宮里美香の目に映る、15歳の天才少女
先週の米国女子ツアー開幕戦「ISPSハンダオーストラリアン女子オープン」で優勝争いを演じたニュージーランド国籍で15歳のアマチュア、リディア・コー。今週の第2戦「ホンダ LPGAタイランド」でも好調は変わらず、初日を10位タイで終える好スタートを切った。
彗星のように現れた天才少女。2012年は豪州女子ツアーを14歳9ヶ月と5日で制し、さらに同年8月の米国女子ツアー「CN カナディアン女子オープン」を15歳4か月と2日で制覇。次々とツアーの年少優勝記録を塗り替え、世界の注目を集める希代のジュニアゴルファーだ。
迎えた2日目、そのコーと同じ組となったのが宮里美香。昨年の「全米女子オープン」の練習ラウンド以来、公式競技では初の同組ラウンドとなった。宮里自身も14歳で初めて「日本アマ」を制すなど、ジュニア時代にその名を馳せた1人。「私もそうだったけど、今が一番伸びる時期。自分の世界をしっかりと持っているし、ポテンシャルもすごく高い」と、15歳の少女を絶賛した。
この日のラウンドで宮里の目に留まったのは、自身も課題と口にしているショートゲームの巧みさだ。「ショートゲームがすごく上手かった。17番なんてすごく難しいアプローチが残っていたけど、スピンコントロールで止めていた」と、思わず苦笑い。「何より、パットが一番上手い。まだ若いのにしっかりストロークができていて、決めるところでしっかり決めてくる。経験を積めば、まだまだ強くなると思う」と、賛辞が次々と口からあふれ出る。
海外では近年、ミッシェル・ウィ、レクシー・トンプソンらに称されてきた“天才少女”の二つ名。しかし、恵まれた体格とパワーが象徴的だったこの2人に比べ、小柄なコーは明らかにタイプが異なる。ショートゲームの上手さが突出しているという評価も素直にうなずける、宮里の“リディア・コー評”だった。(タイ・チョンブリ/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。