットは300yd以上先にあるポットバンカーにつかまった。「大丈夫かなと思ったんですけど…」と地面の硬さにビックリしたのも無理はない。今週に入ってからの練習は「250ydくらいしかキャリーが出ていなかった」。むしろ飛ばない状態はコースに出ても、2アンダー5位と好発進した初日のプレーでも変わっていなかった。
2打目がフェアウェイへ出すだけとなってボギーが先行。2番ホールでは突然、雨も降ってきた。体感で10℃ほどしかない寒さとのダブルパンチ。面食らってもおかしくない状況で落ち着いていた。「『クソー!』ってマイナスのイメージになるより、『来ましたー』みたいな受け入れる感じ。(簡単に)うまくいくなんて思ってないですよね。正直、このコースで…」。スポット参戦した2年前、スコットランドらしい悪天候や中断に伴う午後5時半を過ぎてからのティオフに振り回された。
「こんなに難しいコースがあるのかっていうのを知れただけでも大きな経験だった。推薦をいただけたことは自分にとって大きかった。『なんでうまくいかないんだろう…』って受け入れられない自分が昔はいたと思う。失敗ばかりしているから(笑)、それも受け入れられて、前向きなプレーができているのかな」。直前に推薦出場が決まった当時も口にした周囲への感謝を改めてかみ締めながら、果敢な挑戦がいまになって報われるようなこの2日間の戦いが本当にうれしい。
とはいえ、この日は4番までの2ボギー先行で追い込まれそうになっていたのも事実。いずれもアプローチでピンチを切り抜けた7番と8番のパーセーブが踏みとどまる力をくれた。「3オーバーまでいっていたら、(展開が)変わっていたかもしれない」。砲台グリーンの左に落とした8番はライも良くなかった58度のチッピングを必死に寄せた。我慢できたご褒美のように、10番で残り130ydからPWの2打目を放り込むイーグルが飛び出した。
12番でボギーを喫しても、そこから3バーディを奪い返す底力を発揮。特にバウンスバックとなった13番は「一番苦手とするホール」だった。前日とは風向きが変わってフォローが吹く好条件を生かし、右サイドのポットバンカーを気にせず飛距離を稼いだ。58度のウェッジショットをしっかりピンに絡めて獲った。
連日の「70」で通算4アンダー4位。2年前は「76」を並べたコースで、抜け出した首位とは7打差ながら好位置で週末を迎える。「私のいまの調子だと、上位で戦っていても、もし優勝争いをしていても“徹する”ことが大事だと思う。エンジンをかけて…というより、低空飛行な感じでうまく切り抜けられたら。やっぱり、恐れながらプレーします」。このコースの怖さを知っていることが、残り2日間もきっと大きな武器になる。(スコットランド・ゲイレス/亀山泰宏)