37歳の気迫と2gの工夫 「我慢したくない」申ジエが怒とうの64
◇国内女子メジャー第3戦◇日本女子オープン 3日目(4日)◇チェリーヒルズGC(兵庫)◇6616yd(パー72)◇雨
あと3yd飛ぶはずだった。8バーディを量産して迎えた最終18番(パー5)。フェアウェイから池を越えて198yd先のピンを、申ジエは5番ウッドで狙った。しかし、ボールはグリーン手前のラフへ。池にこそ入らなかったものの、アプローチは寄らずにパー。「ちょうどいいと思ったんですが…。雨でボールに泥や砂がついていたのが影響したのかもしれません」と残念がる。
首位と9打差、最終組がティオフする約4時間前から回った。2オンでイーグル奪取なら通算12アンダー。スタートしたばかりのトップを1打抜き、暫定トップに立っていた。バーディでも暫定トップタイ。「調子が良かった。(刻んで)我慢するより、前(2オン狙い)に行きたかった。結果はパーですけど」。結果的にボギーなしの「64」は一日8アンダーで、18ホール最多アンダーパーの大会タイ記録となった。
繊細な工夫もバーディ量産につながった。予選2日間、グリーン上でパットのタッチが合わずに苦しんだ。この日は普段から持ち歩く、パターのグリップエンドに装着する重りを2g重くした。パターのバランスを変えて「手、肩が動きやすくなった」と言う。出だし2ホールで3m弱のチャンスを続けて外したが、3番で同じ距離のスライスラインを沈めるとショットもキレキレに。「半分以上は1m以内についた」と8バーディを奪った。
37歳の今も、勝負師のハートは衰え知らずだ。国内ツアーの永久シード獲得まであと2勝に迫った今季、オフの合宿から5月の国内メジャー初戦「サロンパスカップ」に照準を絞って、狙い通りに優勝。その後は国内メジャー4タイトル総なめのグランドスラムで永久シードを決めるため、未勝利の今大会に照準を絞ってきた。
3週前の「ソニー日本女子プロ選手権」では“弟子”の金澤志奈が待望の初優勝を飾った。「今年の国内メジャーは最初の2つを私と志奈で取りました。2人で全部(4試合)とりたいです」。最終戦「JLPGAツアー選手権」を残し、国内メジャー第3戦で。元世界ランキング1位のベテランは最終日を前に、大逆転劇を諦めていない。(兵庫県三木市/加藤裕一)