ツアープレーヤーを支える人々<JGT帯同トレーナー 成瀬克弘さん>
ツアーも中盤戦にさしかかろうか、というこの時期。ジャパンゴルフツアーの救世主的存在が、成瀬さんだ。連戦続きで疲れをためて、不調を訴えてくる選手がもっとも多くなるのが6月から7月にかけて。
大型トレーラーを改造して作られた、移動式のフィットネスカーに常駐する成瀬さんたちスタッフが、もっとも多忙を極めるのもこのころだ。
ホールアウト後は、車の中が選手たちでごった返す。
「腰が痛い」
「首が痛い」
「ひざが痛い」
「手首が痛い」
・・・そんな多岐にわたる選手たち一人一人の訴えに的確な診断を下し、手際よく処置をしていく。
「成瀬さんのおかげで、年間を通して安心して戦っていける」
ほとんどの選手が、そういって感謝の気持ちを口にする。何百人といる選手たちの現在の各症状を、時にはそのスイングを見ただけで的確に言い当て、適切なアドバイスをおくってくれる。成瀬さんに寄せられる信頼は絶大だ。
「スイングの不調が、そのまま体の故障から来ていることは実に多いんです。でも選手たちは自分でやっていて、なかなかそれに気がつけないものなんですね」。
だからこそ、できるだけ全選手に目を配り、常に見守ってあげていたいと、成瀬さんはいう。
現在、賞金ランク2位につける宮瀬博文は、成瀬さんからの指摘でスイングを修正し、その途端に5月のマンシングウェアオープンKSBカップで今季2勝目をあげた。
昨年は、膝の手術を受けながら、約1ヶ月あまりで復帰して来られたのも成瀬さんの指導によるところが大きい。
「僕たちがいることで、選手たちの戦う環境が少しでも良くなってくれるのならば、こんなに嬉しいことはないですね」(成瀬さん)
毎週、繰広げられる感動のゲームも、そんな影で支えてくれる人たちの力あってこそなのだ。
※日本ゴルフツアー機構が発刊しているメールマガジン(プレーヤーズラウンジ)より転載しています。