両手を上げてジャンプして歓喜して “アイドルゴルファー”菅沼菜々が大切にすること
◇国内女子◇NTTドコモビジネスレディス 最終日(3日)◇浜野GC(千葉)◇6704yd(パー72)◇曇り(観衆4264人)
13番のチップインバーディで、菅沼菜々は「きょうあるかも」と優勝の予感がよぎったという。2打リードして出た最終日は2番で手前5mを沈めてバーディを先行させ、3番で横2m、4番は166ydを7Iでピンそば1.5mにつけて3連続バーディを奪取。リードを3打に広げ、後続を寄せつけないプレーで後半へと折り返したが、12番で30cmのパットを外してボギーと一歩後退したところでのバウンスバックだった。
「めちゃくちゃ大きい泥が付いていて。上って下って、(傾斜的に)右に行っちゃうアプローチ。もう絶対に入らないし、どうしようと。ちょっと強く入ったのがまさかのカップに入って。あれは奇跡だと思いました」
56度のウェッジでの一打は、ピンに吸い込まれるように勢いよく転がってカップイン。「入っていなかったら流れが変わっていたと思う」と両手を上げてジャンプして歓喜したハイライトを振り返った。
優勝へのプレッシャーを感じてなのか、「去年の最終日前夜は普通に眠れたのに、きのうは全然眠れなくて。時計を見るたびに1時間ぐらいしか進んでいなくて緊張しているな、と思った」。主催者推薦からシード復活を手にした一年前と心境は異なる。
今年はオフシーズンに筋力強化に励み、飛距離をアップしてシーズンイン。今週のドライビングディスタンスは3日間を通じて穴井詩、山路晶、渡邉彩香に次ぐ平均263ydをマークし、「去年は本当にどん底からの復活ということで一打一打がしびれた。今回はショットに自信がすごくあって、自分を信じてプレーした」と一皮むけた姿に胸を張る。
かねて公表する“広場恐怖症”と向き合いながら転戦する。「乗る機会自体がないんですけど、バスに乗るのはたぶん大丈夫。それ以上は成長していないです」と本州から離れる沖縄、北海道の試合への出場はいまだに困難だと話す。「私が病気を公表してから、同じ病気だったり、違う病気だけど応援に来て元気になりましたとか、活躍を見て頑張ろうと思えるという方がたくさんいらっしゃって。自分が頑張る意味があると思える」とファンから掛けられる言葉に勇気づけられる日々だ。
ツアー通算4勝目を手にし、次戦は今季国内メジャー初戦の「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」(7日~/茨城GC西コース)が控える。目指すのは「常に優勝争いできる選手」だと言い、安定したトップ10入り、初のメジャー優勝へ意気込む。プロゴルファーを目指したのは「誰かに元気を届けられるようになりたくて」。歌って踊る“アイドルゴルファー”は、これからもその心を大切に歩み続ける。(千葉県市原市/石井操)