ダレン・クラーク、5年越しのリベンジ!/三井住友VISA太平洋マスターズ
日本ツアー通算2勝目の祝杯は「色のついた水」を一気飲み!
4日間で打ったボギーは、わずかに3つの完全優勝。ダレン・クラークはこれまでの大会レコードを大きく上回る通算22アンダーを叩き出した。楽勝だった。
4打リードで迎えた最終日はショットこそやや乱れたものの、そのことによって予想されるピンチへの準備は万全だった。
前週まで参戦していた、米国ツアーとはまったく違う芝質。その対策に今週、クラークは小技の練習に普段より多くの時間を割いていた。
この日の朝も打撃練習はそこそこに、アプローチ、バンカーショットに40分。みっちりと取り組んでから1番ティに立った。「その成果が実ったね」。最終18番でもグリーン奥から、急激な下り傾斜のグリーンにむかって、あわやチップインイーグルのアプローチで大観衆を魅了して、余裕のバーディフィニッシュ。
今大会は、4回目の出場だった。前回出場の1999年は、プレーオフの末2位に沈んだ。あれから月日がたち、世界各国で勝ち星を重ね、世界ランク12位まで駆けのぼり、舞い戻ってきたここ御殿場コースで、その急成長ぶりを見せつけた。5年越しのリベンジも達成した。
「いろんな試合に出ているけど、この大会は特に、来るたびにコースセッティングが進化しているし、僕の大好きなトーナメントの1つなんだ。その試合でこうして勝つことができて、本当に嬉しいよ!」と、クラーク。
この1年で、19キロ減。「世界のトップで活躍する選手は、みなほとんど同じ体型をしている」。不摂生がたたって、当時100キロを優に超えていた体重を反省し、一念発起で取り組んだダイエットは、週6日間の地道なエキササイズと食事制限の成果だった。
最近は大好きな酒やタバコもごく少量に控えていたが、この日ばかりはそれも解禁。優勝インタビューが始まるなり、マネージャーが机にアサヒの瓶ビールを置いたとき、すかさずクラークの大きな手がニュッと伸びた。
手酌でコップに注ぐなり、あっという間の一気飲み。
報道陣から、「確か、禁酒していたのでは?」と聞かれたクラーク。
「これはみなさんからはビールのように見えますが、実は色のついた水なんです」と平然と切り返して、北アイルランドの酒豪は茶目っ気たっぷりに笑ってみせた。
【ベストアマ賞:「飛ばし屋」諸藤将次(日大1年)が2年連続受賞!】
諸藤将次(3アンダー、48位タイ)
「今日はドライバーの調子が良かったので、ガンガン行きました。でもその分、パットが入ってくれなかったけれど、今週は4日間ともずっと調子が良くて、楽しくプレーすることができました。2年連続のベストアマ。今年は、ツアーに出場してもずっと予選落ちが続いていたので、今年のベストアマチュア賞の方がなんか嬉しいです。
「最近は(中学生アマの)伊藤涼太君が注目を浴びていますが、僕としては、ファンのみなさんにはもっともっと、(伊藤君を)注目してもらいたいと思っています。それをきっかけに、ゴルフの知名度が上がればいい。僕も頑張って、注目されるようになりたいと思います」