◇米国女子◇みずほアメリカズ・オープン 最終日（11日）◇リバティーナショナルGC (ニュージャージー州)◇6690yd（パー72）
ずっと一緒に転戦する母・久美さんから、ゴルフのアドバイスをもらうことはほとんどない。「最初は信じていなかったけど」と勝みなみはちょっと申し訳なさそうにつぶやいたが、やっぱり一番近くで見ている母のアドバイスはすごかった。「13年ぶりくらいに『見つけた！』って感じで。やっとハマるものが見つかった」
22位から4バーディ、2ボギー「70」で回って、通算5アンダー15位フィニッシュ。3月「ブルーベイLPGA」（12位）以来の米ツアートップ15は、前週からコツをつかんだショートゲームのおかげだった。
「アプローチを打つのが嫌だった」と、ショットが良くてもアプローチだけしっくりこない。ヒントを得ようとジュニア時代のスイングを見返しても、なかなか解決策が見つからなかった。
「お尻を出して、って言ってなかった？」。見かねた久美さんが伝えたのは、ジュニア時代に通っていたスクールの先生からのアドバイス。「確かに、言われたかも」と前週「ブラックデザート選手権」（45位）で試してみると、かみ合った。「ぎこちなさはあるんですけど、変なミスにならないのが自分の中では大きくて。今までは下半身の細かい部分を見ていなかった。母のおかげです」と笑った。
強風の中でプレーした今週も、4日間のパーオン率は61.11%(44／72)ながらオーバーパーは3日目「73」だけ。この日も1番、2番とグリーンを外したが、アプローチで寄せて崩れなかった。
「自信になった1週間」と今季初戦から7戦連続で4日間を戦い切った。次は「全米女子オープン」（ウィスコンシン州エリンヒルズ）の出場権を懸けて13日（火）の予選会に挑戦後、メキシコで22日に開幕する「リビエラマヤオープン」（マヤコバ エル カマレオンC）に向かう。米国で過ごす1週間のオフも、メキシコももちろん久美さんと一緒だ。渡航準備でバタバタする中、11日の『母の日』は手料理を振る舞う予定。「生まれ育った国を離れてサポートしてくれる親って、特別だなって。感謝しています」と母娘の旅は続く。（ニュージャージー州ジャージーシティ／谷口愛純）
